表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナマケモノの妖精  作者: 尾生 礼人
9/11

其の蜂

さあ、こうなってしまえばハックの天下、遊びほうだいです。


でも、子どもはいつか大人になるもの……。


いつまでも そのままでは、お世話をなまけていたことが ばれてしまいます。


これがネコなど、他の生きものならごまかせたのですが、人間は神様が自分に にせて作ったほどですから、どうしても めだちます。


そこでハックは、エリオンに こう ささやきました。


「私は神様だ。お前は お手伝いも勉強もせずに遊んでばかりの悪い子だ。これからは、私の言うことを聞いて よい子になりなさい」


これを聞いたエリオンは、

『悲しいけど、やっぱりボクは悪い子だったんだナァ……。でも、神様がボクを見てくだすっている……』

と感動し、言われるがママ お手伝いや勉強を がんばるようになったのでした。(これまでは、しようとしてもジャマされて できなかったのです)


でも、悪い子が いきなり よい子になったらヘンですよね?


ハックは、乗っ取る回数をジョジョに減らしていくと、エリオンが だんだん いい子になったように見せかけました。


妖精たちが 生きものを悪い子に仕立てるとき、階段を一段 一段 のぼるように しつけますが、今回は その逆をやったのです。

(思いとどまるようなら背中を押しますが、かならず うまく いくとは限りません)


そうして、しばらく…。


ハックは、エリオンの善行が板についてきたのを たしかめると、自分の手柄を神様に報告しました。


「あんなに悪い子だったのが、私の おかげで、こんなにも よい子に なりました」


すべてを知っていそうで なぜか なにも知らない神様は、ハックをベタぼめです。


天使たちは、今度も なにも言いませんでした。


神様にほめられて得意顔のハックでしたが、そうは問屋がおろしません。


どうやら最近、エリオンが『のっとり』について気づき始めているようなのです。


あわてたハックは、いそいでお父さんやお母さんをあやつると、


『自分の やったことを、人のせいにするんじゃ ありません!』


『自分のココロが みにくいことを みとめなさい!』


とサンザンにしからせました。


そうしてエリオンに

「だれでも、悪いこころをもっている」

「それをみとめてこそ、リッパになれる」

と ささやくと、あらためてザンゲさせ、そこを日記につけたのでした。


エリオンは、ときおりシャクゼンとしないものの……

『ボクは、しょうね の いやしい 人間だ……』

と、内心ウツウツとすごしていました。


しかし、そんなある日、ふとしたはずみでホントウのことに気づくと、大声で泣きだしました。

挿絵(By みてみん)

だれも相手にしてくれないけれど神様だけは……と思っていたのが、やっぱりウソだったからです。


すると、どうでしょう。


その声が神様に届いたではありませんか!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