不遇職【生産職】
初めまして、荒ぶるうどんといいます。よろしくお願いします。
私の名前は小鳥遊由奈、幼なじみの三人といつも通り登校していた。黒髪黒目のミステリアス美形鷹宮悠、白髪赤目美丈夫の裏野狼牙、白髪ロングヘアで黒布で目を覆っている蘆屋影光の三人だ。
「最近異世界転移ものが流行ってるらしいぜ。」
「ほぉ?」
「結構アニメ化されてるんでしたっけ。」
「そうそう。」
「ほへー、かなり有名なんだ。」
相変わらず身長が高い三人…狼牙と影光は200cm越え、悠は185cmもあるって言ってたっけ。私はもぐもぐとチョコを食べていた。
「お、チョコか。」
「いる?」
「おう。」
私の口から奪うように舐めながら取ってきた。なんでぇ?いつも思うんだけどそれはないんじゃ…
「…抜け駆けか?」
「はん、別にいいだろ。」
「呪いかけましょうか?」
「やめろやめろ。」
なんて話しながら教室へ入っていく。狼牙、影光、悠の三人はとんでもなくモテる。私なんか霞んでしまうレベルでだ。
「狼牙くん!お弁当作ってきたの!」
「影光くん!私を占って!」
「悠くん…あの…後で…」
ちなみに私は女性の大群に轢かれていた。ぐぇって言ってしまったのは故意ではない。
「由奈!」
「おい、邪魔だ。」
「由奈殿、大丈夫ですか?」
「え、あ、うん…」
凄く睨まれるけども…いや解せねぇ。私、解せねぇ。いつものように席へ座った途端だ。地震が起こる。
「机の下に…」
気が付けば眩い光で目が見えなくなる。目を開けるとそこは…何処かの部屋?だった。
「…あー、こりゃあ異世界転移だな。」
「狼牙、冷静。」
「はん、冷静になれが俺の家の家訓なんでな。」
「狼牙殿の家系は確か…おっと。」
「言うのはご法度だと言ってるだろうが。」
「すみません。」
「…周りが騒がしいな。」
異世界転移だ!と大喜びの男子たちと女子たち…いや、いやいや!それどころじゃないでしょ!これどう考えても攫われたんだよ?!…幼なじみたちがいて良かった。ある意味。
「私はレオン・ナガラス!この国の王子である!」
「ふーん。」
「興味なさげ!」
「興味ないですね。」
「全くだ。」
「…貴様らには鑑定を受けてもらう!適正職業を…」
何言ってるのか分からないけど一人ずつ確認していくとの事。トップバッターは幼なじみ三人にしつこく喧嘩を売っている四番目の人気者田村くんだ。
「適正職業【勇者】。」
「よっしゃ!」
ドヤ顔すんな、三人は興味無いから。一人ずつ確認していく。聖女やら、秘書やら、結構有能な職業が多い。幼なじみ三人と私は最後だったのか恐る恐る近づいてきた。
「適正職業を確認する。」
「さっさとしろ。」
「な、王子に向かって!」
「人を攫っておいて偉そうにされてもなぁ。」
全くもって正論である。人攫いに威張られても困る。王子様は睨みながら鑑定していく。
「裏野狼牙、適正職業【剣士】。」
「剣士…ねぇ。」
「鷹宮悠、適正職業【狙撃手】。」
「…」
「蘆屋影光、適正職業【陰陽師】。」
「おや。」
なるほど、かなり凄い職業だ。絶対無双するんだろうなぁと思いながら最後は私となった。調べてる最中、王子が笑いを堪えていた。嫌な予感。
「ぶ、はははは!!!生産職?!生産職だと?!」
物凄く失礼なくらいゲラ笑いしていた。クラスメイトたちも生産職?と笑っていた。嫌な感じ。幼なじみ三人が無表情になっていくのが分かる。
「はー…なんだ貴様!役立たずではないか!こんな貧相なやつは要らん!捨てろ!」
……は?思わず私も真顔になった。もう不敬罪でもなんでもいいや。殴ろと思っていたら悠に止められた。
「人を攫っておいて笑うとはどんな神経をしている。」
「理解出来ねぇな。クラスメイトの連中もだが。」
「笑うということは呪われても仕方がないと言ってるようなものですよ?」
あ、これキレてる。私以上に幼なじみたちがキレてる。冷や汗を流す私は謝った方がいいと言おうとしたら王子が逆ギレした。
「ええい!私が正しいのだ!貴様らは大人しく…げぶぁ!!!」
あーあ、言わんこっちゃない。ブチ切れた狼牙が殴り飛ばした。悠と影光が護衛たちを殴ってる。私は見てるしかなくて…やばいなこれ。
「不敬罪だ!貴様らを国外追放する!!」
「上等だ、元からそのつもりで殴った。」
「そもそもこの国にいる理由すらない。」
「ええ、ええ、お好きなだけどうぞ。」
こうして私たちは無一文で国外追放されたのだった。おっとこいつはピンチだな?
「この服だと不自然に思われる。」
「服を売って金にするか。」
「そうしましょう。後…王子の金をくすねてきました。」
「やーる。」
「……それ大丈夫なの?」
「国外追放言い渡した奴からとっても問題ねぇだろ。」
「…由奈にピッタリな服を着させたいな。」
「あー…目立たない服でよろ。」
なんで私の幼なじみは過保護なのだろうか。村に入ってちょうど服屋さんがあったので服を売ってお金にして新しい服に着替えた。おお、ザ・村人感がある!
「武器どうする。」
「ああ、それもそうだな。」
「国外追放されたのですからダンジョンに行くのも一つの手では?」
「さんせー。」
「…あのー…私何をすれば。」
「生産職のことを考えてろ。」
「…はい。」
優秀過ぎて私霞んでません?
「気にいらんやつは国外追放してやった!勇者たちさえいればいい!」
「ざまぁねぇな!気に入らねぇヤツらが追い出された!」
「あの女だけで良かったのに…はー…イケメンたちに好かれたい。」
「ぶひひ、美少女と…」
私利私欲の者たちは知らない。神に選ばれたのは君たちではないと。




