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第7話 幻想跋扈の古都《洛陽》 Act3 想定の遭遇


《洛陽 関林廟かんりんびょう外壁 》


「ターゲット確認しました。ターゲットとの現在の距離7キロ。こちらにはまだ気づかれていません」


「了解。では九条大佐は引き続きこの場に止まり、ターゲットの観察を続けて。皇中佐。そちらの作戦進行状況はどうなっていますか?」


『……ザッ…ザッ…こちら綾瀬 皇。現時点で洛陽近辺に101個の時限トラップの設置を完了。速やかにそちらへと合流します』


「分かった。それでは皇中佐がこちらに合流次第、《幻獣生物・麒麟》の討伐又は捕獲作戦を決行します」


「〖ハッ! 了解しました〗」



《漢魏洛陽故城》


ドガアアアンン!


「おー、おー、凄い。落雷だこと。それに御天道様は曇天とはねぇ。ここは地獄の入り口ですかってねぇ? シン……てっどうしたん? 洛陽とは別の方向を向いちゃってさぁ」


「いや。古い馴染みが近くに来ているものだから。少し驚きていただけだ」


「古い馴染み? こんな無人の魔核領域テリトリーで? そんな冗談良くこんな時に出きるもんだねぇ。シンはさぁ」


「……日本帝国軍の千機 慧が来ていると言えば、俺が驚いた事にも納得するか? リリア」


「はぁ? 千機って、確か次期元帥候補で権力争いに負けた配信者の?……何でそんな奴が此処にいるのさぁ。確か、昨日までロンドン戦地でアルクとドンパチやってたんじゃないのぉ?」


「アルクはシバと共に旧フランス領へと調査に向かった……妖精をスカウトするそうだ」


「スカウトって……相変わらず。あの2人の考えてる事は意味分からないねぇ」


「全ては各々が魔核飛来によって奪われた父祖の地を奪還する為だ。だから中国、イギリス、フランス、アメリカ、ロシアそれぞれの国の子孫を持つ俺達が集まり。黄金旅団が結成された」


「……それが新国連認定のテロ組織だもんねぇ。やってらんねえわ」


「その新国連の権力を裏で握っているのが、日本帝国の奴等だ。奴等は101年前の魔核飛来でアメリカが崩壊したとみるや、日米同盟の関係を利用し、アメリカの権力者達と裏で取引を持ちかけてきた。それがこうだ。土地を失った権力者共に日本社会での新たな地位と住む土地を与える代わりに、旧アメリカ領に飛来した黄魔核を日本側に引き渡す様に交渉してきた」


「ほほう……」


「真剣に聞いていないな。リリア。まあ、良い……そして、その頃の人類は一部の研究者を覗いて、魔核と言う莫大なエネルギー価値を知らないでいた。そして、我が身可愛さで無知なその権力者共はただ同然に、アメリカが所有する筈だった黄魔核を渡してしまったんだ」


「……それで101年後の日本は現在、鎖国しているにも関わらず。魔核の力で発展し続けているんだねぇ」


「そういう事だ。そして、日本帝国側は他にも旧中国領と旧ロシア領の魔核を所有している疑いがある。そんな強大な力秘めた物を3つもだぞ。これなら鎖国国家である筈のあの国が、粒子転移などとふざけた魔核技術で世界中を行き来できても可笑しくはない」


「あー、成る程ねぇ。シバさんとアルクが何で旧フランス領に行ったのも読めてきたよぉ。まだどの国も手を付けられていない魔核を手に入れて、ついで魔核領域テリトリーの幻獣生物を調伏ちょうふくするつもりなんだねぇ?」


「恐らくはな。そして、俺達は俺達で旧中国領に赤魔核がまだ存在しているかの調査に来てみれば、まさか奴が来ているとは思わなかった……5年前の上海シャンハイ奪還作戦の一番の功労者にして」


「シンの幼馴染みにして初恋の娘だっけ? あの新人配信者ちゃん可愛いもんねぇ。特にあの笑った時の笑顔が良いんだっけ?」


「違う! バカモン。俺と千機 慧は士官学校時代からのただのライバルで、今は敵同士だ」


「……何でそんなに慌ててんのぉ? それに否定しなくても良いじゃなぃ。あんまり頑固だとアルクに先、越されちゃうよ」


「何?……アルクに先を越される?」


「そうそう。アルクって女の子の扱いが上手いからさぁ。3日前みたいに突然、慧って子と魔核領域テリトリーで再会してエッチぃ事に発展するかもしれないよ……あんな可愛い子。普通の男なら放っておかないもんねぇ」


「……リリアは龍門石窟りゅうもんせっくつに居るであろう。後続部隊を抑えろ。俺は洛陽に入城される前に千機 慧の相手をする」


「えー、あたしも千機 慧と戦ってみたいんだけどぉ? 現日本帝国の最強さんとさあ。それとも何? 私情バリバリ入ってる?」


「……良いから行け。あまり騒いでると《麒麟》に気づかれるぞ」


「はいはい。分かりましたよ。相棒さん……大切な幼馴染みとごゆっくり~」


「黙って早く行け……慧。何でここに」


《洛陽近辺》


「……ザッ…ザッ……こちら千機 慧。作戦通り。今から旧洛陽市内に潜入し、その後生配信を開始します」


〖こちら九条。了解しました。そして、先程、予定どおりに皇中佐が各種罠の設置完了。こちらと合流しました〗

〖……無事に上手くいきました。どうぞ~〗


「ありがとう。じゃあ、アイ。そろそろ生配信の準備を……」


〖は~い。慧様~了解しまし……慧様。凄いスピードど誰か近付いて来ます〗


「え? 誰かが近付いて来る? 何を言っているの? ここは魔核領域テリトリーの中心地帯で……」


バリバリ……ドゴオオン!!


「早脚での移動してきたんだが、気づかれてしまったか。失敗したな」


「君は……シン君?」


「久しぶりだな。千機 慧。貴様が本当に旧中国領から赤魔核を持ち出したか確認しに来た。所持しているなら速やかにこちらに渡せ」

《黄金旅団所属 蒼龍そうりゅう シン───元日本帝国軍所属》

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