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29話 あっ

デレクに連れて来られた冒険者ギルド併設の酒場だったが。

味は・・・まぁ、普通。


値の張るブランデーも頼んでみたが雑味も多くて美味しいとは言えない出来だった。


「それじゃあ、そろそろ次に行こうか」

「はい」

「次の予定・・・あるよね?」

「ありますっ。次こそはっ!」

「まぁ、期待しとく」


会計を済ませて冒険者ギルドを後にした。


「次はですね」

「うん。デレクってさ」

「はい」

「荒事は得意?」

「え?」

「苦手なら俺がやるけど」

「え??」

「このまま人気の無い方に行ける?」

「え?何が・・・?」

「絶対に振り向くなよ?」

「は、はい」

「後ろから付けられてる」

「えっ?」

「おい」


デレクは注意したにも関わらず振り向こうとしたので頭を鷲掴みして振り向くのを阻止した。


「振り向くなっつったろ」

「す、すみません・・・で、でも、何で付けて来てるのでしょうか?」

「羽振り良かったからじゃない?酒場で」


何をする気かは分からないけど。目的は金だろうな。


「だったらずっと人気のある所に居た方が安全なんじゃ・・・?」

「面倒じゃん・・・」

「で、でも・・・」

「今日逃げ切っても目を付けられた以上。明日からも付け回されると思う」

「・・・・・・」

「だから、今さっさとケリを着ける」

「わ、分かりました・・・そこを右に行くと人気も無くてちょっと開けた所に出ます」

「おーけー」


角を曲がり路地裏へと入る。

デレクにはそのまま進んで貰い。俺は尾行してきたバカを迎え撃つ。


「何か用か?」

「!?」

「バレバレの尾行だったから冒険者ランクも大した事無さそうだな。お前ら」


見た目は厳つい見るからに冒険者な3人とリーダーっぽい小綺麗にしているやつが後ろに控えている。


「ふんっ。酒場で羽振り良さそうだったじゃねぇか。俺等にもちょっと良い思いさせてくれねぇか?」

「何でお前らなんかに」

「めんどくせぇ!四の五の言わずに金出しゃーいいんだよっ」


と、剣を抜きやがった。


「痛い目見てから金奪われんのと、諦めてさっさと金出すのどっちにするよ?」

「お前らは金持ってんのか?」

「はぁ?」

「いや、持ってる訳無いか・・・面倒に巻き込まれ損確定か・・・」

「さっさと金出せって言ってんだよっ」


アイテムボックスから投げナイフを3本取り出して貧乏くさい3人の太もも目掛けて投げる。


「いでぇ」

「うぐっ」

「あぁっ」

「絡んで来たのはお前らで。先に抜いたのもお前らだからな」


さて、後は小綺麗なリーダーをしばいて小銭でも巻き上げようかと思ったら。

リーダーは子分3人を捨てて全力で逃げ出していた。


「えー・・・」


アイテムボックスから追加で投げナイフを取り出してこちらに背を向けて逃げていくリーダーの太もも目掛けて投げた。


「あっ・・・」


その直後、足がもつれたのか前につんのめった。


ドスッ───。


見事に後頭部と首の隙間に投げナイフが滑り込んだ。

そして、当たり前だがそのまま倒れ込んで2度と起き上がる事は無かった。


「やっちまった・・・」

「け、警備を呼んで来ますっ」


この場合どうなるんだ?

事故だし正当防衛だし無罪だよね?過剰防衛だとしても罪には問われないよね?


直ぐにデレクに案内され警備がやって来て・・・。


「説明頂けますか?」

「抵抗はされない方が良いですよ」


と、囲まれた。


「尾行されて、絡まれて、武器を抜いて、襲いかかって来た。それで、返り討ちにした」

「身分証の提示を」

「その前に、あいつら逃げようとしてるけど?」


太ももに投げナイフは刺さったままだが片足だけなので立ち上がる事は可能だし這ってでも逃げる気があればどうとでもなる。

1人はもうピクリとも動かないけど。


「動くな!動いた場合、敵対行為と見做す!」


諦めたのかうつ伏せになり両手を頭の後ろで組んだ。


そして、警備に抑え込まれ。手を腰の後ろで拘束され、片足で跳ねる様に連行されていった。


「過剰防衛の疑いの為、詰め所に連行させて貰う」

「はいはい・・・」


俺も後ろ手に縛られ詰め所に連行されたが道中は完全に晒し者だった。

詰め所に到着して刑事ドラマで見る様な取調室に通され尋問が始まった。


「名前は?」

「ミトです」

「所属は?」

「今は無所属です」

「身分証の提示を」

「さっき取り上げられたカバンに入ってるんですけど」

「これか?」

「はい」

「危険物は?」

「入ってなかったです」

「よし」


アイテムバッグ(偽)でアイテムボックスの偽装用の何の変哲もないカバンなのでタオル等の嵩張るけど軽い物を適当に詰めただけなので身分証なんて物は入っていない。

アイテムバッグ(偽)に手を突っ込みアイテムボックスからセバスチャンさんから貰った謎の金貨。徽章と言うらしい。を取り出した。


「これくらいしか身分証になる様なのは無いんですよね」


その瞬間、取調室に居た警備の2人から見事なユニゾンが聞こえた。



「申し訳ございませんでしたっ!!」


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