表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

おまけ

※元々完結編として投稿したものですがタイトルを修正しました。内容は変わっていません。

脳内設定で書いたものです。

続編を書くつもりで伏線を張ったので意味不明なことになっていますがそれでもいいよ!と言う方は読んでいただけると幸いです。

ここをこうしてみればどうなるのだろう?

そんな好奇心が人の文化を発展させてきた。

何故雲は動くのか?何故人は死ぬのか?

今回自分がやったこともそんな知的好奇心のためにやったことである。断じて研究レポートをかけとか言われたわけではない。

一から世界を作る、それも他人が作った脚本通りに進めるとなるとなかなかに骨が折れるものがあったが楽しかったからよしとしよう。可能性を摘み取る作業もプチプチ君潰しと思えば中々に楽しい。

さて、今回私が疑問に思ったことは「乙女ゲームの製作者がそのゲームの主人公に、乙女ゲームのプレイヤーが攻略対象に転生したときどうなるのだろう?」である。

最近知り合いが異世界転生物と乙女ゲームに嵌っていると聞いてふと思った疑問である。残念ながらこれについての結果を知っている者もやった者も身近にはいなかったので仕方なく自分でやることにした次第である。ちょっと5次元程向うに行けば居たかもしれないが正直そこまでするなら自分でやるよね。塩水って0度以下でも凍らないって本当?って思っても身近にパソコンも辞書もなかったら自分でやってみるよね、そんな感じ。

次元渡るぐらいなら世界作った方が早いよね、常識的に考えて。

とりあえず適当な乙女ゲームをピックアップして、そこの舞台を設定して登場人物作ってそこに製作者とプレイヤーの人格とか写し取った疑似魂魄放り込んで観察というのを繰り返すことにした。何気にまとめ考察を書くのが一番だるい。

そんなわけでこれで記念すべき700回目の施行となるのだが今回中々に面白いことになっている。製作者in主人公が鈍感すぎて私の腹筋がやばいという感じだ。お前どこのえrg主人公ってレベルの鈍感さである。本当に気づいていないあたりがさらに笑える。製作者の一人だからさらっと無意識に好感度上げちゃったりして笑い殺す気か!?着実に攻略対象をヤンデレ化させていく姿は笑いを誘うどころかいっそ神々しくすら思えた。しかし攻略対象が惚れるのも分かる。ちょっと抜けてて、自然体で(恐ろしいことに計算していないのだ)落ち着いてて(第二の人生だからか?)自分を包み込んでくれるような(実際子供のように思っているし)可愛い(主人公だからな)主人公。こんな主人公力の高い製作者さんはなかなかいないわー。むしろ私の嫁に来いよ。

プレイヤーin攻略対象は意外とありがちである。第二の人生で完璧キャラ目指す人は少なくない。しいて言うならそれをやり遂げているところが称賛に値するというところか。主人公を守ったり惚れてしまう所なんかもありがちなことだし、スペックの高いありがちキャラさんである。しかし元女とは思えない男前さには思わずきゅんときた。あらやだ格好いい。主人公を庇うところなんか思わず間に合わない可能性を潰してしまうぐらい恰好よかった。主人公第一で完璧で男前なイケメン攻略対象…ただの乙女ゲームの攻略対象じゃないか。ちょっと完璧すぎるような気がするけれど。

そんな二人なのだが…どうやら自分の心に鈍感らしい。

どっちも相手を自分の子供のように思っている…と思っている。自分のことを母親のように思っている所まで似ていて声をあげて笑ってしまった私は悪くないと思う。主人公の方は自分の気持ちにまで鈍感なのかよ!と言いたいし、攻略対象の方はなんか弱点見つけたみたいで微笑ましい気分になる。相思相愛、しかし根本的なところで勘違いしてすれ違っている(?)様は見ていてウザ微笑ましい。傍にいるキャラなんかいつになったらこいつらくっつくんだ…と死んだ魚のような目で見ているというのにw


