第81話 救出作戦1
6台のトラックに乗った自衛隊員が一路N市へと向かっていた。本格的な駆除作戦は航空自衛隊により実施されるが、孤立した怪獣たちの駆除、生存者の救出など陸上自衛隊にもやることは山積みであった。N市には約80万が在住しており、その内の40万人が今回の進行に巻き込まれている可能性があった。
連絡がつかない避難所のことを考えると約20万人が救助を必要としていると考えられ、早急な対応が求められていた。隊員たちは小隊に分かれ、半分は避難民たちがいる避難所に急行、周囲の安全を確保する。そして残った半分は怪獣の進行ルートに沿って進み、被害を受けた避難所で救出活動を行うこととなっていた。
「今回の襲撃で10か所以上の避難所が重大な被害を受けている可能性が高い。ヘリコプターからの画像上、怪獣が10体以上避難所に侵入しているところもある。生存に関しては絶望的な場所もあるだろう。だが、まだ生き残っている住民がいる可能性はある。我々には彼らを助ける義務がある。非常に過酷な任務になることが予想される状況ではあるが、諸君、気を確かに持ち、任務を遂行してほしい。」出発前に隊長が言っていた言葉を隊員たちは思い出す。どのような凄惨な状況が待っているのかは予想がつかなかったが、彼らは強い決意と覚悟、そして恐れを心の中に持ち、現場への到着を待った。
現場に2台のトラックが到着する。残りの4台は先の場所に向かうために走り続けている。奇しくもその現場は由美が最初に避難していた学校だった。開け放たれた校門からは中で動く怪獣の姿が複数体見えている。その時点で絶望的な状況なのは間違いなかったが、隊員たちはトラックから降り、アサルトライフルを構えたまま校門へと突入する。
敷地内はまさに地獄であった。赤黒い血液の跡はグラウンドを一面染め上げ、本来の地面を見つける方が難しいくらいだった。そこら中に人だったものが散らばり、何人がここにいたのか判別するのは不可能な状態だった。血液は校舎や体育館の壁にもへばりついており、校舎の窓ガラスや玄関は無残にも破壊されているようだった。おそらく、中に逃げ込んだ人もいたのだろう。もしかしたら今でも生存しているかもしれない。だが、その前にやるべきことがあった。運動場を闊歩する怪獣。その数8体。まずは奴らを排除する必要があった。




