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この仕事が終わったら、お休み貰っていいですか?

閉じ込められている男達の正体はおそらく、盗賊団でしょう。



 それ以外考えられません。

 何しろたまたま救援に来た我々に、嘘の人数を教えるような人達ですからね。



「で、どうしましょうか?

 このまま土砂を取り除くのは、無理がありますよ。」


「そうですね。このまま掘ると、崩れてこちらにも被害が出ます。

 土魔法の得意な者と協力しないと、たいへん危険です。」


「「「「ですよねー。」」」」



 騎士団の者達の言う通り、このまま土砂を掘ると、こちら側にいる我々も危険が及ぶ事になります。



 もし崩さないように掘れたとしても、盗賊団に襲われてしまうでしょうね。



「とりあえず、防御魔法を使って【中村工法】を簡易再現してみるのは、どうでしょう?

 ドーム型に設置すれば、落盤と盗賊両方に備えられるのでは?」



 と提案してみた。

 因みに【中村工法】というのは、こちらに転移して来た【中村】という【トンネル工事の技術者】の稀人が伝えた工法。

 元の世界では【シールド工法】というらしいです。


「それなら今居る者達で可能ですが、万が一の事を考えると我々がやるより第二騎士団(専門の方)に任せた方が宜しいのでは?」


 我々はあくまで《《調査隊》》。

 更に王族と高位貴族令嬢二人を含む。


 何かあったら責任問題です。

 お世話になっている護衛の方々に、ご迷惑をお掛けする訳にはいきません。


 という訳で我々は、とっとと引き上げる事にしました。


「すみませ~ん!私達で救出する事は無理そうなので、第二騎士団(専門の方)

 を呼んできますねぇ~!!」


 エリー嬢の呼び掛けに少し間を置いて、壁の向こう側から返事が帰って来た。


「わ…解った。なるべく速く頼む!

 もう限界なんだ…… 」


 あっそうだ!!


「念の為に、浄化魔法を掛けて置きましょう。

 こんな所に、長期間閉じ込められていては瘴気も浴びているでしょうし。」


 親切心でそういうと、何故か動揺した声で返事が返って来ました。


「あ…イヤ、そこまで気を使って貰わなくても……

 救出後でも大丈夫なんで… 」


 怪しい……


「あのぅセイマ様…もしかしてあの人達ってまさか?」


 ケイト嬢が小声で、そう私に尋ねて来ました。


「あぁ…まぁ、閉じ込められている期間的にねぇ。

 ピンクギドラが居た影響で、ちょっと解りづらいですが【リビングアンデッド】になってる可能性が高いですね。」


 因みに調査隊は全員、洞窟に入る前に私が浄化魔法を使って瘴気を吸収しないように加護を与えました。


「うわぁ最悪…

 だったらセイマ様の浄化魔法で、一気に浄化した方が良いのでは?

 普通の人間なら、瘴気が祓われて助かる事はあっても、困る事は無いんですから。」


 もちろん、向こうに居る連中に聴こえない程度の声で…


 エリー嬢の発言に、その場に居た全員が頷く。


「では…浄化魔法を使います。

 皆さんは念の為、下がってください。」


 そう言って調査隊を下がらせた後、懐から魔法ペンを取り出した。


 この魔法ペンはずいぶん前にサイド家が発明した物で、魔力によって何時でも何処でも文字や絵が書けるといった代物です。


 魔法陣を使う者にはたいへん便利なのですが、ある一定量以上の魔力持ちにしか使用出来ずかなりの在庫の山を抱えてしまいました。


 それで神殿で買い上げ、教会で使用する事になりました。


 教会で修行する初日に全員に渡され、『卒業までにこの魔法ペンを使用出来るようになる。』事を目標に、日々努力を重ねるのです。


 因みに私でもかなりの時間が掛かりました。


 おや?話しがそれましたね。


 盗賊?が居る場所の壁に、強化魔法を掛け魔法ペンに魔力を込め魔法陣を描いていく。


 その魔法陣に向かって、浄化魔法を放ちました。


 すると壁の向こうから、もの凄い絶叫が聴こえて来ました。


「あぁ…やっぱり。」


「壁に穴開けなくて正解でしたね。」


「「「流石は勇者様!!」」」


 などと言う声も聴こえて来ましたが、彼らの正体に最初に気づいたのはボルネオール姉妹ですから。


 こうして私達〈調査隊〉は洞窟から地上に戻り、この事を最高責任者である王太子(長兄)に報告すると…


『何故先に報告しない!

 何かあったらどうするんだ!!』


 と物凄く怒られてしまいました。


『罰として、しばらく王城で謹慎だ!!』


 という訳で、暫く部屋から出れなくなりました。


 このところ忙しかったですし、良い機会ですのでお休みする事にしましょう。


また何か起きたら私の出番です!



あとがき


たいへんながらくお待たせ致しました。


勇者セイマのお話しはコレでお終いです。

またいつかお会いしましょう。


ありがとうございました。

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