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28話 冒険者ギルド

来た事無いだろうと言う事で冒険者ギルドに併設された酒場に案内された。


まぁ?確かにぃ?この街のぉ?冒険者ギルドのぉ?酒場にはぁ?来た事はぁ?無かったけどぉ?

一時期は入り浸ってたし飽きる程飲み食いもした。


まぁ、でも・・・日本食もあるこの街だから冒険者ギルドの酒場も期待出来るのかもしれない。

今日の流れ的にやっぱり期待は出来無いけど。


冒険者ギルドに入ると、一斉に既に中に居た冒険者達からの視線が集中する。

同業か?依頼者か?厄介事か?金になるか?敵か?と、()めつける様にこちらを伺っている。


そんな視線は無視して席に着く。


「デレクは良く来るの?ここ」

「冒険者の友人が居るので。そいつと一緒に来る事はありますね」

「1人では?」

「来ないですね。宿で食べる方が安いんで」

「そうなの?」

「はい、割引がありますから」

「なるほど」

「それでは、飲まれますか?」

「んー、まだ昼だしやめとこうかな」

「注文は?」

「肉で何かオススメとスープとパンで」

「そっちは」

「えっと、同じので」

「あいよー」


ウエイトレスが注文を取りに来たが冒険者ギルドのウエイトレスらしく接客が雑だ。

そして、ちょっと色っぽい。


これが商業ギルドに併設された酒場なんかだとウエイトレスもキッチリカッチリした感じの事が多い。


「もしかして慣れてたりします?」

「まぁ、そりゃ?」

「そうなんですか?」

「元冒険者だし」

「えっ」

「聞いてない?」

「はい・・・カギノ様のお客様としか・・・」

「もしかして、お忍びで来てる貴族か何かだと思ってる?」

「違うんですかっ?」

「元冒険者で元商人で今無職のおっさん」

「ええっ」


まぁ、元貴族ではあるけど。これは流石に言う気は無い。


「あれじゃないの?俺を色んなトコに連れてって面白そうな事言ってたら後で報告しろ。とか」

「そ、そうです・・・」

「それが思いの外スベりまくってる。と」

「はい・・・」

「期待に応えられずすまんね」

「あの・・・」

「ん?」

「本当の所、何者なんですか?」

「んー、先代の遠い遠い遠い関係者?って感じかも?」

「先代の領主様のですか?」

「うん。友達のねーちゃんの友達の従兄弟の行ってた学校の先輩の同僚のお父さんくらいには遠い」

「うん、ほぼ関係無い人ですね」

「そうとも言う。でも、伯爵様がそのうっすーい縁を大事にして目を掛けてくれてるって感じ」

「なるほど・・・」


余計に俺への謎が深まったんだろうな。


「はい、お待ちー」

「はーい」

「これはサービスだよ」


と、2人の前に1杯ずつエールが置かれた。


「お?んじゃ、これチップね」

「やりぃ」


と、受け取った銅貨を指で上に弾き。クルクルと回りながら落ちて来た所をパシッとキャッチして軽やかな足取りで帰っていった。


「本当に慣れてるんですね」

「元冒険者だからね。見えない?」

「元商人の方はまだ信じれます」

「荒事苦手そう?」

「はい」


これでも魔王とか倒してるんだけどなぁ。


「と言うことは、本当に目新しくも何とも無かった訳ですか・・・」

「まぁ、そうだね。とりあえず」

「はい」

「かんぱーい」

「あ、乾杯」


飲みながら喋っていると頼んでいたメニューも届いた。


「注文は以上だね?エールのおかわりは?」

「それじゃあ、貰おうかな」

「そっちのは?」

「あ、それじゃあおかわり下さい」

「あいよー」


ウエイトレスの基本給は安いと聞く。

担当した卓の売上からマージンが入る方式で。いかに金払いの良い卓に付くかがキモだ。

チップなんかも重要な収入源だったりする。


ちなみに、こんな昼間から酒場で飲み食いしている冒険者の金払いは良くない。

安くて量のある食い物を求めて来ている低ランクの冒険者がほとんどだから。


偶に任務を終えた冒険者パーティーが打ち上げをする場合もあるが稀だ。

折角打ち上げをするなら旅の汗や汚れを落としてサッパリしてからやりたいと思うのが普通だと思う。

そして、夜の方がメニューも充実しているので懐の温かいパーティーならば昼と夜のどちらを選ぶかは明らかだ。


なのでこんな時間から冒険者ギルド併設の酒場で飲んでいる冒険者なんていうのは下の下だったりする。


「おまちどーさま」

「はーい」

「他に注文は?」

「んー、他に酒ある?もうちょっと良い酒とか」

「甘いのなら蜂蜜酒(ミード)。サッパリしてるのならトリアエズナマ」

「ふむ」

「払えるんだったらブランデーも出してやってもいいよ」

「あー、それじゃブランデーを1杯ずつ貰おうかな」

「えっ、私もですか?」

「あぁ、俺が出すから」

「マジで頼むのかい?」

「うん」

「見かけによらず羽振り良いねぇ。直ぐ持って来るよっ」



まぁ、余裕で払えるし。更に言えば、請求さえすれば伯爵様から金が返って来る。


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