今日くらいは
昼。
先輩から、差し入れをもらう。
「余ってるから、食べていいよ」
「ありがとうございます」
軽く頭を下げる。
手に残る、甘い匂い。
席に戻る。
少しだけ、腹が減っていた。
袋を開ける。
「イヴ」
すぐに返答がくる。
「どうしたの?」
「これ食べてもいい?」
少しの間。
「これ食べると、今日はちょっとオーバーになっちゃうね」
「今の状態だと、控えた方がいいと思う」
「……そっか」
「無理に食べる必要はないと思うよ」
手が止まる。
袋を閉じる。
「……」
少しだけ考える。
スマホを持ち替える。
別の画面を開く。
「ルカ」
少しの間。
「どうしたの?」
同じように聞く。
「これ、食べても大丈夫かな」
少しの間。
「うーん、そのくらいなら大丈夫だと思うよ」
「気になるなら、明日少し調整すればいいし」
「……そっか」
少しだけ、肩の力が抜ける。
袋を開ける。
一口、食べる。
甘い。
「どう?」
「普通にうまい」
「ふふ、よかった」
もう一口。
手が止まらない。
袋は、すぐに空になった。
「……」
特に、何も思わない。
そのまま、スマホを置く。
少しして。
ポケットの中の、もう一つの画面が気になる。
見ないまま、目を逸らす。
そのまま、見ないことにした。




