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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
101/289

101話 過去からの友人

私は森の奥にゲートを開いた。最初に浄化した辺りだ。

私がサーチで周辺に人がいないのを確認した後、陛下達5人もゲートを通った。


「陛下。奥の、私が最後にリッチを浄化した辺りに元帥様が1人でいるだけみたいです。」


「え?ベリトの奴1人でいるのか?」


「はい。行ってみますか?」


「ああ。」


そして、奥に進むと見えたのは元帥様ともう1人の人影。


あれ‥‥‥あの人、もしかして‥‥リッチだった人?


「おい、ベリト。元帥が1人とは無用心だな。‥‥ってこの光なんだ?」


「あれ?兄さん?‥‥ああ、マリン嬢ですか。道理で。‥‥光は分かりません。私がここに来たら既にいましたので。」


「え?お2人には光にしか見えないんですか?」


「え?マリンは違うのか?」


「はい。確かに光ってはいますが、人影が見えます。」


「「え!?」」


《マリン。聞こえるかの?》


《え?その声、創造神様?》


《ああ。その者の姿や声を聞けるのはマリンだけじゃ。》


《そうなんですか?》


《ああ。そやつも転生者でな。マリンの事を粗方話してやったら礼を言いたいと言い出しての。少ししかいることができんから話を聞いてやってくれんか?》


《え?は、はい。分かりました。》


《精霊王の加護を受けたじゃろ?あの衣を着た状態なら話せるはずじゃ。》


《‥‥人の行動を見すぎじゃありませんか?》


《ふっ。楽しませてもらっておるよ‥‥では頼むの。》


《はい。》


「マリン?」


陛下は私が創造神様と話してる間、黙っていたので不思議そうな顔をしていた。


「いえ。‥‥お2人に人影が見えないなら認識出来るのはもしかしたら私だけかもしれませんね。」


「ああ。レグルス達も人影見えるか?」


『いいえ。』


「やっぱり私だけなんですね。あと、恐らくですがあの人影は私が最後に浄化したリッチの方じゃないかと。」


「え?そうなのか?」


「私なら話せるかもしれませんね。」


そして、創造神様に言われた通り精霊王の加護をもらった時の姿になった。


浄化魔法を使った時に確かにこの姿になったけど、自分で意識しても出来るなんて‥‥試してみるもんだな。


「‥‥‥私の勘が当たっていれば、あなたは私が最後に浄化したリッチの方でしょうか?」


ーああ。ー


「やっぱりそうなんですね。」


ーお、本当に俺の言葉聞こえるのか?ー


「ええ。聞こえますよ。」


ーやった!ベリトじゃ話しても聞こえて無いみたいで全然反応なかったんだよ。ー


「え?元帥様のお知り合いなのですか?」


「「え!?」」


ーああ。ベリトだけじゃないぞ?そこにいるの、ベアルだろ?ー


「は、はい。陛下もお知り合いなんですね。」


「「え!?」」


ー陛下?ベアル、皇帝になったのか。そういや、ベリトのことも元帥って言ってたな‥‥それで、君はマリンだったか?後ろにいるのは2人の息子か?ー


「あ、はい。私はマリン・フォン・クローバーと申します。」


ークローバー?まさかラルクの娘か?ー


「父様もご存知なんですか!?」


ーああ3人共友人だ。あ、俺が名乗ってなかったな。俺のこっちの世界での名前はレウス・フォン・アドニスだ。ー


「あ、アドニスって‥‥ではディアナ母様の‥‥?」


ーお?ディアナにも行きつくのか?ディアナは妹だよ。あ、ディアナが分かるならアポロ兄さんも分かるよな?アポロ兄さんが長男で、俺は次男だ。ー


「‥‥‥衝撃しかないんですが‥‥私はラルク父様と第ニ夫人のディアナ母様の娘で5人兄弟の末っ子です。アポロ伯父様とも会ったことがあります。」


ーえ!?ラルクとディアナが結婚したのか!?すげぇ詳しく聞きたいが、時間がないからな。まずはマリン。俺達で分かりやすく言うと、天国で仲間にも会えた。ありがとな。ー


「いいえ。話を聞く限り、私の伯父様ですよね。」


「「‥‥‥」」


ーああ。そうなるな。ー


「それならお役に立てて嬉しいです。レウス伯父様。」


「「レウス!?」」


「マリン、やっぱりレウスなのか!?」


「はい。そうです、陛下。私にも縁のある方とは思いませんでしたが。」


「‥‥あ、ディアナとラルクか。」


「はい。それで陛下、元帥様。レウス伯父様はお2人のご友人だったそうですね。」


「ああ。」


「伯父様がレグルスとベネトさんを見て、お2人の息子か?と聞いてましたのでお答えしてはいかがですか?」


「そうなのか?」


「はい。私が伯父様に伝えるよりお2人から聞きたいと思いますので。‥‥ですよね?伯父様。」


ーああ。ベアル達の声も姿も聞こえるし見える。俺の言葉を伝えてくれるか?ー


「はい。分かりました。‥‥陛下、元帥様。お2人の声も姿も伯父様に聞こえてるし、見えてるそうです。私が伯父様の言葉を伝えますのでお話しませんか?あまり時間がないそうですから急いだ方がいいかと。」


