2話-うちの姉は人気者-
行き当たりばったりバター
『私はウィステリアです。憑き人様に付いていくソウルスピリットを見つけ出すのが役目となっております。』
アイビスとは違ってAIを感じさせるような丁寧な喋り方で深々とお辞儀するウィステリア
『あ、ご丁寧にどうも。』
『挨拶はこのくらいにして……どこで気付いたのでしょうか。是非とも今後の参考にしたく……』
ずずいと詰め寄ってくるウィステリアはAIのような感じではなく、イタズラが失敗した子供のように聞いてくる。
『いやぁ……雰囲気……?』
昔から人一倍気配や雰囲気を読むのが上手かったのもあって、アイビスさんより少し違うような…?みたいな感覚だったけど、ほんとに合ってるとは思わなかったな。
その回答を聞くとがくっと肩を落とすウィステリアさん
『先程の方と同じ理由なんて……そんなことって……!!』
…姉さんかな?
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『……こほんっ。とりあえず、ソウルスピリットとの縁結びはもう終わりましたのでこちらの扉から世界に行けますわ。』
ウィステリアさんに言われた方を見ると、
白い重厚感のある両扉から光が漏れ出ている。
天界の扉みたいな感じだなぁ。
『ありがとうございました。ウィステリアさんとはこれっきりなんですか?』
『わたくしですか?……では、こちらを。』
手を出すように言われ、出してみると藤の花のブローチを手渡される。
『それをしかるべき場所に飾っていただければ私に出会えるかと。貴方様なら見つけられるので大丈夫ですよ。』
綺麗だけど、装備するわけじゃないのか…
『ありがとうございます、見つけますね。』
『えぇ、その時はアイビスも是非に。』
軽く会釈をして、ゆっくりと扉を開けると……
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『……お、これが中央広場か。』
大きな石像と噴水に思わず目を奪われる
人が行き交い、パーティー募集や談笑なども聞こえる。
その中から聞き慣れた声が耳に届く
『待ち人がいるので。』
『君みたいな子を待たせる男なんてやめてさぁ……俺たちとパーティー組もうよ?君可愛いし歓迎しちゃうよ?』
『待ち人が居るので。』
熱烈なナンパを冷酷に一緒する三つ編みの彼女は……
『ごめん。待たせたかな。"ハニー"』
ずっと間に入り手を取って慣れた手つきで腰に手を回す
『んーん、待ってない。いこ。"ダーリン"』
それを気にもせずむしろ握り返し体を預けてくる彼女をナンパから連れ出して足早に去る
それを止める間もなく見送るナンパ達は悔しそうに背中を見つめて
『っち、彼氏居んのかよ…』
『かわいいから当たり前かぁー、しかし慣れてんねぇ、こりゃ相当だな。』
『三つ編み巨乳ロリがぁ……くそぉ…』
……と、文句を言うのであった。
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『……もうそろそろいいんじゃないかな、姉さん』
『ん。ありがとたたら。』
子供の時からかわいいのに"デカい"からモテる姉さんはよくナンパだったり
危ない人に連れてかれそうになっていたから自然と身についた甘々彼氏彼女術が早速役にたったな…
『ゲームだからリアルみたいに手を出してこないのが救いだね。
でもあんまり離れないようにね。姉さんはいつも通り、てぃあ?』
『うん。てぃあ。』
『OK、母さんは?』
『多分まだ見た目凝ってる……かも。』
多分ずっとアシストの人にリクエストしまくってんだろうなぁ…
『たたらはウルフ…で、私はうさぎ。』
ぴょこっと出た耳を見せつけながら報告してくる姉さん
『てぃあ、うさぎ好きだもんね。』
『うん。おいしい。』
『あ、そっちなんだ……』
食欲が強いなぁ…
『あっいたー!!たたらとてぃあ!!』
ゲーム内なのにぜーはーと息を切らしながら大量の荷物を持って
こちらに向かってくる狐耳の獣人……
『買い込んだね…たい焼きと、今川焼きと。カステラにシュークリーム…』
『……パクッ』
もう食べてるし…
『屋台があったからさぁ〜!へへへっ、沢山おたべ!あっちに公園あったからピクニックしよっか!』
そうして母さん……もといテトロと合流したのであった。
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『へえー、双子のNPCなんだ。こっちは天使と悪魔だったよ』
アイビスとウィステリアの話をしながらたい焼きを食べる
『何種類かあるのか。てぃあは?』
『……ん。いっしょ。』
『じゃあ、ウィステリアには気付いた?』
『うん。分かりやすい。』
自信満々にシュークリームを食べながら言う姉さん
やっぱり最初に見つけたのは姉さんだったんだな
『こっちはねぇ、天使ちゃんが可愛くて、一生懸命教えてくれてたんだよねぇ〜!
めっちゃお話聞いちゃった!悪魔くんはクールだけどちょっとおちゃめでねぇ〜……』
どうやら5つの質問をするのに命をくれって言われたらしく、即答であげるって言ったら超ビックリしてたらしい。
『そんなのよくOKするね……』
『だって〜、たたらに似ててかわいかったから!』
目を見ながらそう言われると少し照れるな…
『そしたら称号貰ったよぉー、ほら!』
すっと公開設定にして見せてくる下の欄には
【冗談が通じない者】
説明:ぼくびっくり!冗談だからね!
LUK+5
【聞き上手】
説明:えっとねあのね!助かったの!
住人好感度+10
ちゃんと効果もあるのか
凄いなあ
『てぃあのもある』
【全ておまかせ】
説明:せ、せめてお顔くらいは作ってくださーい!
LUK+5
【見破りし者】
説明:よく分かりましたね。
スキル【見破る】を取得
スキルも付いてくる事があるのは知らなかった…
というかアイビスを困らせるんじゃない。
『僕のは……一個多いな。』
【丁寧な対応】
説明:やりやすかったので助かりました!
住民好感度+10
【見破りし者】
説明:もっと精進します。
スキル【見破る】を取得
【再会】
説明:また会えるのを待っています。
クエスト【追憶の扉】をアンロック
追憶の扉…?これがブローチを置く場所なのかな。
『えー、なんかお揃いのスキルいいな〜!!』
私もほし〜!と駄々を捏ねる母さんを横目にスキル効果を詳しく見てみる
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スキル【見破る】
説明:隠されたものを暴き出す
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『…これだけ?』
『あんまりよくわかんないな』
質素な説明文に二人して首をかしげる。
まあそのうちわかるだろう。
『とりあえずおなかも満たされた気がするし!町の外で狩りでもしてみよー!』
そういって初心者の平原――ラビー平原へと試し切りに行くことになった。




