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世界の99%が魔王領ですが、俺だけチート級最強スキル『世界奪還《ワールドレクイエム》』を持って転生しました  作者: トウザキ


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——その日。

終わっていた世界に、初めて“反撃”が始まった。


そして——


世界は、すぐにそれに応えた。


【領域機能を確認】


「……?」


視界の端に、新たなウィンドウが開く。


【支配領域:半径50m】


【領域Lv:1(浄化地)】


・瘴気の排除

・魔物の自然発生抑制(微弱)


【未解放機能】

・人口定着

・資源生成

・配下進化補助


「……レベル?」


思わず呟く。


ただ奪うだけじゃない。


この領域、“育つ”のか。


「どういうことだ……」


そのとき。


足元の地面が、わずかに脈打った。


ドクン、と。


まるで心臓のように。


同時に、空気が揺らぐ。


「——え」


少女が、小さく息を呑んだ。


「なに……これ……空気が……違う……」


当然だろう。


さっきまでここは、魔王の領域だった。


呼吸するだけで体が蝕まれる場所。


だが今は違う。


「……楽だ」


少女が、胸を押さえながら呟く。


「息が……苦しくない……」


その言葉で、確信した。


この領域はただ安全なだけじゃない。


“人間が生きられる場所”に書き換わっている。


「なるほどな……」


視線を巡らせる。


瓦礫。死体。焼け跡。


だが、その全てが——


“再生を待っている”ように見えた。


【領域発展条件】


・生存個体の確保

・安定滞在時間の確保


「……そういうことか」


思わず笑う。


「人を置けば、発展するってわけか」


少女の肩が、びくりと揺れた。


「ひっ……」


「安心しろ」


軽く手を上げる。


「別に何もしない。むしろ逆だ」


一歩、近づく。


少女は後ずさる。


当然の反応だ。


だが——逃げ場はない。


ここはもう、魔王の領域じゃない。


「お前、名前は?」


「……リ、リナ……」


かすれた声。


「リナ、か」


頷く。


「じゃあリナ。選べ」


少女の目が揺れる。


「ここに残るか、それとも——外に出るか」


外。


つまり、再び魔王の領域へ。


少女の顔が、青ざめた。


「む、無理……そんなの……」


「だろうな」


即答する。


「じゃあここにいろ」


「……え?」


「ここはもう安全だ」


言い切る。


「少なくとも、さっきまでよりはな」


リナは言葉を失ったまま、周囲を見回した。


そして、ぽつりと呟く。


「……ほんとに……?」


その問いに、俺は少しだけ考えて——


肩をすくめた。


「証明してやるよ」


そのときだった。


ガラ、と瓦礫の向こうで音がした。


反射的に視線を向ける。


「グ……ル……」


低い唸り声。


別の魔物だ。


さっきの個体より小さいが、それでも十分に脅威。


「ひっ……!」


リナが息を呑む。


だが——


「ちょうどいい」


俺は一歩、前に出た。


そして、境界線を踏み越える。


——領域の外へ。


その瞬間。


身体の感覚が、変わった。


「……なるほど」


軽く拳を握る。


さっきまでの“万能感”が消えている。


だが——


「問題ないな」


今の俺は、侵食の仕組みを理解している。


一歩踏み出す。


【侵食開始】


【侵食率:3%】


魔物がこちらに気づき、突進してくる。


速い。


だが——


「一回見たパターンだ」


余裕で避ける。


そして、間合いに入る。


【侵食率:18%】


リナの視線が、背中に突き刺さる。


恐怖と、期待と、信じられないという感情。


全部混ざった視線。


「見てろ」


軽く言う。


「これが“安全”の作り方だ」


踏み込む。


【侵食率:42%】


加速。


視界が広がる。


動きが読める。


そして——


「遅い」


一撃。


それだけで、魔物は崩れ落ちた。


【侵食率:100%】


【奪還完了】


光が広がる。


また一つ、領域が塗り替わる。


その光景を、リナは呆然と見ていた。


「……すごい……」


かすれた声。


「……すごい……」


二度、繰り返す。


その目に、さっきまでなかったものが宿る。


——恐怖じゃない。


「……助かるの……?」


小さく、震える声。


その問いに、俺は振り返った。


そして、迷わず答える。


「ああ」


短く。


はっきりと。


「助かる」


一歩、戻る。


新しく広がった領域の中へ。


「ここから増やす」


空を見上げる。


まだ赤い。


まだ終わっている世界。


だが——


「少しずつでいい」


拳を握る。


「全部、取り返す」


そのとき。


視界に、また新しいウィンドウが浮かんだ。


【領域Lv上昇条件を満たしました】


【Lv1 → Lv2へ進化可能】


「……きたな」


口元が歪む。


いよいよだ。


ただ奪うだけじゃない。


“増やす”段階に入る。


リナが、不安そうにこちらを見る。


「……なにが、起きるの……?」


その問いに、俺は少しだけ考えて——


笑った。


「さあな」


正直に言う。


「でも、多分」


視界のウィンドウに手を伸ばす。


そして——


【領域進化:実行】


「面白いことになる」


光が、弾けた。


領域全体を巻き込むように——


世界が、もう一段階“変わり始める”。


——反撃は、終わらない。


むしろここからが、本番だ。

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