秘密兵器ですよ
「ユーグうまくいったね!でもそれなぁに?」
ユーグの手には、黒く細長い箱から金属が二本出たものがあった。
「これはエレキテルを発生させる機械です。知り合いが小型化したサンプルを貰いました」
口では貰ったというが、実はヤーマをでる前に借金のかたに持っていったものである。
「うわぁ~、かっけー!貸して貸して」
「子どもには、危ない代物ですから駄目です」
ユーグは、機械を鞄に仕舞った。
この機械を食らわせただけで、大の大人が白目を向いて倒れるのだ。子どものクローブに何かあってからでは遅い。
「これから村長達に会いにいきますが一緒に来ますか?」
「行く!でもさ、ウィレームベッドの下に入れたまんまだけど大丈夫かな」
「死にやしませんからいいでしょう。気絶させた男達は、縛っておきましたし」
荷物を梱包する結び方にしたけどたぶん大丈夫だろう。
「それにしても村長さんはどこにいるんでしょうね。これだけ騒いでも来ないということは、家の中ではないと思いますが」
「ユーグ知らないの?こういうとき大ボスは大きな場所にいるんだよ。例えば‥‥広場とかね」
「それじゃ広場にいきましょうかね」
この村で何を隠そうとしているのか。知る権利くらい俺達にあるはずだろう。
街の広場らしき場所には、たくさんの人物が集まっていた。中心には、松明を持った村長夫妻がいる。
「イフラ達は、まだ戻らんのか。流石に遅すぎる」
「力自慢が行ったんすよ?負けやしません」
焦りの混じった村長の声に若い声が答える。
どうやら俺達の襲撃を失敗したことを知らないらしいので、状況の分は自分達に好都合だ。
「いくら待ってもイフラさん達は、こちらに来ませんよ。僕達の部屋で縄に縛られて寝てます」
俺達は、村長の目の前まで歩くと死人を見たような顔をして面白いように人がよける。
村長は、何を考えているのか黙ったままだ。
「ついでに申しますと気絶させたのは僕達です。ウィレーム様は、奥様の仕込んだ睡眠薬で相変わらず寝ております」
「うん!ぐっすり寝てたよ~」
どよどよっと人ごみが騒ぐ。
「なんであんたたち起きてるんだい?」
「そんなこと話すまでもありません。僕達を襲撃しようとした理由を、話していただけるのならお話します。さぁ、話しますか?話しませんか?」
"村長"と呼ぶ声がところどころから聞こえる。
「我々は、仕留める相手を間違えたようだ。話そう、プーカ村とエルフとドラゴンの話を‥‥‥」