「うわ、なかなか面白い感じにこじれているね、これ。」


後ろから覗き込んできた不届きものを思いっきり足蹴にして作業を続行する。さすがに潰してしまった間に合わなかったルートとかは兎も角全ての可能性を書き留めておかないといけない。誰だよ研究成果はレポートに纏めるとか決めたの。正史(最初に観測したルートを基本的に正史と呼ぶ)を観察しながらまとめるのは結構苦労するんだぞ。


「ねね、こいつらにちょっかい出していい?もっとこじらせたい!」


不届きものが何か言っているが取りあえず縛り上げて人間椅子にして黙らせることにした。ちょっかいかけてさらに可能性が増えたらどうしてくれるんだこのks。あと勝手にこじらせるな。個人的にはこいつらにはくっ付いてほしいんだ。やっぱり物語の最後はハッピーエンドでなくてはいけない。特に私の脚本の上ならね。気に入った人間が幸せにならない物語なんて唾棄すべきものと思わないか?


「何を言っているの、悲劇こそ至高の芸術に決まっているじゃない!幸せなおとぎ話にはない美しさを理解できないとは相変わらず残念なセンスね!」


黙れks。この世界を作ったのは私、要するにこの世界の神は私。この世界に関することにおいて私が最高権力。要するにこの世界にちょっかいだしたら即戦闘開始だから。慈悲はない。…って、あ。


「ふはははは!こじれーろ!こじれーろ!ふははー!」


コロス。


***


不届きものをとりあえず血祭りにあげてからあいつが世界に干渉した部分を可能な限り消去するという面倒くさい作業をする羽目になった。可能な限りと言った通り、影響を完璧に消去することはできない。あとであいつが作った世界に適当なウイルス放り込んでやる。その世界の住民について?知らぬ存ぜぬ心底どうでもいい。とりあえず世界の時間を止めて影響を消去する。丁寧に消去すれば自分が作った世界を改めてじっくり見ることになってちょっと嬉しくなる。素材がよかったのかこの世界は存外出来がいい。この試行が終ってもしばらく残しておくのもいいかもしれない。ふと止めた時間内の二人を見れば泣きそうな顔をして見つめ合っていた。ちょ、何があったの経緯kwsk!不届きものの乱入のせいでちゃんと見てなかった間になんか進展してるんだけど!とりあえずその部分の履歴呼び出してっと…。


***


『*****!*****!*****!****!』


そんな、音ともいえぬ何かがあったあとである。

意識が朦朧とするような、ふわふわと酩酊しているような感覚のなか、自分の中に自分ではないなにかが居座って勝手に口を開いた。


「桜なんか、嫌いだ。」


俺は一体何を言っているんだろうか。桜のことは嫌いじゃない。嫌いなんて全く言う気はない、言えるわけがない。それなのに俺の口は俺の意思に反してぺらぺらと話し出す。


「桜なんて、嫌いだ。いい加減お前と居るのはうんざりだ。前から抜けているとは思っていたが、なんなんだ、この前の茶番は。気付いたらああなっていた?小学生の言い訳か。」


うんざりなんてしていない。抜けているところも可愛いと思っているし、愛しく感じる。生徒会長とかの件は本当に仕方のないことだったんだろう、茫然としていたし本当に何故ああなったのかわからないようだった。何より人の気持ちはわからないものだ、気付いたらそうなっていたなんてよくあることだ。


「それとももしかしてあれも予想の範疇だったりするのか?は、とんだ悪女だな。恐ろしい幼馴染と仲良くしていたわけだ、俺は。」


違う違う違う!桜はそんな子じゃない。ずっと傍にいたんだ、そうでないことぐらいわかる。強かだけど、ちょっと抜けてて。落ち着いているけれど、予想外のことがあると固まってしまう。そんな守ってあげたくなるような、傍にいてあげたい子。俺が、俺がずっと傍にいてあげたい子。


