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ダンジョンマスターは、アットホームな職場です!  作者: 桃野産毛
第七章 経験者大歓迎!

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閑話 一蓮托生

●会議室のようなところ●


 全員が青い顔をしている。

『闇の神』すら、青ざめている。

『死の神』なんて、

骨と皮しかない顔が青ざめているので、

本格的に死体にしか見えない。


「……なんで、出てこれたのですか?」


 『水の神』が溢した。

その通りだ。

少し前とは違い、ビトメがトシ・オーの近くにいる。

『命の神の加護』は正常に動作しており、

ビトメがトシ・オーの近くにいれば記憶が封印される。

そのはずだ。


 そのはずだった。


 しかし、トシオは出てきた。

そして、明確に神々への敵意を見せた。

彼と敵対したらば。


「これで私と一蓮托生ね」


 冷や汗を流して、それでも強がる『闇の神』。

しかし、彼女の言う通りだ。

もう神は全て彼の敵になってしまった。

 『火の神』はうなだれ、

『土の神』は眼鏡を外してうつむく。

『鋼の神』は両手で顔をおおって大きなため息を吐いた。

『風の神』はヒールを脱いで投げ捨てた。


「……それもだが、

ダンジョンマスターたちは誰を連れ出した?」


 死の神は、闇の神をにらみながら質問する。


「彼女は私が初めてこの世界に連れてきたダンジョンマスター。

名前はメグ。

 『氷の鏡』で封印されてたのを、

『火の神の加護』で解除したみたい」


 少し嬉しそうに話す闇の神を見て、

苛立った声で死の神は追加の質問を投げた。


「何故だ?

何故アイツらはその、メグとやらを解放した?」

「流石に知らない。

 って言うか、

メグのダンジョンコアは今も私が持ったままなの。

返しに行かないと」


 思い出したように闇の神が懐からダンジョンコアを取り出した。

しかし、死の神は。


「お前はあちらに行かせない」

「……でも、コアがないと、

メグがダンジョンマスターとして認識されないんだけど」


 闇の神も食い下がる。

死の神は声を張り上げないが、

声色で怒っているのが分かる。


「どのみち、

もうこの世界にダンジョンマスターは不要。

全員殺してしまえ」

「私の権能『ダンジョン』がある以上、

この世界にダンジョンは必要。

それを守護して利用するダンジョンマスター含めてね」


 権能があると言うことは、

『創世の神』の作ったこの世界の一部にちゃんとダンジョンがあると言うこと。

ひいては世界にダンジョンが必要だと言うことになる。


「このような事態になったのも、

ダンジョンマスターが原因だ。

ダンジョンマスターがいなければこうはならなかった。

 それに、ダンジョンマスターはダンジョンの一部なだけで、

いなくて良い存在だ。

ダンジョンの運営を、

お前が一人でちゃんとやればいい話だろ?」

「それは……」


 流石に闇の神も言い返せない。


「働け。

お前が全ての元凶で、害悪だ。

許されるなら、

お前の身柄をトシオに引き渡してしまいたいほどだ」

「じょ、冗談でしょ?

冗談でもやめてよ。

私なんか引き渡しても、何もならないからね」

「少なくとも、彼の溜飲はいくらか下がる」


 死の神の顔はマジだ。

死の神は、意気消沈の他の神にも言う。


「全員、最大警戒だ。

トシオをトシ・オーから出すな。

もし出てきても、なんかしらで押さえ込め。

そのためなら権能も使え」


 死の神の指示を聞いた他の神々はため息を吐いた。

死の神は闇の神の方を見て付け足す。


「闇の神、お前は反省室にもどれ。

そして、二度と出てくるな」

「あら、私の力が必要じゃない?

経験者の力よ?」


 闇の神は食い下がるが、

死の神にはとりつく島もない。


「お前は世界の崩壊の元凶だぞ?

殺されなかっただけ、良かったと思えよ」


 冷たい死の神の瞳を見てしまった闇の神は、

冷や汗を流して付け足す。

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