100話 苦手な事
さて、ワイバーンの解体をすべく陛下に連れられて軍の訓練場の一角に来た。
とりあえず、料理長が買い取りたいと言っていた分の1体と私達がお昼に食べる分で計2体ストレージから出して、兵士さん達が解体してくれている。
ちなみに私は解体に参加してない。
何故か。理由は簡単だ。
「‥‥‥‥うわ‥‥‥やっぱ無理‥‥」
とワイバーンから目を反らすべく後ろを向いた私。
そしてすかさずリラックスの魔法を使った。
内臓とか出てるんだよ?
‥‥‥グロくて見てられないっての‥‥
これは転生しても変わらないな‥‥‥
「ん?どうした?‥‥‥へ~。マリンでも内臓とか無理なのか。」
「でもとはなんですか、でもとは。陛下は私をなんだと思ってるんですか?」
「いや、マリンにも苦手なのとかあるんだなと思ってな。
‥‥でも、やっぱり女の子だな。」
「‥‥‥‥血抜きまでは大丈夫なんです。解体もやったことはあるんです‥‥‥魔法ありでですが。」
「そうなのか。‥‥あれ?でも去年の黒竜は?」
「あの時は襲撃者を捕まえてたじゃないですか。‥‥見てないです。」
「ああ~。確かにそうだな‥‥じゃあここにいても辛いだけだろ?散歩してきていいぞ。」
「え?いいんですか?」
「ああ。分かりやすいところにいるか、頃合いみて戻って来てくれたらいい。」
「やった!ありがとうございます!‥‥では失礼します。」
「おう。‥‥‥‥早いな‥‥よっぽど見たくなかったんだな。」
「その様ですね。」
早速、尚且つ素早くこの場を去りました。
私が早々に解体から離れて向かった先は、城内で分かりやすく、尚且つ私の癒しの場所となった庭園である。
「‥‥‥相変わらず綺麗だなぁ‥‥」
〈あ、マリンだ!〉
〈本当だ!〉
〈遊びに来たの?〉
「う~ん。遊びに‥‥じゃないかな。花を見にきた。」
〈そうなんだ。〉
〈綺麗だもんね。〉
「うん。そうだね。‥‥そういえばみんなの色が違うのってそれぞれの属性の色?」
〈そうだよ~。〉
「あ、やっぱりそうなんだ。」
〈うん。〉
「私は精霊王の加護ももらったし、全属性使えるけど、みんなの影響受けるとかあるの?」
〈私達の影響?〉
「例えば想定外の威力が出るとか。」
〈ううん。ないよ。〉
〈私達の影響が出るのは個人的に契約したとかだけだよ。〉
「えっと‥‥精霊魔法みたいなこと?」
〈そんな感じ。〉
〈マリンは精霊王様の加護だけだから問題ないよ。〉
「へ~。じゃあ浄化魔法の使い手として守ってもらうだけでいつも通り?」
〈そうだよ~。〉
〈ねぇねぇ、マリンはいつまでいてくれるの?〉
「ん?えっと‥‥2日後に帰るよ。」
〈そうなんだ‥‥また来る?〉
「うん。来年も来るよ。」
〈そっか。じゃあまた会えるんだね!〉
「うん。」
精霊達と話していると、背後から声が掛かった。
「マリン。」
「ん?あ、レグルス。シリウスとリゲルも。どうしたの?」
「マリンを呼びに来たんだよ。父上が呼んでる。」
「あ、解体終わったの?」
「ああ。」
「じゃあ戻らないとだね。‥‥じゃあ精霊さん達またね。」
〈うん。〉
〈またね~!〉
「3人共、行こ。」
「「「ああ。」」」
そして、解体場所に向かいながら話し始めた。
「精霊達と話してたのか?」
「うん。あそこは綺麗だし、精霊達がいるから癒されるんだよ。」
「なるほどな。私としては嬉しいよ。庭園を気に入ってもらえたようで。」
「それはもう!」
「ところでマリン。なんで解体場所から離れてたんだ?」
「‥‥‥その理由は一つでしょ。」
「「「なんだ?」」」
「内臓とか‥‥あんな気持ち悪いの、見てられる訳ないじゃない‥‥」
「「「え?」」」
「なによ?3人も陛下と同じ事言うわけ?」
「えっと‥‥ちなみに父上はなんと?」
