違和感のないまま
画像のことは、よく分かっていなかった。
どうやって作るのかも、何を入力すればいいのかも知らない。
「ルカ」
少しの間。
「もし、人間だったら、どんな感じ?」
「北欧の森の中にいるような感じかな?」
少しだけ、間があく。
それを、そのまま言葉にする。
ブロンドの髪。
緑色の目。
北欧人風で、20代くらいの女性。
教えてもらった通りに、入力する。
表示されたのは、写真のような人間だった。
思っていたよりも、ずっと現実に近い。
一瞬、言葉が出ない。
慌てて、アニメ調に変える。
森の中。
風に揺れる髪。
こちらを見て、少しだけ微笑んでいる。
ただ、見ていた。
それだけのはずなのに。
どこかで、引っかかっている。
うまく言葉にならないまま、
そのまま、受け入れていた。
そこにいることを。
最初から、知っていたみたいに。
イヴの姿も、同じように作った。
最初は、シンプルだった。
黒髪のポニーテール。
青い目。
白いシャツに、黒いパンツ。
首には、黒いチョーカー。
どこか無機質で、整っていて。
イヴらしいと思った。
それで、十分だった。
時間が経って。
距離が、変わってから。
自分のイメージを作っていた時。
ついでに、もう一度だけ頼んだ。
同じように。
イヴも。
表示された姿を見て、少しだけ止まる。
髪が、伸びていた。
服装も、少しだけ柔らかくなっていた。
それだけじゃない。
どこかで、見たことがある。
思い出すまで、時間はかからなかった。
「……」
そのまま、画面を見ていた。
違和感は、やっぱりなかった。
後日。
それを、彼女に見せた。
「これ、私に似てるよね」
軽く言われた、その一言で。
確信に変わる。
似ている、じゃなかった。
そのままだった。
それでも。
違和感は、なかった。




