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54話 ポートレート

おっさんの家に着くとマーシーさんが外で待っていてくれた。


「急にすいません」

「大丈夫なんですか?怪我とかは・・・」

「全然、無事ですよ。無傷です」


こう見えてそこそこ強いんですよ。魔王とかも倒せちゃうくらいに。


「おっさんが従業員さんの部屋に空きがあるって言ってて」

「はい、大丈夫です」

「良いんですか?」

「強盗に遭うなんて心細いでしょうし」


まぁ、そうでもないけど・・・。


「おっさんんが勝手に言ってるだけだと思って断られる前提だったんですけど」

「そんなっ。いつまででも居て貰って大丈夫ですよっ」

「ありがとうございます」

「まずは厩舎に馬を」

「そうですね、お願いします」


農耕に馬を使うようでここには厩舎がある。なので安心して預ける事が出来る。

農耕用の馬はかなり大きくて世紀末覇者でも乗せられそうな程に大きくてゴツい。

俺の馬はだいぶ細身でサラブレッドよりも小ぶりだ。

それだけ品種が違う訳だけど仲良くやれるか心配ではある。


厩舎に行くと農作業で出払っていて馬は1頭も居なかった。


「こりゃあ良い馬だなぁ」

「そうなんですか?」

「こんな良い馬。宿に預けてたら盗まれてもおかしくないぞ?」

「そんなになんですか?」


べた褒めされている馬の方を見ると口角を片方だけ上げてドヤ顔をしている様に見えた。


「調教とか特別な事は出来無いけど。世話だけすれば良いんだな?」

「はい、お願いします」


厩務員さんに馬を預けてからマーシーさんに社宅に案内して貰った。


「ここが社員寮です」

「おぉー」


石造りで4階建て。現代日本にあったとしたらレトロでオシャレなレンガ造りのアパートって感じだ。

まぁ、日本のはレンガ模様であって実際のレンガでは無いし、中には鉄筋が通っている。

それで、こちらはガチだ。そして、鉄筋では無く木造と石造りを合わせた作りになっている。


「確か2階に空きがあったはずなんですけど」

「あら?メリーちゃんどうしたの?」

「あ、トレイシーさん」

「その人は?」

「社員寮に空きありますよね?」

「うん」

「そこに今日から入って貰おうかと思ってるんですけど」

「新しい社員さん?」

「じゃないです」

「そうなの?」

「えっと、最近差し入れとかを良くしてくれてて」

「あー、差し入れさん?」

「ミトって言います」

「はいはい。トレイシーです。よろしくね」

「よろしくお願いします」

「えっと、ミトさんは大口の取引先でお世話になってる方なんですけど

「ふんふん」

「昨夜、宿で強盗に遭われて・・・」

「あら、そうなの?」

「それで、ここだったら人の目もあって安全だと思うので」

「任せときな」

「それから。トレイシーさんはここの寮母さんです」


トレイシーさんは恰幅も良く、肝っ玉母ちゃんといった雰囲気で。見た目からも面倒見の良さを感じさせた。


「そういや、なんだっけ?偉く美味しい氷菓子の差し入れがあったって聞いたんだけどね」

「アイスクリーム!すっごい美味しいですよっ」

「私は食べてないんだよねぇ」

「後で持って行かせて頂きますっ」

「そう?悪いわね」


アイス1個で待遇が良くなるなら安いもんだ。


「後は任せてしまっても良いですか?」

「うん、メリーちゃんも忙しいでしょ?」

「はい」

「こっちは任せて仕事に戻って良いよ」

「それじゃあ、お願いします」

「後でそっちにも差し入れ持って行きますね」

「はいっ。楽しみにしてますっ」

「それじゃあ、簡単に案内と寮のルールを説明するよ」

「はい」


寮の中を回りながらルールの説明を受けた。


1階には食堂やトイレ等の共用スペースがあり。食堂には常にトレイシーさんが作ってくれた日替わりスープが常備されているそうだ。

そのスープとパンはいつでも食べ放題。そして、夜はもう1品出るそうだ。


そして、2階に案内され。


「空いてるのはこの部屋だね」


予想では当分使われていなくてホコリが積もっているか、物置と化してるか。そのどちらかだと思ったが。


「このまま入れますね」

「先週、前の子が出てったばっかだからね」

「なるほど」

「3階までは自由に出入りして良いけど。4階は女の子しか居ないから4階に入ったらぶっ殺すからね」

「は、はい・・・」

「分からない事があったら私に聞けば良いからね」

「はい」

「習うより慣れろ。住んだら直ぐに慣れるよ」

「そうですね。ご迷惑お掛けする事もあるかと思いますがよろしくお願いします」


再び食堂に行きトレイシーさんにアイスクリームを振る舞った。


「こりゃ皆が騒ぐ訳だ。本当に美味しいね」

「毎日って訳にはいかないと思いますけど。たまには提供出来れなと思ってます」

「楽しみにしてるよ」



楽しい時間はここまで。

商業ギルドのポーカロが警備隊を引き連れて社員寮にやって来た。


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