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【完結】守法人〜白でも黒でも好きな様に変えてさしあげますわ! 私に差し出せるものがあるなら……ね?〜  作者: ルシトア


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不毛な争い(完) sideリアラスタ

「コル……。お前」

「私は、戦闘能力と事務処理能力、そして忠誠をリアラスタ様に捧げました。

 そして、リアラスタ様は、それと引き換えに私の願いを叶えてくれました。

 私の願いは、半獣が虐げられない国を作る事です。

 私にとっての悲願でしたので、この領主を任せられるのは光栄なのです。

 ですが……リアラスタ様に何かあれば何を置いてもリアラスタ様を優先します。

 私にとってリアラスタ様は、何よりも優先すべき麗しの姫様ですから」


 呆然とするダビッドの問いかけに、コルは恥ずかしげもなく淡々と説明する。


(ええっと、コルは半獣の人達の生活を安定させる為に領主に専念してもらうつもりだったのに、どうしてか、かなり懐かれてしまったのよね。

 麗しの姫様なんてそんな柄じゃないと言っているが、聞いてくれないので今は諦めた。ううん。やっぱり恥ずかしいからやめてほしい……)


「その様な事は、未来永劫に起こらないから、安心して領主に専念しろ」


 照れる私をよそに、ダビッドの低い声が響く。


 コルの意思表示に、ダルサスは語気を強めて怒りをあらわにした。

 ダルサスにとって、私に危機があるという事は、護衛騎士が役に立たないと言われているのも同じ事だ。それは腹も立つだろう。コルはダルサスに涼しい顔を向ける。


「この世に絶対という事はないですからね」

「俺に限ってそんなヘマはしない」

「泣きべそダルサスが? 

 同じ神殿騎士候補からリアラスタ様に守ってもらったのに」


 なんか変な方向に2人の話がヒートアップしてきている。

 もうそろそろ止めるべきかしら?


「なっ、泣いたのはあれ一度きりだ。

 しかもガキの頃の話だろう!! 

 コル!! お前、なんでその事知ってんだ!?

 お前が来る前の話だろう!!」

「神殿では有名な話だ。

 最上級騎士様の恥ずかしネタは鉄板だろ?」

「なんだって!? アイツら……!!

 そういうお前だって死にかけたガキだっただろ!!

 そんな奴が守れるか!!」

「あれは、栄養失調だっただけだ。

 瀕死と泣き虫を一緒にしてほしくないね」


 なんだか、不毛な口喧嘩になってきた。

 この2人が本気で戦闘すれば、この屋敷が粉砕されるだろう。だから口喧嘩くらいが可愛いものだ。

 好きなだけ言い合えばいい。仲裁するだけ損だ。


 私は不毛な2人の争いに背を向け、ダビッドに向き合った。


「貴方の強欲のせいで、風紀が乱れ、貴方の周りの方々も次々と獣人を虐げたのよ。

 このトラアナ地区に、半獣の子供達が、どれ程いるかご存知?」

「それは……」

「トラアナ地区は、正式にコルが領主になる3年後に半獣の国になります。

 コルは私に全てを差し出して、半獣が安心して暮らせる国を願い出てきたのですよ。

 貴方の尻拭いの為にね。

 ……先程は脅しましたけど、トラアナ地区の割譲は、フラル王もお認めになっているわ」

「そうか……良かった」


 フラル王国も、アゼアル地方と同じ様にトラアナ地区を負担に思っていたのだ。

 勿論、フラル王国からの3年間、補助金は上乗せして出してもらう事を条件にして、こちらに有利な割譲の契約をもぎ取った事はダビッドに話す必要はないだろう。


 ダビッドは、ようやく自分の立ち位置がわかったのだろう。

 売国奴ではない事に安堵し、子爵でも良いかと、落とし所を見つけた様だ。

 後ろで口論している2人の飛び火が、ダビッドに向けば、ダビッドはひとたまりもない。

 足早に屋敷から去っていった。


 ダビッドは勘違いしているが、子爵になっても、このまま安泰というわけではない。

 新しい爵位を受けた領主は、3ヶ月後、国より監査が入る。

 領主として的確かどうかの判断だ。

 さて、ダビッドは無事監査を終えるのであろうか?

 まぁ私の知ったこっちゃない話である。


 それよりも……。

 振り返ると、今もなお、不毛な争いをしている2人がいる。

 結局は、このままにしておく訳にはいかない。

 気は乗らないが、2人に声をかけた。


「ねぇ? もうそろそろやめにしない?

 トラアナ地区の今後を考えましょう」


 コルと一緒に入ってきた者達は、コルと同じ半獣の仲間である。

 トラアナ地区の今後を考える為に集まってくれているのに、巻き込まれたくないのか、ずっとこの不毛な口喧嘩にも、微動だにせず距離をとって端に並んでいる。

 この方達にも申し訳ないだろう?

 と案に示唆したつもりだったが、私が仲裁に入ったのは藪蛇だった。


「「リアラスタ様は、どちらが男として相応しいとお思いか!?」」

「えっ!?」


(いつのまにそんな話になったの??

 そんなこと言われても!?

 騎士としてなら、ダルサスだろうし。

 領主としてならコルだろう。

 けれど、何故?? 男として!?

 えっえっ!?)


 私の混乱をよそに2人は、鬼気迫る勢いで返事を待っている。

(なんと答えるのが正解なの!?)


 アタフタする私にヨールの念話が頭に入ってきた。


『モテモテだな。リアラスタ』

『ヨール!! 良いところに来たわ! 

 どう答えればいいのよ!』

『思うままに答えれば良い』

『思うままにって何!?』




 守法人〜白でも黒でも好きな様に変えてさしあげますわ! 私に差し出せるものがあるなら……ね?〜 (完)




恋愛初心者のリアラスタの返答は皆様のご想像にお任せするという事で!!

これで、完結となります。拝読いただきありがとうございます。

出来ましたら評価、ブックマーク等、何卒お願い致します。


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