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母と子のVRMMO  作者: 宮
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1/2

1話ーゲーマーとして母としてー

初めて書いたんでお手柔らかにお願いします;

まだ蒸し暑い残暑が残る夏の日

こんな日になぜ外に出る理由があるのだろうかと

藤原日向(ふじはらひなた)は三人分のジュースとアイスを手に下げ思う


『あついなぁ……』


僕の姉…’’藤原瑞葉(ふじはらみずは)’’に

格ゲーで完膚なきまでに叩きのめされ、あげくに

『喉乾いたしアイス食べたい、買ってきて』

とこの暑い日に外に買い出しに行かされている。


大体コンビニなんて近いんだし自分で行けよ…

でもこの気温じゃ引きこもりの姉さんにはきびし

『遅かったね』

『うわっ!?』


まるで来るのがわかっていたような登場にびっくりする。

心臓に悪いからやめてほしい…


『そろそろ帰ってくると思って。』


そういって僕の手からコンビニの袋を奪い取るとささっと中に入っていく

こういう時だけ素早いんだからうちの姉さんは。

少しあきれながら玄関で靴を脱ごうとすると、一足見慣れた靴があることに気づいた


『あれ、もしかして母さん帰ってきてる?』

『うん、今日ソウルスピリットフロンティアのサービス開始だし。』


うちの母、‘’藤原緑子(ふじはらみどりこ)‘’は

重度のゲーマーで僕や瑞葉よりゲームを知ってる上に

大体は一緒にやりたがるので三人分のゲームを買ってくる。

多分今回もそうだろう。仕事を早めに切り上げて帰ってくるほどとは...


『母にアイスいまいるか聞いてくる。』

『わかった』


しばらくしてどたばたとあわただしくリビングに入ってくる

手にはVRソフトのパッケージ三つ。

この後に何を言われるのかは想像がつく


『今日の9時からだから!!!!』

『いつも通り強制なんだね』


もはや新作ゲームが出るたびいわれてるから慣れてきたな。

============================


『んで、今回のやつはどんな感じのやつなの?』

『よくぞ聞いてくれました日向!』

『はぁ…』


どうやら今回のVRMMOは

精霊の国で世界の謎を解き明かすと言うのが目的で

その過程でフィールドボスと戦ったり、レイドがあったり

それとは別に町とかに家を建てたり住人と仲良くしたり

釣りや畜産や農業もできる。


しかも一人一人に精霊がついてきて

高性能AIだから全員オリジナルの精霊が持てるらしい。


『なんといっても釣りでしょ!』

と釣りが大好きな母さんが興奮しながらPVを指さす。

目立つ場所ではないがしっかり畜産の隣で釣りをしている人が映っていた。


『いつもどおり。』

『毎回釣りしてるもんね。母さん』

リアルでの釣りは虫が苦手でできないのに

ゲームの釣りだけはすごい好きなのは謎だ。


『あ、もう9時になるけど』

『ほんとだ!んじゃ私最速ログインするから!!』

食べてたアイスを一口で食らうと

足早に階段を駆け上がっていく母さんに

(キーンってならないんだ)


……などと思いながら

自分たちも遅れないように

冷たいアイスを急いで食べる。


『…ん。当たった。』

地味に姉さんはアイスの当たり付き当ててるし…

============================


〈ソウルスピリットフロンティアを起動しますか?〉



はい<



〈起動準備完了!〉

〈チュートリアルナビAI選定中……アイビスを起動します。〉


『こんにちは!こちらはチュートリアルナビのアイビスです!』


『お、こんにちは。』


『はい!こんにちは!お名前をうかがってもよろしいですか?』


いつも通りの名前にしないと母さんたちと合流しづらいし

変える理由もないしな。

『たたらで』


『かしこまりました、職業一覧と種族一覧を表示しますね!』


ピピッと音がなってずらりと長いリストが目に入る。

多いとは思ってたけど…多すぎだろ!

