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63話 違う世界

ジョーさんとマーシーさんに子供が生まれていたのにはビックリした。

本当に時の流れを感じる・・・。


しばらくは大人しく寝ていてくれたが俺らの話が盛り上がり声が大きくなりだした辺りで目を覚ましぐずりだしてしまったのでマーシーさんが再び寝かしつけに寝室へと帰っていった。


「どうだ?やっぱ孫は可愛いか?」

「お前、そりゃ、あれだ。目に入れたら痛いな。でも、可愛い」

「しょーもな・・・」

「そういや、お前。これからどうすんだ?」

「んー、この街の情勢とかもあるだろ」

「住みたかったら住みゃ良いじゃねぇか」

「いや、ほら?商業ギルドとかどうなったんだ?」

「あー、強盗したアイツ。結局、クビになったぞ」

「へー」

「それから、あの・・・ピッコロ?」

「肌の色が緑色っぽいな・・・」

「ポーカロですよ。ジョッコさん」

「あぁ、ポーカロか。アイツもなんだかんだでクビになったな」

「ふーむ。その、なんだかんだが重要なんだけどな」

「詳しくは知らん」

「使えねぇなぁ」


そして、ジョーさんが教えてくれたが。

倉庫を空にしてしまい業務が滞った事、大赤字を出した事、平民上がりで元貴族達から目を付けられて居た事、数え上げればキリが無いが色んな理由から商業ギルドが出した負債を丸ごと背負わされ。

当然、支払い切れる金額ではないので借金奴隷に落とされたそうだ。


そして、ジョーさんはその事を俺に伝えてから寝かしつけを代わってくると言い寝室に向かった。


異世界ではまだまだ珍しいイクメンってやつだ。

育児(イクジ)をする(メンズ)でイクメン。

いや・・・お前の種なんだし、父親なら育児くらいしろよ。そんなわざわざイクメンなんて名前付ける必要あるか?

と、思ってしまうのは俺には嫁さんも子供が居ないからだろうか?


まぁ、こっちの世界は貴族なら乳母を雇う。ナースメイドとかウェットナースって呼ばれてたりする。

平民の場合は地域で子供や赤ん坊の面倒を見てたりする。

母親達でグループを作って持ち回り制で子供の面倒を見る。そうすると休みもちゃんと作れるし寝る時間もしっかり確保出来るという良いシステムがある。

だからこそ赤ん坊の面倒を見る男が少ない理由だったりもする。


「よし、バカ息子も居なくなった事だから。そろそろ飲ませてくれ」

「お前も孫の世話見ろよ」

「俺も見てるわ」

「そうなのか?」

「たまに」

「たまにじゃ意味ないだろ。ちゃんと風呂入れたりしろよ?」

「お前、子供居るのか?」

「居ない」

「なら、言われる筋合いはねぇ。とりあえず酒を出せ」

「まぁ、他人だからな。おっさんに飲ませる酒はねぇ」

「なんでだよっ」

「エーリッヒどうする?おっさんの前で飲むか、飲みに行くか。どっちにする?」

「流石にその拷問は鬼だろ」

「そうだ、思い出した」

「なんだ?酒の事か?」

「違うわ、警備隊の女がお前に言いたい事があるって言ってたぞ」

「あー・・・」


お腐り様か・・・。


「なんて?」

「失望した。お前だけは絶対に許さない。って、言ってた気がする」

「あぁ、ジャッコさんが思い出した理由が分かった」

「なに?」

「鬼と拷問。って単語だな」

「あぁ・・・俺的には嫌がらせって感じだったんだけどな」

「そんな可愛いもんじゃねぇだろ」


ってか、許さないって何だ・・・。

勝手に期待して、勝手に失望して。逆鱗に触れたのか許さないとか勝手が過ぎるだろ。


「で、あの女隊員さんは?」

「さぁ?最近は見かけないから転属にでもなったんじゃねぇか?」

「なら良かった。よし、エーリッヒ飲みに行こうぜ」

「おい、俺も連れてけ。んで、奢れっ」

「おっさんは寝とけ」


と、言って引き下がるタマでも無く・・・。

結局は3人で飲みに行く事になった。ジョーさんが寝室に下がったのもこれを見越しての事だろう。


そして、朝まで飲み。俺とエーリッヒは宿に戻って寝たがおっさんはそのまま仕事に行くと言っていた。

おっさんの体力よ・・・。


ちなみに、飲みの代金はエーリッヒが持ってくれた。

数年前の別れ際に、次に会った時はエーリッヒが奢るって約束をしていて律儀にそれを覚えていてくれたのだ。


そして、数年掛けてようやく明らかになったのが・・・おっさんが俺に紹介した宿の女将。

賄賂を受け取って俺の部屋の鍵を商業ギルドのバカに渡したあの女将だ。

何故、あの宿を紹介したのか。

それは、あの女将とおっさんの嫁さん・・・いや、元嫁さんが古い友人らしい。

その繋がりで紹介したらしい。


その話を聞いて心の底から今更どーーーーーでもいいと思ってしまった。



数年前、俺と敵対したやつはもうこの街に居ないっぽい。

なので、ここに定住しても良いのかもしれない。


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