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勇者は守銭奴!  作者: 猫田33


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異なる地での…

夕日のような真っ赤な空の下にとある城があった。城と述べたがどちらかと砦といっていいほど無骨な見た目である。実際この城の塀には、一部壊れた場所を直したのか丸くない角ばった石を使用していた。それは強固な塀を傷つけるほどの戦闘があったことを匂わせている。


そんな城の一角に五人の人物が集まっていた。正しくは、五人の”魔人”と呼んだほうが正しいのだろう。


「シャング・ダァタに行っておめおめ帰ってきたんだって?スカイマン、クレイトンの嬢ちゃん」


ニコちゃんマークの顔をしたひまわりのような植物が言った。スカイマンは、通常通りビールを飲み上機嫌だがクレイトンは苦々しげにひまわりを見る。


「そこの馬鹿羊が狐の亜人に恐れをなして再起不能になっちゃたのよ!私は、分身の炎だったから簡易の攻撃と転移の魔術しか使えないわ」


「いーつもえらそに貴族がなんたるか。いうとる人物の言葉かいな」


「ロッ、ロード・フライザーいっ、言い過ぎだと思うのです・・・。そもそも問題は、ロード・スカイマンの魔術が二人も破られたことだと・・・」


いかにも貴族といった格好にモノクルをつけた血色の悪い男がぼそぼそといいだす。その男の口からは鋭い牙が見え男がかの有名な吸血鬼であることをしめしていた。しかし、よく小説で描かれるような傲慢な様子は、見られず気の弱い青年といった様子だ。


「そうやなぁ、見た目アホらしけどスカイマンのおっさん第一侯爵さかいなぁ。魔族が魔術やぶるのは可能やけど人間が破るちゅうのがおかしいわ」


吸血鬼の青年の言葉に河童が言葉を継ぎ足した。頭の皿の渇き具合が気になるのかカップから皿へ水を流しこんでいる。そして思わしげにクレイトンのほうへ視線を向けた。


「そんで、眷属から聞いたんやけどシャング・ダァタに勇者が出たちゅう話を聞いたんやけどその破った人間が勇者ちゅう可能性は?」


勇者という言葉に緊張が走る。いままで魔王を倒すことを旗にかかげた存在がいたがたいした力などなかった。そもそもいくら強いといっても”人間にしては”という程度で脅威にはならなかったのだ。それは神世の時から変わらぬ不文律なのだから。


「魔族並みの強さを持つ人間ちゅうことか?わしが生まれて一万年たっとるがそんな存在きいたことないな」


「私の・・・血の記憶にもないです・・。あぁ、でもそんな人間がでてきたならどうなるのでしょう。今年も天候不良で領民がピリピリしているのに・・・!」


吸血鬼の青年は、慣れた様子で懐から白い粉薬を取り出し飲み物に入れていっきに仰いだ。


「なっさけないわね!また胃薬?」


「これがないと胃が痛くて痛くて・・・・」


「アレグザンダーいま飲みもんに薬いれてのんどったけど。たしかそれワインやぞ?あんさん下戸やなかったか」


河童がアレグザンダーのカップを指さしていう。


「えっ、いわれてみれば。くらくらすりゅぅ・・・・・」


アレグザンダーは、最後まで言葉を発する前に体ごと椅子から倒れた。慣れている光景なのかほかの人物は、気にしている様子はない。


「このなかの誰かが勇者についての情報収集をする必要があるわね。計画になにか支障をきたす可能性もあるし」


「それならフレイザーの眷属に任せりゃいいんじゃねぇか?人間の大きな街に種をばらまけばいいだろうし。そういうのに特化したやついただろ。たしかブ・・マン?」


「ブラッディマンドラだろそれ。確かに生えている上の部分は、普通の花にそっくりだからいいかもな。本体に伝えとくわ!」


そういうやいなや花弁が閉じまた開くと真っ白な綿毛が姿を現す。綿毛は、風も吹いていないにも関わらずフワフワと浮かぶとどこかに飛んでいってしまった。残ったのは、茶色に枯れた葉や茎ばかりだ。


「せっかちすぎでしょ。5人中3人もいないんだから解散ね」


「ここにおるんは3人やで?」


「ビール飲んでるあほ羊は頭数に入らないわよ!話の半分も聞いてたらいいほうだわ」


「毎回キツイ言葉ばっかだなー。そんなんだと嫁の貰い手がいなくなるぞ」


「アタシは婿をとるからいいの!余計なお世話だわ」


「ならその婿にわいを・・・」


「アタシ水系統の魔族キライだから絶対ないわ。それと弱い男もイヤ」


クレイトンは冷めかけの紅茶を一気に流し込む。だが紅茶は、50gでも自領の民が一年暮らせる金額の代物であるから味わって飲むべきだったと思い出しガックリした。血税を無駄に・・・!


「こないなったらきたえなあかん!ほな、さいなら」


そういうと窓から飛び出てしばらくすると水に何かが落ちる音がした。大方城を囲む堀に飛び込んだ音である。


「それでアホ羊。あったのアレ?」


「探してたのと違った。でも次のは期待出来る」


「どこ?場所によっては私が行ってもいいけど」


興味がひかれたのか蛇特有のつり上がったまなじりをむけた。エリは、虫も殺さなそうな顔をさも愉快とばかりに歪める。


「ユルルガ連邦の忌々しい結界議事堂、クリスタル・パレス。俺ら(魔族)が現れたらどうなるかな・・・?」


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