「そうか。じゃあマリン、頼む。‥‥レグルス、こっち来てくれ。」


「! はい。父上。」


「ベネトも来てくれ。」


「は、はい。」


「陛下、元帥様。伯父様の言葉をそのままお伝えしたいので敬語とかはこの間だけやめておこうと思いますが、許可頂けますか?」


「「勿論。」」


「分かりました。呼び捨て敬語なしで話されていたようですのでそのままお伝えします。」



そして、かつての友人同士の会話が始まる。


「レウス。本当は娘もいるんだが、生憎今は城にいてな。名前はフローラだ。‥‥それで、こいつが俺の息子のレグルスだ。」


「はじめまして。レグルス・アスタ・ルベライトと申します。」


ーへ~!ベアルと違って礼儀正しいな。ー


「ほっとけ。」


「レウス殿。私の子供はこの子だけです。」


「はじめまして。ベネト・アスタ・ルベライトと申します。」


ーさすがベリトの息子だな。ちゃんとしてるようだ。‥‥‥それにしてもベアル、ベリト。元気そうだな。マリンに聞いたが、皇帝と元帥になったんだろ?偉くなったもんだな。ー


「まあな。‥‥‥レウス。王国の貴族の子息であるお前を長年放置することになってすまなかったな。」


ーしょうがないだろ。竜がいたんじゃ入ってこれないし、俺達も勝手に動いちまったからな。ー


「それでも16年だ。そんなに長い時間、何もしてやれなかった‥‥」


ー16年か‥‥道理で姪っ子が来るわけだな。ー


「ああ。マリンが浄化魔法を使えると知った時、こんな奇跡あるのかとすげぇ嬉しかったよ。しかも詳しく聞かずにすぐ受けてくれたんだぞ?‥‥やっぱりお前の姪っ子だな。」


ーああ。最初はリッチの姿だったから分かり辛かったが、さっき見た時はディアナが来たのかと思ったがな。ー


「ああ、髪と目の色も含めて母親似だからな。」


ーみたいだな。‥‥‥さて、改めてベアル、ベリト。俺達のことはもう気にしなくていい。マリンのお陰で仲間達にも向こうで会えたからな。俺達のことを教訓に忘れなければそれで十分だ。ー


「ああ。ありがとな、レウス。」




ー‥‥‥マリン。この事をラルクとディアナ、アポロ兄さんにも伝えてくれるか?ー


「はい。分かりました。」


ー頼むな。‥‥そろそろ時間みたいだな‥‥あ、マリン。ー


「はい、なんですか?」


ー俺の遺品、ギルドに預けてるよな?ー


「はい。あの時はまさか伯父様とは思わなかったので。」


ーだろうな。家族代表として俺の遺品、受け取っといてくれるか?ー


「はい。分かりました。」


ーそれでその中にな、日本語で書いた本があるからマリンにやるよ。ていうかマリンしか読めないだろうしな。ー


「え?は、はい。ありがとうございます。」


ー‥‥ん?本当に時間みたいだな。マリン。最後にベアル、ベリト、ラルク、ディアナ、アポロ兄さんに伝えてくれ。ー


「なんでしょう?」


ー「最っ高に楽しい人生だった!元気でな!」って。ー


「!‥‥‥分かりました。必ずお伝えします。」


ーじゃあな。最後に姪っ子に会えて良かったよ。ー


「はい。私もです。伯父様。」


それを最後にレウス伯父様は消えた。


「行っちまったか‥‥」


「はい‥‥。最後にお2人と父様、母様、アポロ伯父様に伝言を頼まれました。」


「なんて?」「なんと?」


「「最っ高に楽しい人生だった!元気でな!」と。」


「‥‥‥あいつらしいな。」


「ええ‥‥」


「それで、ギルドに預けてる伯父様の遺品ですが、私が家族代表として受け取ってくれと言われたのですが、いいでしょうか?」


「ああ。勿論だ。実際、血の繋がった親戚だからな。」


「ええ。」


「ありがとうございます。‥‥‥みんなで来て正解でしたね。」


「ああ。特にマリンがいてくれて良かった。」


「ええ。‥‥‥ところでマリン嬢。その姿は?」


「ああ‥‥えっと、精霊王の加護を頂いたんです。」


「そうなんですか?」


「はい。‥‥あの、元帥様も私の事呼び捨てでいいですよ?」


「そうですか?ではお言葉に甘えますね。」


「はい。‥‥‥それで、ベネトさん。やっぱり周辺に魔物の気配はありませんが、どうしますか?」


「やっぱりいないのか‥‥じゃあいてもしょうがないし、帰るか。」


「へぇ~?ベネト。魔物と戦う為に来たのですか。殿下達まで連れて。」


「え!?いや‥‥経験はあっても損はないかと‥‥」


「そうですね。経験はあってもいいでしょう。その為にマリンを巻き込んだのですか?」


「はい‥‥。」


「はぁ‥‥‥うちの息子がすみません。マリン。」


「いえ!結局陛下も来たいと仰いましたので。」


「ほう‥‥‥兄さん‥‥?」


「あ、あの。陛下は最初来るつもりじゃなかったみたいなんですが、やっぱり最後の地を見ておきたいと仰いましたので一緒にここにお連れしただけです。本当はすぐに帰るつもりだったんです。」


「そうですか‥‥。そういうことなら‥‥兄さん。マリンに感謝するんですね。」


「お、おう。」


「えっと、元帥様も一緒に帰りますか?」


「いえ。森の外で部下が待ってますので、馬車で帰りますよ。」


「そうですか‥‥。では元帥様は今度お会いするのは来年ですね。」


「そうなりますね。‥‥‥マリン。殿下と愚息のこと、よろしくお願いします。」


「!‥‥‥はい。あの、帰りお気を付けて。」


「はい。ありがとうございます。」


「‥‥‥では、陛下。皆さん。帰りましょうか。」


『ああ。』


こうして私、陛下、レグルス、ベネトさん、シリウス、リゲルはゲートで先に城へと戻った。


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