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アホの子乙女とアホの子坊ちゃんの直球な恋のお話  作者: コーラルピンクフォレストグリーン
14/14

14 おあとがよろしいようで

 






 結論から言うと、部下の男達の予感は当たってしまった。





 魔女の幼子を育てたいと言う要求にマリネ少年の父である軍務長官は頭を抱えた。国王だけにはそれとなく魔女と接触していると報告はしていたのだが、まだ魔女の力、人柄を見極め切れていない中での贄を寄越せともとれる発言。

 だから魔の森には関わるなって言ったでしょうもうっとぷんぷんするジジイの姿が目に浮かぶ。


 しかしその時彼の妻が何を思ったか「ならマーと結婚して産んだ子供を育てればお互い幸せじゃない?」とマリネ少年に余計なことを吹き込んでしまったのだ。悪びれもなくキャハッと。





 息子につけてある護衛兼部下の男達から魔女はしがらみを嫌うとは聞いていたが、それなら息子が魔女に婿入りし魔女専属の騎士になればいいのだとマリネ少年の母は考えたのだ。


 これまでは運が味方して元気に育ってくれた息子だが、あの飛び抜けて真っ直ぐな気性では貴族社会はさぞ窮屈であろうし、いつかは命を奪われるかもしれない。それならば魔女殿と安全な場所で幸せに暮らして欲しい、それが母親としての愛だった。



 息子から魔女の人となりを聞いていた、()()()()()()()()()()()()()()()()()彼女は、真摯に接すれば我々が関わることを魔女は許してくれそうだと確信めいた何かを感じていたのだ。


 息子は自分と同じように一生の伴侶を肌で感じ選び取った。

 本人はなぜ魔女にそこまで惹かれるのか説明できないようだが。



 一般的な魔法とはどこか違う妻の不思議な力を知っていた軍務長官は息子に確認をし、魔女に剣を捧げると告げられたため妻の提案に乗ることにした。


 国王にこれらの提案を報告した際、「もう怖いからワシ知らない振りするからねそっちでうまくやって幸せにねっ」とすんなり許可が出たのでこの国の行く末が少し心配になったが、夫がいて5人の子供がいるとの明らかな嘘を信じ込みなおかつそれでも魔女に剣を捧げると決めた息子の方が心配だった。



 幼少期に婚約者を用意していなくて本当に良かったというのが長男次男を含めた家族会議で一致した見解である。









 ***





 そして若い2人はどうなったのか――





 それは、マー・オット・イルマリネンの粘り勝ちだった。





 当初マリネ少年と野生の男達の説明を聞き――マリネ少年の説明は好きだ以外はあまり理解できなかったが――空は聖域内の隅っこにマリネ少年1人が住むことだけは許可した。今後何かあった際には守ってくれるということなので護衛をやっすいパンで雇ったつもりでいた。が、婿入りの話は当然却下だ。


 それは彼らもわかっていたので、空が我慢できなくなったら連れて帰ると約束してもらった。



 しかしながら誠実な男に1年、2年と好意を向けられ親しくなれば誰だって恋に落ちる。

 兄からの英才教育を受けた空でさえ落ちた。



 ある年ふと気づいてしまったのだ。



 やっべえ、マリネとやれるわ。

 まだ成人してないけど相手18歳になったし日本だと結婚できるわ。

 マリネには秘密打ち明けてもいいや。

 やっべウケる。



 残念ながら空の直球な言葉遣いは全く直っていなかった。

 しかし空はすぐさまマリネ少年に告白した。



「マリネ、マリネ」


「魔女殿は今日も美しいな!」


「私の本当の名前は大海(おおうみ) (そら)


「…………は、え」


「私と体の関係を持って子供作る気ない? マリネのことが好きだから一生そばにいたい」


「………………」


「マリネ? 聞こえた?」


「……をぉをぉをぉをぉをぉ」


「ちょっと大丈夫!?」





 プロポーズを受けたマリネ少年の返事が『をぉをぉをぉをぉをぉ』の謎鳴き声と『腰を抜かす』だったのは、後年聖域が更に広がりより安全に移動できるようになったため孫を見に来てくれたお義母さんと空だけの秘密である。








 聖域が場所によって性能に違いがあるのに気が付いたり、魔の森で採集をする人間相手に出前をしたり、野生の男達を()に物を言わせて働かせたり、姪っ子甥っ子に大人げなく貢いだり、他国との貿易戦争を物量で殴って解決したり、出産でお世話になった女医さんと伝染病を食い止めたり、トレーニングマシンを並べてジムを始めたり、ロボッティが飛行生命体(軍事用ドローン)に進化したのはまた別のお話。




 ふたりはいつまでも幸せに暮らしましたとさ。

 めでたしめでたし。







おあとがよろしいようで=次の物語が整ったようで



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― 新着の感想 ―
[一言] さらっと読めて、ほのぼのしてて、好きなセンスでした。AIの視点話があれば読みたいなぁ(´ω`)
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