表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナマケモノの妖精  作者: 尾生 礼人
5/11

其の肆

このごろ、お父さんとお母さんはエリオンの将来をとても心配していました。


なにしろ、はたから見れば、勉強もトモダチ作りもせず、おかしとオモチャに夢中な子ですからね。


そこで お父さんたちは、自分たちが むかし 夢中になっていたスポーツや音楽を習わせることにしました。


そうすることで、体を動かすこと、お歌を歌うことの楽しさを 知ってもらおうとしたのです。


さあ、タイヘンなことになりました。ハックにとっては一大事です。


ここだけの話、神様はスポーツや音楽の じょうずな子どもが大好き……。


そういった子がいる おうちに、おしのび で通っては いりびたっていたのです。


もし そうなったら、やりづらいったら ありません。


あせったハックは『悪い おまじない』で授業をジャマすることにしました。


エリオンは、おまじない の せいで、先生が なにか おっしゃっても頭に入らず、お話が終わって まわりの みんなが動きはじめてから ようやく慌てだす ありさまです。


(お空の高いところでは頭がニブくなると言いますが、あんなカンジでしょうか?()


先生は といえば……

『この子はボーっとしていて、のみこみが悪いなぁ……』

と、なぜかイライラ カッカさせられ、

『こんなことも、分からないのか!』

と しかりつけてしまうのでした。


いっしょに習っている子どもたちも、なぜか しつようにエリオンをイジメます。


たまらなくなったエリオンは、お父さんとお母さんに助けをもとめましたが、

『先生の おっしゃるとおりに、やりなさい!』

『自分で やりかえしなさい!』

と、つきはなされてばかり……。


ホントはみんな、ハックにあやつられていただけなのですが、みんなはみんなで、

『エリオンの悪いところをなおしてあげようと、』

『本人のためを思って、』

イジメているのだ、と思いこまされていました。


もしホントに ためを思ってだとしても、他にやりようが ありそうなものですが、あやつられている間は他のやりかたを思いつけないのです。


オマケに なぜか、それが一番 正しいように思えるのだから、不思議です。


たとえ、あとからヘンに思ったとしても、『愛情が足りないから、他の方法を思いつけなかったのだ…』と、まるで 誰かに さとされているような気分になるのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