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第一話 女神と会話

こんちゃっす!えくれあの端っこです!

これから2作品目、頑張りますのでよろしくお願いします。

リアクション、コメント、評価をつけてくださるとモチベが上がります!

 事件が起きたのは七月某日、いつもより暑い日だった。

 東京の辺境の神社だった、その日テレビに映し出されたのは、残酷にも最高気温38度だった。今年何回目だろうか、こんなに暑さに絶望したのは。

 外で掃き掃除や何やらをこなすにも、白衣と紫色に染まった袴などの装束を着なければいけない。今日はまた熱中症気味になるのかと覚悟を決めて戸を開けると、熱風が冷たく冷えた玄関に吹き込むと同時に汗が滴り落ちる。


「暑い、8時でこんなに暑いのかよ」


 温度と湿度のコンボ、というか蝉の鳴き声だけで暑い。この蒸し蒸しする東南アジア特有の暑さは、俺如きで変えられる物でもはないから、どこかの国に変わって欲しい物だ。


 昔口より手を動かせとおしゃべりだった俺はいつも、親父に怒られていた。それを思い出したのと、口は災いの元とも言うから、心の中で変えられない現状に文句を叫んでいた。口に出したって聞いてくれる人が居る訳でもあるまいし。


 そもそもこんな神社に来てくれる人なんかいないからだ。東京の山奥、木々が生い茂り、目の前には奥多摩湖、さすがに毎日見ていると飽き飽きとする。


 また少し外れるが夕焼けが綺麗に映ることも自慢のできるポイントだ。もう一つ自慢できるとしたら都内より遥かに空気が美味しいことだ。あーあ、イケメンに


 異世界転生しないかなぁ。


 西日を浴びて、橙色に光る湖を見ているといつも現実逃避して、バカみたいなことを考えてしまう。


 日が落ちて初めて、間も無く夕日が見える頃になった頃だった。

 大して掃くものなどないのに昼の掃き掃除が終わると炎天下のせいか、頭がクラクラする、それに目眩もしてきた。

「一旦、部屋入るか…」


 いつも仕事の〆として夕日を見ているが今日は諦めてゆっくり休もうと帰路につこうとした時と賽銭箱から蝉の声が聞こえるではないか。


 最初は幻聴かと思ったがお金が入っているかも確認するために、一応確認するとやはり蝉が出られなくなっている様でジタバタと忙しく小銭のない賽銭箱で暴れている。


「何で入ったんだよ、こいつ」カラカラになった口からは、呆れた言葉しか出なかった。


 事件は唐突に起きる。

 うちの賽銭箱は格子の間隔がとても広く、斜めっているタイプである。


 この時の自分は何を思ったのか、賽銭箱に右腕を突っ込んだのだ、ただ思った以上に賽銭箱は無駄に深く、腕はそのまま吸い込まれる。

 体は熱中症気味で力が入らないからか、バランスを崩して賽銭箱めがけて自由落下。


 嗚呼何て阿呆なんだろう、頭が賽銭箱の格子と格子の間にスッポリ入り肩でつっかえている。左腕は辛うじて入っていないがここからじゃどうしようもない、


 今、体は茹でたエビの様になっていて悲惨な状態。

 幸い誰も来る様な場所じゃないから見られないが。

 長らく雨が降っていないため乾き切った檜の匂いが鼻を燻る。


 徐々に徐々に頭に血が昇ってくる。

 顔が腫れているのが自分でも分かる。

 最悪だ蝉を助けようとしただけでこうなるなんて。

 嗚呼、色々やっておけばよかったな。

 こんな神社継ぐんじゃなくて、高校の時東大とか志望校にしてればよかったな、頭良かったんだし。

 彼女いない歴=年齢だし、結局童貞卒業できなかったな。

 これが神に仕えた結末かよ、酷すぎる。


 今年は中吉だったんだけどな。


 蝉は慰める様に優雅に賽銭箱から抜け出して、手のひらへ黄色いジュースか何かをかけて天高く夏空へと舞った。手のひらを眺めて俺は少しだけ泣いた。


 残酷な現実を逃避するように、目を瞑る。

 そうすると目の奥で真っ暗な空間が広がった。


「…こいつ死因面白すぎだろw、しかも卒業してないみたいだし」

 俺好みのキャピキャピとした声が微かに聞こえてくる、きっと幻聴なんだろうな。

 ああ、幻聴まで俺の死に様を煽るのか。


 薄ら目を開けると加害者になるであろう賽銭箱が目の前から消えている。

 瞼に力を振り絞って見えたのは、永遠と続いていそうな真っ白の世界と、アニメで何度も見た様な二次元的な白く生足がある。


「こう言う時は走馬灯が流れるとは限らないんだな。それにしても綺麗な足だ」

 試しに呟くと先程までの乾いた口ではなく、適度に潤っていることに気づく。


「ん、起きたか」ああこの声好きだ。一生聴いていたい、ロリボイスではないか。


 起きたか?どう言うことだ?起きたもクソもないだろう。たった今、死んだのだから。

 俺の人生にTo Be Continuedは流れてこないんだから。

 ピタッピタッと裸足でタイルを歩いた時の音がこちらに向かって来る。

 その音に慌てて目を開く。


 そこに立っていたのは、小6女児ぐらいの大きさで銀髪ロング、ロイヤルブルーとピアニーのオッドアイ。そして眼の中に魔法陣、神々しいロリィタの衣装、そして腰から生えている銀羽!厨二病を濃縮した様な完成されたビジュ。見た目は大人!心は中3!よく言えば童心を忘れずに生きてきた俺。現在進行形の厨二病が、美しすぎて吐きそうになるぐらいだ。


「貴方の名前は『菅 主雄(かん ぬしお)』で合っていますか?」

 和かに厨二病ビジュが喋った。

「はい」

 名前を知っているのか、しかも初見で俺の名前を読める奴は神ぐらいだろう。


 菅は元総理がいるから分かるだろう。いや、違う読み方の人がそれぞれいるから難しいかも。

 しかし、主雄。

 これはさらに難しい。

「貴方死に方面白すぎませんかね?」


 人の死を、ましてや自分を嘲笑する顔でもとても可愛い。許しちゃう。

 自分ながらキモいと感じた。


「ええ、まぁ。ところで貴方の名前は?」


 愛想笑いは昔から得意な方だ、人間関係を作る上でかなり重宝するものだ。


「私の名前はルナ・クロニカル・カイザーです。以後お見知り置きを。まあ今後会うことはないと思いますけどね」

 忽然として、険しい顔になりオッドアイは細くなり見つめられる。

 ああ、ロリに見下されるのはこんな感じなのか…


「貴方の死に方、頭に血が上って死ぬって蝉みたいで面白かったですよ。無防備でしたし。久しぶりに笑いました」またルナ・クロニカル・カイザーさん(笑)がまた嘲笑う。

 敬意を込めてクロちゃんって呼ぼう、勿論心の中でだが。


「失礼ながら、蝉が頭に血が上って死ぬのは迷信ですよ」

「話が逸れてしまいました。本題に入ります」

 自分でも分かるぐらいドヤ顔で言ったせいか機嫌を損ねてしまった様で即話を切り替えられてしまった。


「貴方は天国も地獄にも行きません」

一言:女神ちゃん、自分の好みです。バカにしないでくださいね…

読んでくださりありがとうございます!

なるべく週末の朝7時半に更新をしていく所存です…

またブックマーク、コメント、評価、リアクションを良ければお願いします。

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