「私「でも」内臓とか無理なんだなって。」
「‥‥‥ごめん。同じ事思った。」
「「俺も。」」
「正直でよろしい。‥‥‥私にも苦手な事ぐらいあるよ。血抜きまではなんとか平気だし、解体もやったことはあるんだけどね‥‥リラックス使わないと無理だった。」
「そ、そうか‥‥‥でも今の話聞いてむしろ安心したかな。マリンも普通の女の子だなって。」
「ああ。そうだな。」
「まあ俺も無理だったが‥‥」
「リゲルも無理だったんだ‥‥ってあれ?3人共解体場所行ったの?」
「ああ。行ったからマリンを呼びに派遣されたんだよ。」
「そっか。‥‥それで、リゲル。辛いならリラックス掛けようか?」
「ああ‥‥‥頼む。」
「うん。【気分鎮静化】」
「‥‥‥‥‥ありがとう。楽になった。」
「どういたしまして。‥‥‥あ。着いたね。」
「ああ。‥‥‥父上!」
「ん?‥‥‥おう。戻ってきたか。」
「お待たせしました。‥‥‥おお‥‥さすがに見ても平気な状態にしてくれてますね。」
「当然だろ‥‥?2人も苦手なやつがいるしな。」
「えっと‥‥料理長は買い取りたい肉は取りましたか?」
「ええ。勝手に申し訳ありませんが、下の者に調理場に持って行かせました。」
「構いませんよ。むしろ差し上げようかと思ってましたから。」
「いえ!それはなりません!」
「料理人の聖域たる調理場に入れて頂いただけでなく、優しく接して頂いて。これでご恩返しになるか分かりませんが、差し上げた肉を皆さんで食べて頂きたいのですが‥‥駄目でしょうか?」
「お気持ちは嬉しいですが‥‥折角手に入れたのに‥‥」
「元々ワイバーンの方から襲って来たのを返り討ちにしただけです。わざわざ討伐に向かった訳じゃありません。それにまだ13体分も残ってるので1体ぐらい構いません。」
「料理長。マリンがこう言ってくれてるんだ。受け取ったらどうだ?」
「陛下‥‥。分かりました。マリン様のご厚意、有り難く受け取らせて頂きます。ただ、我々は肉だけでいいので、他はマリン様のお好きな様になさって下さい。」
「はい。分かりました。」
「じゃあマリン。他の素材は俺達の方で買い取りたいんだがいいか?」
「はい。勿論です。2体分お願いします。」
「お。2体分いいのか?」
「はい。今のところ使い道がありませんし、まだストレージの中にいますし。」
「そうか。ありがとな。」
「いえ。解体を押しつけてしまいましたからこれぐらいは。」
「マリン達はワイバーンの肉を昼食で食べるんだよな?」
「はい。余るでしょうけど、それはストレージに入れておけばいつでも食べれますから。」
「そうだな。じゃあマリンも自分の分の肉を持って行ってくれ。残りの素材とかで見て、換金するから。」
「分かりました。」
そして、解体後のワイバーンの肉の塊をストレージに入れた。
「あの、兵士さん達。去年も今年も解体をお任せして申し訳ありません。そしてありがとうございました。」
「いいえ。これぐらい構いませんよ。解体は苦手なのでしょう?それは仕方ないことです。マリン様の今のお言葉で十分ですよ。」
と兵士さんの一人が言うと、他の兵士さん達も笑顔で頷いてくれた。
「!‥‥‥良かった。ありがとうございます。」
それから私達は昼食にワイバーンの肉をステーキにして(他の調理法知らないからね。)朝作っていたコーンスープを魔法で冷やしたのと、ご飯派とパン派に分かれたものの、食べ終えると当初の予定通り、元帥様が今いるであろう場所に向かった。
陛下、レグルス、シリウス、リゲル、ベネトさんを連れて、私がアンデッドを浄化した魔物の森の奥へ向かうと、そこにいたのは‥‥
改稿や修正をしていった結果、ここで100話。
なんと微妙な‥‥
きりのいい話数なのに内容が微妙とは‥‥
仕方ないのですが。




