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エピローグ

 高校二年生になった。

 亮太とサトは別々のクラスになってしまった。

 クラス内でも絵を描いていて、少し浮いてはいるけど、友達もできた。

 部活は、相変わらず美術部の上からグラウンドを眺めている。

 変わったことは、後輩ができたことだ。

 僕に後輩のお世話係なんて無理だろうと思っていたが、これが意外と出来ることに自分でも驚いた。

 どうやら僕は、結構世話好きらしい。

 亮太のことに関しても、最近は母親のように気にかけてしまう。

 

 亮太にも後輩が出来た。

 サッカー部だから、僕より沢山の後輩を抱えている。

 それに、彼は教え方が上手らしく、一年生の時と比べものにならないくらいの良い評判を聞く。

 だからなのかわからないけど、かっこつけることが多くなった気もしている。

 本当にかっこ良いからいいのだけど、調子にのっていることも多そうだ。

 練習試合前に、後輩に散々忘れ物注意をしたくせに、自分は弁当を家に忘れて、サトが届けに行ったこともあった。

 日にちを間違えて、教科書を忘れるとか。

 靴下が、左右色違いとか。

 以前よりも一緒にいることが増えているから、気になってしょうがない。

 でも、それだけ彼を見ることが出来て、嬉しい。

 だけど、おっちょこちょいにもほどがあるのでは?……わざとか?と勘繰ることもある。

 そうすると決まって「サトは俺をよく見てるから気づくんだよ」と言ってくる。

 そう。僕は亮太をよく見ている。

 そして、彼の絵を描いている。

 

 休みの日に二人で出掛けて、近所のグラウンドでボールを蹴っている亮太の姿を描く。

 夢中で描いて、一息つくと、亮太が僕を見つめている。

 いつも恥ずかしくなる。

 そして、隣に来ると、揶揄うようにまた見つめてくる。

 そろそろ夏休みだ。

「今年こそ、全国に行く」

 グラウンドで走りまわる子供たちを見ながら、決意を固めた目で亮太が呟く。

 本当に、かっこいい。

「うん。応援しているからね」

 亮太の横顔を見つめて言うと、彼の頬が緩んで、顔色がみるみる赤くなっていく。

 それと同じく、彼の色もピンクに染まる。

 そんな顔を見たら、こっちまで恥ずかしくなって、顔を伏せてしまった。

「サト、汗」

 そう言うと、頬を流れる汗をタオルで拭いてくれた。

 タオルに隠すようにキスをする。

「……!」

 笑う亮太に、「ここ外だよ」と焦って言う。

「外じゃなければいい?」

 照れた表情と少し挑発的な言葉に喉がなった。

 もっと、近づきたいという欲求を奥にしまって、振り絞る。

「……僕たちは男同士だし。変だと思われる……」

 小さく震えながら発した言葉に、ベンチの上の手に亮太の手が重なる。

「思わせておけばいい」

 小さい声が返ってきた。

「……俺だって怖い」

 グラウンドを向いたまま、不安顔の亮太が呟いた。

 亮太の色が、濁っていく。

「でも、サトが俺を見てくれないほうが怖いんだ」

 いつでも輝いている亮太でも、恐れや嫉妬、怒りで見たことのない色が現れる。

 亮太の指が震えている。

 重なった指を絡めた。

「僕は、ずっと亮太を見てるよ」

 こちらを向いた彼の顔が、優しい笑顔をになる。

 キラキラした笑顔は、僕の宝物。

 見つめ合う二人の頭上は、抜けるような青空で、緑に茂った木々にはセミの鳴き声が響いていた。

 番外編 ~初めてのソレ~ はR18 ムーンライトノベルズにて(5/28 19:00)

 両想いになって、付き合い始めた二人の「ソレ」についての初々しさと戸惑い。

 どっち側なんだろう。

 最後まで出来るのか。

 ネットで調べれば色々でてくるけれど、実際は……。


 触れたいし、繋がりたい。

 好きがあふれる二人の心情を交互に書きました。

 お楽しみください。

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