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揀擇(カンテク)【その5】

毎回のごとく遅くなり申し訳もございません。

本日、一話の投稿になります。

お楽しみいただければ幸いです。

王后ワンフ様の元を訪れた日から程なく王宮の中で揀擇カンテクの噂が広がりだした。

嘉礼都監カレドガムを設置する動きがある事からだろうがね。


併せて両班の間で結婚話が多く聞かれる様になる。

まあ、これは毎度の事らしいし、野史などでも有名な話だ。

娘を王世子嬪セジャピンや側室、女官に取られるのが嫌な連中は結婚を急ぐ事になる。


嘉礼都監カレドガムが設置され、禁婚礼が発布された。

大体、50人程度は集めるらしいが、俺はこの点についてお願いをしておいた。

曰く、無理に集めて欲しくは無いと……


理由は至って簡単で、両班連中の恨みを買いたく無いからだ。

両班同士の結婚は政治的な部分がある。

その為の手段を奪うのは宜しくない。


この点は王后ワンフ様も承諾して下さった。

まあ、親父……宣祖ソンジョは渋々だったらしいがね。


結果、10人程度来れば御の字のつもりだったが……

申し出を締め切った事を告げに来た女官の報告に驚く事となった。


「……100人余りの申し出があったと言うのか」

「はい、間違いは御座いません、特に在京の無官の者の娘が多いとお聞きしております」

「……無官の者の娘か」

「……」


いや、ごめん。責めてる訳では無いんで俯かないで欲しい。

しかし、無官の者の娘って……どれだけワンチャン狙っているのが多いんだよ。

あわよくば王世子嬪セジャピンは無理でも側室か女官狙いか。


俺達の実母は既に亡くなっている、この点が大きいのもある。

嫁姑の間の諍いなんて時代や場所を問わずに起るモノらしいからね。

その点についての懸念がない事と王后ワンフ様のお人柄もある。


加えて、権勢を振るっていた仁嬪インビンが実質、失脚した。これも大きい。

女官となったとしても生きやすいのがあるだろう。

一生結婚出来ないかもしれないと言うリスクを取っても狙う価値ありと言うわけか。


少しばかり騒ついた感じで始まった揀擇カンテクだったが、

処女単子チョニョタンジャ……応募書類一式の審査は滞りなく進んだ。


揀擇カンテク……一次審査が始まる。

ここは、王后ワンフ様主導で行われ男性は入れない。

審査には親父……宣祖ソンジョの女兄弟、公主コンジュ様も加わるらしい。

俺に取っては叔母に当たる訳だが正直、顔も名前も覚えていない。


俺は遠目に王宮の門のあたりを見ていた。

揀擇カンテクに挑むものはここで簡単な儀式……鉄の釜を踏んでから入城する。

門の前に次々と輿がやってくる。ここから既に戦いが始まっているのだろう。

家勢のある物は見るからに豪華な輿に乗ってやって来るし、そうで無いものはそれなりの輿でやってくる。

この点は致し方無いのだろう。


そうすると一際豪華な輿がやって来た。

下衆な感じでは無いが財力がある事が見て取れる。

付き人も入城出来るのは一人だが、10人程が付いて来ている。


何処の大監テガンの娘だろうと野次馬も見守っている。

輿の戸が開き、降りてきたのは明国渡りの絹のチマチョゴリに身を包んだ……ヨナだった。

ヲイ!どんだけ気合い入ってるんだよ!


俺の心の叫びに気づいたのか、ヨナがこちらを向いた。

少し下がった目尻に気合いが入っている。

俺に気がつくと小さく微笑んでくれた。

いや……許す、頑張れヨナ。


揀擇カンテクに挑むのは20人に絞られた娘達だった。

審査に当たるのが女人だけと言うのは理由があるらしい。

ここで、身体検査が行われるからだ。


王や王世子セジャの妻……嬪や側室になるものは身体に傷があってはならないと言う事だ。

そこで、身体検査を行う。

当然にその場に王族と言えど男性が立ち会う事は出来ない。

べ、別に見たい訳じゃ無いから。絶対に無いからな!!


揀擇カンテクが無事に終わり、ヨナは無事に残った。

そして2週間程度が過ぎた後に再揀擇カンテクが行われた。

ここではそれぞれの素養を見る様だ。ヨナはここも無事に通過した。


残ったのは3人、ヨナと前世では臨海君の妻となった、許銘ホ・ミョンの娘、

そして聞いたことも無い在郷両班の娘だ。

いや……いくらデキレースでももう少し取り繕っても良いと思うのは俺だけだろうか。


俺は王后ワンフ様に側室は要らないと言った事が関係しているのかも……

まあ、三揀擇カンテクに残ったら間違いなく女官にはなれるからね。

それで我慢して貰おう。


俺はそんな事を考えながら、それぞれ50人の護衛が付く三台の六人轎ユギンギョを見送った。

後は三揀擇カンテクを待つだけだ。そこで親父……宣祖ソンジョが名前を発表して終わり。

決まった娘はその日から、妃教育を受ける事となる。

そんな事をつらつらと考えていると、一人の宦官が俺の内殿ネジョンへ駆け込んで来た。


「たっ…大変でございます!候補様の六人轎ユギンギョが襲われましてございます!!」


俺は部屋を飛び出すと、駆け込んで来た宦官に詰め寄った。


「誰の六人轎ユギンギョが襲われたのだ!!」

「!!そ…それは」

「早く答えろ!誰の六人轎ユギンギョが襲われたのだ!!」

密陽ミリャンソン氏様の六人轎ユギンギョでございます!!」


襲われたのは、密陽ミリャンソン氏……ヨナの六人轎ユギンギョだった。



ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

みなさまから頂ける、ご感想、ご評価そしてブックマークが励みになっております。

また、誤字脱字のご報告、本当に感謝しております。

今後ともよろしくお願いいたします。

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