第28話 桃矢の誓い!振り向かないと決めた夜!だまんごー。
「あ……。助かった……。ありがとう!」
高村桃矢は、後ろを振り向き、叫んだ。
桃矢は覚えている、マン盾のことも、そして、鍾乳洞で、マン盾の後ろで、力がないことに嘆いていたことも。
そして、桃矢の期待通り、そこには、フルプリに変身した高村まんごとドリア・ヌ・ロドリゲスがいた。
「ありがとう、まんご! ドリアちゃん! 助かったよっ!」
桃矢は、まんごの目を見て、もう一度叫んだ。
「ううん……、お兄ちゃん。間に合ってよかった……。」
まんごは、小さく首を振る。
「あ、あの、まんご……。ドリアちゃん……。その……、さっきは……。」
「いいよっ、お兄ちゃん! 無事でよかったよ」
「はい。桃矢お兄様が無事で何よりですわっ!」
まんごとドリアは、桃矢に向かって笑みを浮かべる。
「それよりも……。このカマキリをやっつけないとねっ! ドリアちゃん、行くよっ!」
まんごは、杖を構える。
「はい、でございますわ!」
ドリアも、まんごの横で杖を構えた。
「じゃあ、私が動きを止めるから、ドリアちゃんはとどめをお願いねっ!
元来荷物を縛るもの! 流行りは肉体縛るもの!
亀の甲羅は破廉恥に非ず! 破廉恥なるは人の心!
亀の頭も破廉恥に非ず! 破廉恥なるは人の頭!
心を縛る運命の赤い糸も、妖艶な!
自由を奪う赤い糸!
運命赤糸・亀甲縛り!)
まんごは、呪文を唱えた。
相手の動きを止める束縛の呪文を、まぺかちゃんから、教わっていたのだ。
巨大なカマキリの周りを赤い光が取り囲んだ。
そして、その光は縄のように細くなり、そのカマキリを縛り付けた。
亀甲縛りだ!
赤い縄によって、巨大なカマキリの手足の自由は奪われる。そして、その腹には、赤い縄によって亀甲が刻まれた。
「ではっ、行きますわよっ!」
赤い糸で動けなくなった巨大なカマキリの前で、ドリアが杖を構える。
「行きますわよっ! これが、『インシューD』のバリエーション!
堅牢な棘に身を固め、黄金よりも貴き果実!
麝香纏いし果物の王!
妾は其方。其方は妾。妾と其方は共にあり!
妾の行く手を阻む、愚かなる畜生を!
妾の力を持ち、消滅させん!
インフィニティ・シューティング・ドリアンッ! 10x10!」
ピカーーン
ババババババババババババババ
ちょうど百個の山吹色のトゲ状の光の玉が、ドリアの周りに浮かぶ。
「いきますわよっ!」
ドリアは杖を振り抜いた。
百個のトゲ状の光の玉が巨大なカマキリに向かって打ち出される。
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドド
百個の光のトゲは、10個をひとまとめして、10回に分けて、巨大なカマキリに当たり、小さな爆発を連続で起こしてゆく。
「貫けぇ〜〜!」
ドガーン
巨大なカマキリは大きな爆発と共に消し飛んだ。
「あら……。わたくしとしたことが、ついついとどめをさしてしまいましたでございますわぁ……。」
ドリアがペロリと舌を出した。
巨大なカマキリをムシクイーンカードに変えるのを忘れたのだ。
「お兄ちゃん、大丈夫だった?」
まんごは、桃矢の方に顔を向ける。
「うん……。ありがとう」
桃矢は、まんごの目をしっかりと見つめ、言葉を出した。
その目は涙で溢れていた。
――――――――――――――
その日の夕食の時。
「パパ、ママ! 俺、決めたんだ! 俺、性転換手術を受けて、女の子になる!」
桃矢は、言った。
その目は、まっすぐに父親である甜瓜の目を見ていた。
「俺は、もぅタネがないから……。その、あれだけど……。女の子になれば、できることがあるから。守りたいものを守れる力が欲しいんだ! 今は、これを使えないけど……。きっと、女の子になれば……。妹に守られるよりも、妹を守りたいんだ!」
桃矢は、『ピーチ・エース』をテーブルの上にコトリと置いた。
桃矢は、幼馴染の一触イク兎から女になれよと言われてから、気になって色々調べていた。そして、桃矢は、性転換の手術を受けることを悩んでいた。
そして、今日、女の子になることを決意したのだ。
妹であるまんごに助けられて、はっきりした。桃矢は、妹であるまんごよりも強くなりたいのだ。
『兄より優れた妹など存在しない』ことを証明したいというわけではない。ただ、妹であるまんごを、兄として自分の手で守る力が欲しいのだ。
「そうか……。わかった……。」