「今まで傍にいて色々手伝ってきたが…もう飽き飽きだ。お前の顔なんか見たくもない。」


飽きてなんかいない。これからも傍にいたい。傍にいて手伝いたい。桜に頼られると嬉しいんだ。桜が嬉しいと、俺も嬉しいんだ。ずっとずっと、出来るならこれからもずっと傍にいたい。桜の傍にいたい。こんなことを、俺は言いたいわけじゃ、ない…。桜、泣かないで。こんなこと俺は思っていない。お願いだから泣かないで。


「見たく、なんかない。」


そう言い切ってからようやく自分から自分ではないものがいなくなって、自由に動けるようになった。それでも桜は泣き止まないし、自分の言ったことは消えない。どうすればいいんだろう。桜の泣き顔を見るのがつらくて思わず顔を俯かせる。桜を傷付けてしまった。謝ればいい?いや、もう謝ったぐらいですむ話ではない。俺が嫌われるだけならまだましだ。でも昔からの幼馴染である俺にこんな事を言われた桜の心の傷はきっと深い。ああ、いっそのこと最低な幼馴染を演じれば心の傷は浅くなるだろうか。それでなんとかなるなら、俺は…


「―――…!?」


そっと、頬に手を添われたかと思えば、柔らかいものが唇にあたった。

驚いて見開いた目に、近すぎる桜の顔が一面に写った。状況を考えれば、もしかして俺は…口付けられているのだろうか?わからない、どうしてこうなったのかさっぱりわからない。茫然としている間に、自然と桜は離れていった。思わず引き止めようとしたけれど、先ほどした仕打ちを思い出して中途半端に腕を出しているという間抜けな姿になってしまう。


「アキが、私のことが嫌いでも。」


そして、桜はふわりと笑った。吹っ切れたような、そして無理に作っているような。


「私は、あなたのことが好きだよ。」


涙をぬぐってやりたい。俺も好きだよって言いたい。

でも俺にはもうそんな資格はない。それがどうしようもなく辛くて、ふと気づいた。桜のことを娘のように思っていた。そう思い込んでいたけれど、どうやら違ったらしい。


俺は桜のことを、男として好きだったんだ。

本当、今更気づいたって…どうしようもないのにな。


***


とんでもない介入しやがったあの不届きものー!?

なんかどっちも自分の気持ちがただ子を思う親のものではなく俗に言う愛的なものって気づいたっぽいけどなんかもう色々修復不可能レベルで終わってるよー!確実にBADEDじゃないですかやだー!そしてまた可能性ふえたー!もう絶対あいつ許さない…。あいつの世界無限BADED時空に落としてやる。絶対にだ。あいつ自身もめためたのぎたぎたにしてしばらく再生不能にしてやる。

しかしここからでも一応ハッピーエンドに行く可能性がある…あ…ないのかよ!?こじれっぱなしかよ、本当どうしようもないよ!むしろないというのに驚きだよ!仕方ない、とりあえず不届きもの始末してから軽く介入するか…。


***


あれからアキには会っていない。

失ってからわかるって月並みな言葉を身をもって思い知る羽目になるとは、笑い話にもならない。母親のように愛していると思ったけれど、私は実は彼のことを愛していたらしい。女的な意味で。他の攻略対象は相変わらず子供のように思っているし、離れても嫌われても何とも思わないけれど…あの時アキに嫌いと言われて、こうしてあっていないと心が凍えそうになる。思えば学校では一緒ということはなくても、かならずそれ以外で一緒だった。会ってからずっと、一緒だった。そしてこれからも一緒だと心のどこかで思っていた。寂しいつらい、そんな感じに似ている。でも誰が傍にいてもそんな気持ちはなくならない。アキじゃないとダメなんだ。

嫌われてても、嫌がられてもいいからアキに会いたい。そう思う一方で、もうアキにこれ以上嫌われたくない、嫌われるぐらいなら会わないと思う。本当どうしようもない。結局後者をとって家でうじうじ籠っているような私だからアキは嫌いになってしまったのだ。


