今までのお話
ご無沙汰をしております。
コロナ禍の喧騒が話題にならなくなりましたね。
合わせて、リアルな世界での個人ミッションも区切りがつきそうです。
少しづつでも、更新を再開させていただければ、と思います。
長い間、放置していた事、お詫び申し上げます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
丘野伸也。
防衛大学校を卒業し、任官拒否して某図書館に会計年度職員(有期雇用)
として勤務している。
彼は個性として完全記憶を持ち、併せて図書館の書籍のほとんどを閲覧していた。
仕事の帰り道、猫虐待に端を発する事件に巻き込まれ命を落とす。
そして、まるでネット小説の様に前世の記憶を持ったまま「転生」を果たす。
転生先は流行りの「異世界」では無く、二番目に多い「戦国時代」。
ただし「日本」では無く隣国、朝鮮王国。
朝鮮王国の王子に生まれ変わったのは良いが、その「王子」が問題。
朝鮮王国史でもトップを争う「残念王子」、臨海君その人であった。
臨海君……第14代朝鮮王、宜祖の第一王子。
側室から生まれたとは言え、正室に子が望めない中で本来なら、
次の王、いわゆる王太子である「王世子」になるはずであった。
が、しかし本人の能力や性格が「…」であった。
加えて、本当に「運」が無い。
近世史最大の国際戦争、文禄・慶長の役に巻き込まれ、
日本軍の捕虜になった事がトドメとなり、周りからの信用を完全に失ってしまう。
結局、王世子の椅子は同腹弟の光海君に奪われてしまう。
おまけに宗主国 明国からの干渉で、光海君の即位に
邪魔になった事で佞臣たちに自害に追い込まれてしまった。
前史を詳しく記憶に留めていた伸也=臨海君は、「こんな人生は嫌だ!」
と一念発起する。そう、生きる為に歴史を変える決意をしたのだった。
まず、行動する時間を得るために自身の能力を国王……宜祖に認めさせた。
また、「地獄の沙汰も金次第」とばかりに、蓄財に精を出す。
違法・合法、硬軟取り混ぜて次々と手を打ち、莫大な資産を手にする。
加えて、同腹弟の光海君とも良好な関係を築いていく。
その過程で、自身付きの女官見習いソン・ヨナ、光海君付き女官見習いキム・ゲシ
との縁を紡いでいった。
突出する臨海君を警戒した仁嬪金氏
(前史では、16代仁祖の祖母)とは激しく敵対することになる。
時には命を狙われ、カウンターで仁嬪金氏の人脈と資金を削って行く。
結果、仁嬪金氏を支持する派閥「東人」との対立も深めていった。
しかし、自身を支持する「西人」との関係は良好となり、
宮廷の重臣、イ・イやチョン・チョルに認められることとなる。
臨海君は、前史の知識と蓄財で得た資金を活用し、
国王……宜祖の信頼を基に富国強兵へ朝鮮王国を導いていく。
前史で貧困と明国からの圧力に苦しんだ朝鮮王国は姿を変え、
豊かな国へと変わっていった。
失策を重ねた仁嬪金氏の一族は、没落の一途をたどって行く。
そして、自身にまで火の粉が降りかかる事を恐れた仁嬪金氏の
口から、王世子への推挙をとりつけ、臨海君は遂に王世子となる。
前史とは異なった道を歩み始めた臨海君は、
自身付きの女官であったソン・ヨナを国王との取引により、
女官から解放し自身の嬪=正妃として迎えた。
また、前史では朝鮮王国と日本を又にかけ翻弄した、
対馬宗氏を籠絡し、自身の手ごまとする事に成功する。
しかし、歴史のうねりは臨海君を見逃してはくれなかった。
臨海君の安寧な人生にとって最大の障害、日本国。
概ね、前史を辿っていた日本国がある時を境に異なる歴史を歩み始めていた。
あろう事か、織田信長が日本統一に成功していたのである。
天下布武への道のりも、ある時を境に臨海君の知る「歴史=前史」とは大きく異なっていた。
織田信長は、時に危機を回避し、時に大きく利を得ている。
臨海君はそこに、自身と同じ「転生者」の存在を感じていた。
前史以上に富国強兵を成し遂げた日本が、その牙を大陸へ向けようとしている。
臨海君にとって、歴史改変のクライマックス、壬辰倭乱が迫っていた。
そんな中、臨海君と王世子嬪孫氏の命を狙った事件が起ころうとしている。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
少しづつ、進めてまいります。




