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 そして、運命のパーティー当日。





「あらあら、やっぱりいますわね~」


「いるねぇ。それにしても、これは大物が釣れたなぁ」


「まぁ、すごい事になっていますわよ。ほら、お兄様」


「すごいっていうか……いや、すごいけど」


 パーティー会場に入るなり、とある一部がものすごくざわついていた。そこでは《《まさか》》の対決が行われていて、注目の的になっていたのだ。



「あそこにいる人ってまさか……異国の第三皇女様では?」


 可愛らしいふわふわのピンクゴールドの髪を赤いリボンで飾り付け、くりくりとした海色の瞳を輝かせている小さな少女は、どう見ても異国の第三皇女だ。だってその少女を抱っこして威嚇した表情をしているのが異国の王その人だからである。確か、王子がやらかした例の事件のせいで未だにかなり怒っていると聞いたがそれがなぜここに?



「なんで異国の王族がこのパーティーにいるのでしょうか?それに、ライア姫の前に立ちふさがっているのはヒロインさんですよね……」


 同じくピンク髪ではあるが、なんとなく気後れしている感じのヒロインが口をへの字に曲げてライア姫を睨みつけていたのだ。しかも2人とも全く同じピンクのドレスでデザインも丸被りである。これでは単なる不敬どころか国際問題にもなりかねない。何か話しているようだけどさすがに内容までは聞こえなかったが……ライア姫本人は終始楽しそうにしているようだった。


 それにしても、このパーティーは表向きはこの国の貴族たちの交流パーティーのはずだ。さらに言えばボンク……いえ、王子の婚約者を探すのが目的のはずである。だからこそ国中の適齢期の貴族令嬢を集めているはずなのに、王子の婚約者だと偽りを広められて怒っている異国の姫と、公表はされていないものの王子を惑わした男爵令嬢として王家に目をつけられているヒロインさんが対峙している姿は不思議でしかない。なんでこのパーティーに参加できたのだろうか?



 というか、この組み合わせが凄すぎて会場の誰も私たちセノーデン一家に気付いていないようだった。まぁ、貴族たちが家族全員で来ているから参加人数もすごいことになっているし人混みに紛れてしまえばあまり目立たなくて済むかもしれないと少し安堵する。お守りがあるとはいえ、今日だけはアーシャが目立つわけにはいかないのだ。


 ────こんな状況でなければ、異国の魔道具について詳しいお話を聞いてみたい……なんて、思わなくもないのだけれど。


 とにかくアーシャを守らなければ、と。身を引き締めた。


 そして国王陛下と王子が姿を現し、パーティーが始まったのだが……。








「王子、妾と結婚してくださいませ」



 令嬢たちをかきわけ、異国の王に抱っこされたままの状態で王子の前に出てきたライア姫がにっこりと目を細めてそう言った。



 あの、異国の王様が死んだ魚のような目をしてますけど……ライア姫は本気なんですか?しかも王子は固まっちゃっているし……。


 まさかの逆プロポーズに、その場は騒然とするのだった。




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