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88話 オチ

謎のコーヒー通の騎士に捕まった。


「以前飲んだ事があるのだが。ブラックアイボリーに近い香りがする」

「あー、この豆買った村で象のやつも売ってたんで豆自体は一緒ですね。たぶん」

「なるほど・・・それで、ブラックアイボリーの在庫があったり・・・」

「しないですね」

「そうか・・・まぁ、あれは普通には流通しない程の高級品だからな」


そんなにだったのか。だったら飲んどけば良かったな。


「もし、また入手する事があれば私にも融通してくれないか?」

「あー、もう向こうに行く事は無いと思うんで」

「そうか・・・いや、これを貰えただけでもありがたい」

「あぁ、いえいえ」

「でも、本当に代金は要らないのか?」

「少量なんでいいですよ」

「すまないな」

「でも、もうお譲りは出来ないので」

「あい、わかった」


そして、コーヒー通の騎士は浮かれ気味に帰っていった。


「なんだ?何か絡まれたのか?」

「あ、いや、コーヒーが好きらしい」

「ふーん?」

「そっちは何だって?」

「数時間はここに滞在するらしい」

「ふむ」

「俺等はそろそろ出発した方が良いな」

「まだ余裕あるんだろ?」

「まぁ、そうだが。あんまり一緒に居て良い事は無いだろ」

「そういう意味か」


という訳でエレノア達の片付けを待ってから先に進む事になった。


「罠の傾向は分かったか?」

「「「「はい」」」」

「全部が全部って訳じゃないが。ダンジョン毎に罠の傾向はある」

「「「「はい」」」」

「難易度が上がれば、それをトラップに別の罠を仕掛けて来る事もあるが。この辺りなら滅多にない」

「「「「はい」」」」

「設置されてる場所とどんな罠を仕掛けて来るか傾向が分かったならペースを上げてけ」

「「「「はい」」」」

「但し、雑になって見落とす事は無いようにな」

「「「「はい」」」」


と、どこからどう見ても完全に部活の顧問と生徒達だ。


「完全に先生やってんな」

「なに言ってんだよ」

「エレノアって実際の所どうなんだ?」

「どう?」

「冒険者としてどんくらいの立ち位置だ?」

「バランスも良くて有望株って感じだな」

「ふむ」

「ただ、若い女だから過小評価されてるのは否めないな」

「あー」

「女だからこそ受けられる依頼もあるが。荒事には向かないと思われがちだからな」

「まぁ、そこはあるだろうな」

「冒険者には珍しくヒーラーまで居るパーティーだから」

「へー」

「本来はもっと評価されて然るべきだと思うんだがなぁ」


回復魔法自体がそこそこ希少なんだが。厄介な事に回復魔法を使える人材を教会が必死になって集めている。

怪我をしたらお布施を払って治して貰うかポーションで治すかの2択だが・・・良くも悪くも医療と宗教の相性は良すぎる。

錬金ギルド、薬師ギルド、教会。この辺りの利権を巡る争いは時に戦争にまで発展する程に根深い。


錬金ギルドは俺も一時期所属していたが主にポーションの作成といえば錬金ギルドになる。

小さな怪我から命に関わる大怪我まで対応出来るので生活に密着していてかなりの権力を有している。


薬師ギルドは比較的市井寄りで俺の感覚的に言うと町医者な立ち位置に居る存在だ。

怪我よりも病気を治す事に長けている。身近な分、市民からの信頼度は高い。


教会は元はどうだったかは知らないがいつの頃からか兵を持つようになり日本の戦国時代の寺社勢力のような存在になり。敵対した小国を滅ぼしその国を乗っ取り宗教国家を築き上げた。

1度行ったがあまり関わりたい相手ではなかった。


「ヒーラーって事は教会の?」

「いや、関係無いな」

「そうなのか」

「まぁ、声は掛かってんだろうけどな」

「だろうな」

「アイツらはド田舎のちっさい村の出身でな」

「ふむ」

「ガキの頃からの付き合いだから一緒に居る方が良いんだろうな」

「まぁ、そっちのが良いよ」


幼馴染なのか。ってか、その頃から知ってんのか?


「ってか、そんな昔から知ってんのか?」

「あー、依頼で一時期滞在してな。そん時からだな」

「ふーん」

「ちなみにな」

「うん?」

「前はもう1人居たんだ」

「へー」

「パーティー唯一の男でな」

「おー」

「そいつも同じ村のガキでな」


ハーレム感あるな。


「何を勘違いしたか全員を自分の女だと思ってたみたいでな」

「マジか」

「手を出そうとして殴られ」

「激しいな」

「それで懲りずにな?翌日、次のに手を出そうとして殴られ」

「凄いな」

「3人目に行こうとしたタイミングで追放されてた」

「そりゃ、そうなるか」


パーティーを追放された俺が頂点に上り詰めるまで。みたいなラノベになってそう。


「で、そいつはどうなったんだ?」

「あー・・・別のパーティーに入って騙されて死んだな」

「え?死ん・・・」

「おう、新人を使い潰してるって噂があるパーティーに入ってな」

「ふむ」

「囮に使われて死んだらしい」

「そのパーティーはどうなったんだ?」

「捕まったのも居るが逃げたのも居る」

「ふむ」



こんな世界だから現行犯じゃないと中々立証出来無いし1人でも捕まえられただけマシなのかもしれないな。

にしても、そんなオチが重い話を面白話のテンションで話し出すなよ・・・。


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