目的の職業探すだけで30分とかかかっちゃうって...


『あー…アイビスさん、刀とか使える職業あります?』

『刀だと…侍、忍者ですかね。他の近接役職でも持てますけど、あんまり

メリットは薄いかと思われます!』


ふむふむ。忍術が気になるけど

侍の初期スキンかっこいいな。こっちにしよう

あとは種族だけど、こっちは特に悩むこともないかな。


『職業は侍で、種族はウルフの獣人にします』

『かしこまりました!では次は見た目になります。

こちらはリアルベースに少し調節ができる程度になっていますのでご了承ください!』


こっちは髪を白く、瞳を深い緑にして……と。

あとは(なぜか)姉さんにいつもつけろって言われてる泣きぼくろを足したら完成だ。


『おっけーですね!次はステータス振り分けです!初期は20ポイントあります。』


------

〈たたら〉 種族:ウルフ  Lv1


HP/100 MP/100

STR:10 VIT:10 DEF:10

INT:10 RES:10 DEX:20

AGI:20 LUK:10


頭装備/なし

体装備/初心者の袴

足装備/初心者の下駄

アクセサリー1/なし

アクセサリー2/なし

右手武器:初心の刀

左手武器:なし


称号欄

------

『...こんな感じかな。』

『できたみたいですね!では次はパートナー認定に行きましょうか!』


すっと横にずれた、アイビスの後ろにいつの間にかできていた木製の扉に気づく。


『この先には出会いの場がございます。

5個の質問に答えられるとあなたに合ったパートナーと契約することになるでしょう。』


アイビスはにこっと笑ってどうぞと進めてくる

5個の質問か...なに聞かれるんだろうか。


アイビスにありがとうと声をかけ会釈すると、

ゆっくりと扉を開く……


ふっ、と意識が覚醒する

白を基調としたイスとテーブルに、きれいに手入れがされたと感じる

庭が広がる場所。向かいにはアイビスが座っている。


『1,何の花がお好きですか?』


『スズランですかね。』


おばあちゃんの家で育っていたのをよく見ていたからなじみ深い花だ。

彼女は少しこちらを見てから、もう一度質問を投げかけてくる。


『2、クッキーはお好きですか?』

『まぁ…好きですね?』


そしてふっと、世界が暗くなり、彼女はこちらをじっと見つめる


『3,自分を大事にしてますか?』


すっと突然、見透かされたように感じた。

ぐっと言葉が詰まる感覚がしたが何とか言葉を絞り出す


『...できてない、かも、ですね。』


とくに何も言わず、次の質問を投げかけてくる。


『4,光と闇って一緒だと思いますか?』


少し考えて

『僕は、そう思いますよ。』


するとどうして?

とすぐに質問が返ってくる。


『…光がないと闇はないし、逆もしかりですからね。そんなもんじゃないですか。』


この回答でいいのかとすこしどきどきしながら

彼女を見つめ返すと、その少し後ろから

黒い小瓶に入った入れ物がこちらに浮遊してくる。


『お疲れさまでした。こちらがあなたのパートナーとなります。大切にしてあげてくださいね』


そうにっこりとほほえむ彼女に会釈しながら

パートナーにそっと触れる。


くるんっとまわり、目が合うような感覚がした後、

黒い小瓶がスズランのピアスに代わる。

そのまま耳にくっついて落ち着いてしまった。


『え、アクセサリー判定なの?』

周りをついてくるとかではないんだ…


『普通についてきてくれる子もいますが、その子はそこがいいみたいですね。お似合いですよ。』


なんだか不思議なパートナーだ…


『あ、そうだ。』

『はい。なんでしょうか?』


『名前、()()聞いてなかったんで。』


’’アイビス似の彼女’’にそう尋ねると

少しびっくりしたような顔でこちらを見てくる


『…気づいた方はあなたで二人目です。どうしてばれたんでしょう?』

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