四話:捜索
チチチ...。
鳥の鳴き声が聞こえる。
爽やかな朝です。
頭が痛い。変な夢を見たからか?
………いや待てよ?結局あれは夢だったのだろうか?夢じゃないとしたら…まぁ、大変だな。
そんなことを思いながらテレビの電源を入れた。テレビを点けた瞬間、俺の頭に衝撃が走った。
昨日見た夢にいた『夢喰い』とやらが喰っていた家が画面に映っていた。
この家の住人が行方不明になった。
そう淡々とニュースキャスターのお姉さんが喋っていた。
アイツらは確かに存在を喰いやがったんだ。そして昨日見た夢は…
なるほどな。俺が救世主になれる可能性ってぇのは、この『夢喰い』共を駆逐して現実世界を救うっつぅことか。
……………そんなわけねぇか。
きっと何かの偶然だ。そうに違いない。
「なーんて思っていましたよ!」
そう俺が叫んだのはヒナの部屋でした。
「やはりあの家は喰われていたのか…。」
「わかってたのかよ!」
「別にわかっていたわけじゃない。君という、現実世界の人間を初めて見たせいか、気が抜けていた。」
「そ、そうか…。でも俺はあの家を見ていたんだし…。」
「なら喰われたのね。」
「喰われたって…存在をか?」
「えぇ。現実世界の存在を…ね。」
「なんだそれ?じゃあ、この世界にはいるとか?」
「ちゃんといる。でも救出がね…。」
「救出がどうかしたのか?」
「大体の喰われた存在はね…『夢喰い』に喰われるの。正確に言うと、取り込まれるね…。奴らは人の存在を取り込むことによって、徐々に人に似た形になっていく…。」
「で、でもあの家を喰った…俺を襲った四体はおまえが倒しただろ?」
「残念。倒せてない。何せ、四体ではないわ。五体。」
「え…?」
「君が見た四体は言わば雑魚。あの『夢喰い』の群れのリーダーが、あなたの見ていない五体目。」
「つまり、そのリーダーってやつを倒せば…喰われた家の住人は戻ってくる…?」
「正解。」
救うことができる…。さっきまで死んだと思っていたせいだろうか。たまらなくうれしい!
「やる気は?」ヒナが手を差し伸べ問いかけてきた。
返す答えはもちろん…
「十二分!」
だ。
そんな勢いよくいってヒナと共に部屋を飛び出したのだが…
「なぁヒナ。今この状況で敵に遭遇したら…どうすんだ?」
「…あ、忘れてた。」
本当に忘れていたような表情だ…。殺す気なのか?
「でも大丈夫よ。多分。」
「多分かよ…。」
「ここは夢の世界。君の夢の一部でもあるの。つまり、ちょっとがんばれば君は武器を精製することも可能なの。」
「なるほどね…。」
そんなのどうやってやるんだ?なんか魔法陣的なものでもあるのか?とか考えてたら…
「さがって!」
突然ヒナが叫んだ。
その言葉に気づいた瞬間には既にヒナに首根っこを掴まれ後ろに移動させられていた。そしてつい1秒前まで俺の立っていた場所には青白い甲冑を全身に着けた誰かが剣を突き立てていた。
その甲冑は青白く輝く。さらにスタイリッシュなフォルムをしている。
如何にもゲームに出てきそうなかっちょいいやつだ。
「だ…誰だ?」
「わからない?あれが私の言っていた昨日の『夢喰い』のリーダー…存在を喰った奴よ!」
そう、強く言葉を放ったヒナは大剣を『夢喰い』のリーダーに構える。
今…戦いが始まろうとしていた。




