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おっさんバックパッカーは異世界へ行っても自由気ままに旅をする。  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第11話 魔物との遭遇

「う~ん……やべっ、もう夜か! ……って、ずっと夜だったんだっけ」


 昨日は村の人たちと朝までとはいかなかったが、夜遅くまで飲んでいた。お土産に持ってきた酒だけは足りなかったので、酒を追加したくらい飲んでいたからな。まあ、お金はこういう時にぱあっと使うものである。


 そして借りていた家に戻って分厚いベッドの中でぐっすりと寝て今目が覚めた。窓の外がまだ暗かったから、寝すぎて日が暮れてしまったのかと思ったら、極夜だから日中でも暗かったのを思い出した。


「夕方までには出発しようと思っていたんだけれど、今が何時なのかまったくわからんな……」


 外は真っ暗で今が何時なのかまったく分からない。しかしこうも真っ暗だと時間感覚がおかしくなりそうだな。日がずっと当たらないというのも変な感覚だし、ここで生活をしていくのはいろいろと大変そうである。


 さて、ここでしか手に入らない酒や食材なんかもあるし、いつも通り買い物と情報収集を行うとしよう。




「ガクトさん、またぜひ来てくんろ!」


「ガクトおじちゃん、また来てね~!」


「ありがとうございました」


 セフォル村の人からの見送りを受けて村を出発する。


 たった一泊だけの滞在だったが楽しかったな。今日は思ったよりも早く準備が整ったこともあり、そのあとは村の子供たちの面倒をみていた。子供の面倒を見るのは得意というわけではないが、旅の話やこの世界のお伽話なんかをしてあげるととても喜んでいたぞ。


 大きな街から離れた場所だと、そういった話だけでも喜ばれるものだ。そして昨日のお酒と話のお礼にとお酒や食材をもらってしまった。こういった厚意を受けるとまた来たくなってしまう。


 瞬間転移スキルのおかげでまたすぐにこの村まで来られることだし、またお邪魔させてもらうとしよう。


「さすがにこの寒さだと木々は少ないみたいだな」


 一応木は生えているみたいだが、日も出ずにこれだけ寒いと葉はないらしい。


 この寒さに加えて吹雪とかだったら、さすがに日を改めるところだった。前世でも寒い国に行ったことはあるが、寒さを舐めたら本気で死ぬから注意が必要だ。今は瞬間転移スキルがあるけれど、寒さで意識を失ったり魔物に襲われることだけは気を付けて行こう。


 この村に来る時と同じでランタンは照らさずに警戒用の魔導具だけ用意をする。多少目は離れてきたけれど、それでも視界はあまり良くないので周囲を警戒しつつ進んでいく。




「丘の上まではもう少しか。しかし本当に寒いな……。そりゃここまでなんの生物も見かけなかったわけだよ」


 すでに数時間歩いて、丘の途中まで登ってきたが、これまで魔物どころか虫すらもみなかった。一応この辺りに魔物は存在するらしいが、数自体は少ないのだろう。


 超健康スキルのおかげでそこまで疲れていないとはいえ、寒いものは寒いのである。


 ビーッ、ビーッ!


「っ!?」


 なんて独り言を言っていたら、魔導具の警報が鳴った。瞬時に後ろを振り向きつつ、瞬間転移スキルを発動させた。


「さすがにびっくりしたな……」


 スキルを使って一気に山の麓まで転移してきた。ああいった場合はどんな状況でもスキルを発動させて退避することにしている。状況を確認してからでは遅い場合もあるからな。


 一旦落ち着きつつ状況を確認するが、特に問題はないようだ。念のために少し時間を空けてから、さっきの場所の少し手前に戻るつもりだ。戦闘能力が皆無な俺は危険な魔物や盗賊に遭遇したら、迂回して別の道を進むようにしている。


「またこの魔道具に助けられたな」


 転移をして魔物が周囲にいなくなったことにより、警告音が止まった魔導具を見る。腕輪型の金属製の魔道具は周囲5m内に一定以上大きな生物が入ってきた場合に反応する魔道具だ。


 どういう仕組みかはまったく分からないが、一人旅をする際に非常に重宝している。腕輪に魔石をはめ込む場所があり、使い切った魔石を電池のように入れ替えて使用できる。


 注意しなければならない点もあり、一定以上の大きさの魔物なので、小さな魔物が入っても警報音はならない。小さくても猛毒を持っている魔物や凶暴な魔物は存在するので、これがあるからといって安心しては駄目である。


「多分クマ型の魔物だったな。それにしても大きかった」


 転移する一瞬の間にほんの少しだけ視界に入った警報音の元凶は大きなクマのような魔物だった。暗いからはっきりとはわからなかったが、分厚い毛皮をして非常に大きな体躯をしていた。


 確か寒冷地で生活をしている動物は寒さを防ぐために分厚い毛皮や羽毛をしており、その毛皮の下には体温を逃さないために脂肪が蓄えられている。元の世界のホッキョクグマはそうとう強いらしいから、こっちの世界のクマ型の魔物が弱いわけはないだろう。本当に危ないところだった。




 しばらくしてから先ほどの場所から少し離れた所へ転移し、再び山頂を目指した。


 幸い先ほどの魔物に遭遇することなく、目的地であった山頂にたどり着くことができた。


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