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第14話 帰る者と残される者。そして、落日の都は甦り


《洛陽市内》


〖……雷獣・麒麟の討伐作戦は千機大将の活躍により達成された……ザッ…ザッ……皇中佐が設置した魔核浄化装置の罠を展開。洛陽市内の浄化作業を開始する…尚、この作業は約1年にも及ぶとドイツ政府機関の人工A.I.に鑑識が……〗


 液晶デバイスから流れて来る声は、日本帝国軍部の任務終了の知らせ。


「シン君はここにはもう居ないんだね。私が雷ちゃんを封印している間に……」


 私は洛陽郊外の遠くを見ながら、自然とそうつぶやいた。



〖旧中国領 成都市近辺〗


「……くそ。まさかここまでの力の差があるのか。千機 慧、雷獣・麒麟。俺もあれ程の力を得る為には」

 

「やっぱり。偽造魔核が必要な感じだよねぇ? シン。どうやら入手は出来なかったみたいだね」


「リリアか。そっちの作戦は上手くいったのか?」


「うーん。多分ねぇ。かなり心が揺らいでいた様だし。そのうちこっち側に付くんじゃない?……シバさんの話をしたらビックリしてたよぉ」


「近江は元々シバさんの側近の1人だったからな。あの人が生きている事を知れば、コロッと落ちるとは思っていたが。戦術魔核師であるアイツがこちら側に回れば、戦況はかなり変わるだろう」


「それでもう1人の戦術魔核師のスカウトは失敗して、麒麟もからも逃げて来たとぉ?……慎重なシンらしいねぇ~」


「何とでも言え。どんなに傷付こうと生きていれば……」


「価値があり。またチャンスはやって来る。私達のボス。シバさんの口癖だねぇ。うんうん。じゃあお互い無事に生き残れたし、さっさと帰えろうねぇ。私達の拠点《旧フランス領》にさぁ」


「……そして、数日後には次の戦地へか」



〖……現時刻をもって本作戦は終了する。上海シャンハイ新政府への土地返却交渉へと移行する。千機全隊は速やかに日本帝国・東京へと粒子転移装置にて帰還せよ。尚、それにともない、千機 慧大将の全ての権限を凍結。拘束後、罪人として帝国へと護送せよ。繰り返す……〗


「任務が終わったら直ぐに権限の凍結ですか」

「……酷い扱い。千機さん、やっぱり。このまま軍部上層部にクーデターして。天理のアホを血祭りに……」

「そうです。ブッころしましょう。慧様」


「うん。するわけないよね。すめらぎ中佐。九条大佐。そんな事、東京に帰ったら絶対に言っちゃ駄目だからね……それに獄中生活も案外快適に過ごせるんだよ。以外とね」


 私はそう言って笑った。その後、2人に拘束具を付けられた私は、護送車に乗せられて日本帝国へと帰還する事になった。



『戦場報告書より抜粋』


第一次洛陽解放作戦。旧千機隊101名を第一隊とし、死地とされる旧中国領中心部 《洛陽》へと派遣した。


 軍部上層部は今作戦の成功の確率はあまりにも低いと推測していたが。


 千機元大将の活躍によりこの推測は外れる。


 今作戦による戦死者は0人であった。これは5年前の上海シャンハイ解放戦の、数万人の戦死者の犠牲と比較すると雲泥の差となる。


 これも戦術魔核師である。千機、近江両名を早期、実戦投入した結果だと推測される。


 しかし、その戦闘時、テロ組織《黄金旅団》の襲撃があり。数名の怪我人あり。東京帰還後、早期メディカルチェックを行う。


────今回の作戦で活躍した千機 慧は再び罪人として東京刑務所へと護送。近江副官は長期の休暇届けを出した後。行方不明となる。



《千機 慧専用独房》


 私は牢屋の中で液晶デバイスをスクロールしながら日本帝国内であった出来事をエゴサしている。日本帝国に居る時は罪人扱いなので、暇な時間がかなりあるの。


「近江秘書官が行方不明。世界衛星で行方を探したところ見つかった場所は……旧フランス領か。ピッポッパっと……」


 液晶デバイスにセキュリティコードを入力して、とあるサイトに飛んで。帝国軍部の秘匿情報に侵入してと……


 天理新元帥に不満を持つ人達が増えて、西側を統括する。愛染大元帥には以前とクーデターの件は知らせていないかぁ。日本帝国内部もかなり荒れてるね。


「天理ちゃんはいったい、どう動くのか少し様子をみとこう」


 私は液晶デバイスを見ながらそう告げた後、明日に備えて眠りついた。


第一章〖千機 慧の活躍〗


終わり。



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