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第二十一章 母から妻へ

第二十一章です!どうぞお読みください!

王室制度が廃止されてから数年が経つと、街は活気を取り戻し、人々の生活はより良いものとなった。


王室が徴収していた税はなくなり、他国との貿易が盛んに行われるようになったおかげで、飢えに苦しむ者たちはだいぶ減った。


「ねえ聞いた?マラカイトの第一王子がご結婚なさるんだって」


「うん聞いたよ!お相手はこの国出身の方なんだってね!すごく綺麗な人らしいよ!」


隣国の話であるのにここまで街中が盛り上がっているのは、グラナイト王子が悪名高い王を排除し、この国をより良くしてくれた英雄と評されているからである。


「お相手の方も、その戦いのときに一緒に戦ったんでしょ?」


「そうそう。あの方たちのおかげで、この国は暮らしやすくなったんだよ!」


子供たちも毎日その話ではしゃいでいるのは、今度二人の結婚式が行われる際に、この国にも足を運ぶ予定だからだ。


視察という形ではあるが、国民たちはそのために盛大な祭りを行うつもりらしい。




街中が騒がしいのはモルガナイトだけではない。マラカイトでも同じく街中活気にあふれている。




「ふう、シトリン様。これで完璧です!」


カーネリアンがシトリンの髪を結い終わると、鏡を持ってきた。


「どうですか?結構上手くできたと思うのですが」


「ええ、完璧よ。ありがとう、カーネリアン」


純白のドレスに身を包んだシトリンが微笑むと、カーネリアンも嬉しそうな笑みを見せる。


「良かったです!では式はもうすぐ始まりますので、私はこれで失礼いたします!」


そうハキハキと部屋を出て行った。



「ふう・・・・・・ついにこの日が来たのね」



あの戦いの後、グラナイトとシトリンは婚約を結び、そして今日遂に結婚式を挙げる。


「まさかこんな日が訪れるとはね・・・・・・」


初めて会った時にはまさかグラナイトと夫婦になるなんて思いもしなかった。

だがグラナイトと同様、シトリンもまたグラナイトを密かに慕っていた。


そして幼い頃の約束を今でもずっと忘れずに守ろうとしてくれた彼にこの思いはさらに強まっていったのだ。


「シトリン様、そろそろお時間です」


エピドートが扉越しに声を掛けると、シトリンは椅子から立ち上がった。



「はい、今行きます」



こうして二人の結婚式が始まった。


「緊張するな・・・・・・・」


シトリンと同じく純白のタキシードに身を包み、胸元には小さなブートニアが揺れていた。

銀色の長い髪を後ろで一つにまとめ、さらに美しさが増している王子に、参列者の女たちは目を奪われている。



女からの視線が・・・・・・・・・・・・



視線に気分を害され始めていたその時だった______



「新婦登場!」



「っ・・・・・・・・」



重い扉が開き、純白のドレスを身にまとったシトリンがゆっくりと姿を現した。


光を受けてヴェールが淡く揺れ、その一歩ごとに会場の空気が静かに震えた。



「僕の、太陽・・・・・・・・・・」



この世に太陽の女神が存在するのなら、まさにこの姿だろう。



シトリンは少し照れた表情を浮かべながら階段を上ってきた。



だが気に入らなかったのは、この女神を独占できないことだった。

男たちの熱い視線がシトリンに向いている。



汚らわしいクズどもめ・・・・・・・・・・



心の中では本性が出てしまうところは、相変わらず変わらない。

護衛として扉の前に立っているエピドートも、そんな主の様子に気が付いているようで、ため息をこぼした。


「どうしたんすか?団長」


隣に立っていたアウインが不思議そうな顔をする。


「いえ、ただこの独占欲が表に出ないことを祈っているだけです」


「ん?」


アウインは理解できていないようだったが、エピドートはその後は何も言わなかった。



そうこうしているうちに、シトリンが階段を上まで登り終わり、グラナイトの前へ行こうとしたその時____



「っ・・・・・・・・」



グラナイトは思わず一歩前へ出てシトリンの腰に手をまわして抱き寄せる。



「「キャアアア!!」」



初々しい夫婦の様子に参列者は声を上げた。



「ああ、予感的中です・・・・・・・・」


エピドートが頭を抱えると、アウインは笑って


「いいじゃないっすか、初々しくて」


と拍手をした。



「グ、グラナイト様・・・・・・・・・!みなさん見ていますよ・・・・・・・・!」


グラナイトの腕の中からチラリと参列席を見ると、コールとスピネルがまるで乙女のように顔を真っ赤にして口を押えていた。


「すまない・・・・・・だがどうしてもお前が僕のものであると見せつけたかったのだ」


「っ・・・・・もう・・・・・・・子供じゃないんですから・・・・・・」


そうは言うものの、シトリンの赤くなった顔は少し嬉しそうだった。



「ゴホン」



神父が気まずそうに咳ばらいをすると、二人は慌てて距離をとった。



「それでは式を始めます」


そこからは一瞬の出来事のように時間は流れていった。


誓いの言葉が交わされるたび、会場の空気は静かに満ちていく。


指輪が交換され、互いの手をそっと握る。

神父が穏やかに告げる。



「それでは誓いのキス・・・・・・・・」と言いかけた、その瞬間。



グラナイトは待ちきれないようにヴェールを上げ、そっと彼女の唇を奪った。



一拍遅れて、会場がどっと沸く。



エピドートがやれやれと言った表情で頭を抱えていたのは言うまでもない。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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