「アキ…アキ…。」


呼んでも来てくれない。今までは呼ばなくても傍にいた。自然と傍にいてくれたんだ、傍にいてほしい時もいつでも。でも、もう傍にいないんだ。傍に来てくれないんだ。

アキ、私あなたがいないとダメなんだ。

でもアキが私のことが嫌いで、傍にいてくれないのなら。

私、いきていけない。


***


あのks、粘りやがって…!でもあいつ始末しておかないと介入中に邪魔されたらどうしようもないという本当世界のお邪魔虫だ。本当存在抹消したい…ってその間にもBADED進行してるよ!?やっぱり時間停止は本人いなくてもボタンぽちっと押すだけで止まっておくようにならないかな、本当。今度申請しておこう。しかしこの二人…もうなんか手の施しようないよなぁ…。あまり介入し過ぎると世界壊れちゃうし、介入しないと明らかにBADだし…もういっそBADED行くか?もうBADED進行でいくか?こじれにこじれて完全に主人公鬱ってるじゃないですかヤダー。攻略対象の方も実にいい感じに絶望インストールしててks曰く芳醇なBAD臭が漂ってきているよ。もう酒のんで見守るしかないんじゃないかな、これ。……む?……このキャラ使えば、この状況打開できるかも。


***


桜さんは休んで、藤堂晃の様子が可笑しい。

何があったかは知らないが、二人に何かあったことは予想できる。こういう時に二人に関することは既知ではない自分の能力が恨めしい。知っていれば、すべてを思い出さずとも何かしらアドバイスできるだろうに。桜さんの面会は断られ、藤堂晃は黙秘。一体二人に何が起きたというのだろうか。

と、思っていた矢先である。


「実にいい駒がいて助かった。」


そう言って笑うのは自称この世界の創世主様だ。私にこういう能力があるのもこいつの予定通りらしいので頬出せやと言いたいが、私の第六感がこいつに逆らったらヤバイと言っているのでなんとか自重する。とりあえず腹立たしいこいつの会話を聞いた私の感想を言わせてもらおう。神(仮称)って碌な奴いないな。自由研究のようにちょっとした疑問の解決に世界作る?そして介入して世界を変える?これだけでも十分碌でもないけれど、他にも突っ込み所しかない。なんなんだろう、信者に謝れこの神(仮称)共と言いたい。こんないい加減な奴が私の世界の神なわけがない。


「そこで、あなたの出番。なんとか二人の橋渡しをしてほしいの。」


だが断る。

…とは言えない。こいつの悩みは私の悩みと同じであるからだ。

なんでこうなったかは知った。どうすればいいかも今目処は立てつつある。結果的にとはいえこいつの頼みを聞くのはなんか異様に腹が立つけれどそれは仕方ないことだろう、目を瞑る。桜さんが幸せになるならそれでいい。…ところでこの既視感無くせないんですか?


「わかっていているでしょう?」


わかってますよ、糞が。本当碌でもない。主人公やらお気に入りのキャラなんかにあげる愛情の10分の1でもいいからこっちに寄越してほしいものである。


とりあえず、藤堂晃に喝をいれて桜さんの家まで引き摺っていきますか。


***


さすが私、ナイスサポート。

いい感じにレポートも纏まったし、これで研究終了でいいか。

…ところでさっきからこちらをチラチラ覗いているそこの人、いつのになったら見るのやめてくれるかな?この世界は私のもの。この世界の事象も結末も全部私のもの。チラ見するぐらいならいいけれど、ガン見したいなら私を倒してからにしてほしいな。え?この話の結末が知りたい?私の完璧な脚本を見たいの?…あは、見る目あるのね、あなた。

だが断る。

それにわからない方が素敵でしょう?

でもあなたがこの世界をチラ見することは許してあげないこともないよ。

私の脚本をステキと言ってくれたあなたに最大の感謝を。

一応これにて終了でございます。ここまで読んでくださりありがとうございます!読みにくかったらすみません…番外編はいつか更新…するかも…しれ…ないかもしれないと思わないでもない。すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