甜瓜は、食べている茶碗をテーブルにコトリと置き、そして、うん、と首を縦に振った。
――――――――――――――
甜瓜と綾子はリビングで、2人でテーブルに座っていた。
桃矢とまんごは、もう子供部屋で寝ている。
2人でお茶を飲みながら、大人な会話の真っ最中だ。
「俺が知らないうちに、子どもはちゃんと成長しているんだなぁ。桃矢も、お兄ちゃんとして思うところがあるんだろう……。」
「そうですよね〜」
甜瓜は、桃矢がテーブルの上に置いて行った『ピーチ・エース』を見つめる。
暖かいお茶が入った湯呑みを置き、大きく息を吐く。
「桃矢を一人で行かせるワケにはいかないからなぁ。俺も桃矢と一緒に行ってくるよ」
「そうですよね。桃矢にはまだ保護者が必要ですもんね」
綾子は、甜瓜の言葉に頷く。
「ああ、まぁ、そうだ。それに……、これもあるしなぁ……。」
甜瓜は、テーブルの横の戸棚から果物型変身装置の『メロン・ファイブ』を取り出し、それを握りしめた。
この『メロン・ファイブ』は甜瓜が子供の頃に母親の高村すももから貰ったものだ。
しかし、甜瓜も変身はできなかった。
今までずっと、お守り代わりに持っていただけだ。
「それで……さぁ、綾子。俺も桃矢と一緒に……な。そうしたら、自分の手で、自分たちの子供を守れるんだ。桃矢とまんごだけを危険に晒すわけには行かないんだよ」
「……。」
綾子は、甜瓜の言葉に黙って頷く。
甜瓜が言っていることは、綾子はちゃんと理解をした。
「その……。そうしたら、アレができなくなってしまうよね。ごめんね……。」
「うふふ。私は大丈夫よ……。私は、あなたがいてくれるだけでいいのよ。まぁ、ちょっと寂しいけどね……。」
「そうか。ありがとう。でもまぁ、もぅ子どもも2人いるしなぁ……。できなくなっても、な……。」
「うふふ〜。あなた……、3人よっ!」
綾子は、満面の笑みを浮かべながら、自分のお腹を指差した。
見た目ではまだわからないが、綾子は、3人目の子供を身ごもっていたのだ。
「そうかぁ! じゃあ、俺も、もっと頑張らないとな! 子ども達を自分の手で守れるようにならないとなっ!」
甜瓜も笑顔で頷いた。
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私、高村まんご。小学3年生。
マンゴスチン・ハートに出会って、魔法少女『フルプリマンゴスチン』に変身できるようになっちゃったの。魔法少女兼同人作家として活躍中だよっ!
今回は、同じく、魔法少女兼同人作家のドリア・ヌ・ロドリゲスちゃんも、一緒に、大活躍だったね〜。
『インシューD』のバリエーションも、かっこよかったでしょ?
魔力を無駄に散財していた『インシューD』に比べて、ちょうど100個のトゲに威力を集中させて、波状攻撃することで、効率的に相手にダメージを与えられるようになったんだよ!
すごいね〜
でね、
やっと、お兄ちゃんが前を向いたよ!
やったね〜。
えっ?
お兄ちゃん以外の人も一緒に前を向いてるって?
まぁ……、パパにも思うところがあるんだよ!
魔法少女を娘に持っちゃった父親の苦悩ってやつねっ!
た〜いへん。
でも、びっくりでしょ?
お兄ちゃんの性転換は予想できてた読者さんでも、さすがに、パパの性転換までは予想できなかったんじゃない?
えっ? 予想通り?
ってことは、それだけ読み込んでくれたってことだね。
私を、愛してくれて、ありがとう!
……って、なんか死ぬ時のセリフみたいになっちゃったね。テヘッ!
さて、次回は!
冬の祭典に向けて色々と準備するよ
忘れちゃいけないけど、私は魔法少女兼同人作家だからねっ!
同人活動も頑張らないといけないのよ〜。
印刷もして、製本もしないといけないもんね。
でも今回は、コピー本にするよ!
さすがにねぇ〜。
小学生なのに、デビューでオフセット本にするのもねぇ〜。
そして、コスプレの衣装合わせもしちゃうんだ。
コスプレ衣装には気合いを入れているからねっ!
もちろん、原作を忠実に再現しているからね〜。
どういうことって?
わからないなら、ポッチャリンを読み返してみるといいよ!
楽しみでしょ?
それじゃあ、バイバイ!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン
『第29話 守りきれっ!最後の砦!絆創膏!だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




