第26話 荒れ狂う桃矢!少年はその果てに何を見る?だまんごー。
『う〜〜〜わ〜〜〜。う〜〜わ〜〜、う〜わ〜〜
ユー ルーズ!』
巨乳の女戦士の服が弾け飛び、地面に倒れた。
高村桃矢が操作していた格闘ゲームキャラの『女戦士タレオッピ』だ。自重で垂れるくらいの大きなオパイが特徴的なキャラクターだ。
「クッソ〜!」
桃矢は、ボタンをカチカチカチと、連打する。
桃矢は、近所の古びたゲームセンターで、格闘ゲームをプレイ中だ。横には積みコインをしており、ガッツリと長居するつもりだ。
「お〜、桃矢! こんなところにいたのか? ちょっと探したぞ!」
声の主は、一触イク兎である。高村家の近所に住んでおり、桃矢とは小さい頃から、いつも一緒に遊んでいた。
「おぅ、イク兎か? お前、学校はどうしたんだ?」
桃矢は学校に行く元気がなかったので、最近は、家にいるかこのゲームセンターにいるかのどちらかだった。
しかし、本来なら学校がある時間である。桃矢は学校をサボっていたが、イク兎は学校に行っているはずだった。
「サボった」
イク兎は、へへっと笑う。
イク兎も学校をサボったようだ。
「え? 何でだよ?」
「お前に会い来たんだよ。だって、お前が最近学校に来ないからなぁ、面白くないんだよ」
イク兎はそう言いながら、桃矢の横の椅子に座る。
「そうか……。」
桃矢は、積んでいたコインの一番上から、コインを取り、投入口に入れた。
ジャリリン〜
すると、大きな音楽とともに、ゲームが始まる。
桃矢は、わざとらしく画面に集中する。
キャラクター選択を悩んでいる素振りを見せるが、桃矢が選ぶのは、『女戦士タレオッピ』一択である。
イク兎もそれを知っており、桃矢の仕草を、じっと眺める。
「で……、どうしたんだよ? 何かあったのか? 俺でよければ、相談に乗るぜ」
イク兎は、最近学校に来ない桃矢を心配して、学校をサボってまで会いに来たのだ。桃矢が学校に来ない理由を訊くことが第一の目的である。
「あ〜、うん。まぁ、お前とは付き合いが長いからなぁ〜」
桃矢とイク兎は親友である。桃矢も、あの事をイク兎には、いつか打ち明けようとは思っていた。
『ふぅ〜』と息を吐き、桃矢は、一連のことをイク兎に話し始める。顔を向けて話すのも嫌だったので、ゲームをプレイしながら、話した。
「……、そうか。大変だったな……。」
イク兎は、一連の話を聞いた後に、桃矢に言う。とりあえず出てきた率直な感想が、これだった。
「うん。だろ……。」
桃矢は小さく頷く。視線の先は、ゲームの画面である。
「……う〜ん、でも、俺はふと思ったんだけどな。男としての機能を失ったなら、女になれば良いんじゃね?」
イク兎は桃矢の目を、横から、じっと見る。
「は? 他人事だと思って、何適当なこと言ってんだよ!」
桃矢は、ゲームをプレイ中にもかかわらず、手を止め、イク兎の方に顔を向ける。
「お前が女の子になったら、なぁ〜」
イク兎はニヤリと笑みを浮かべながら桃矢の顔をまじまじと見る。
「おい、やめろ! おい……。俺を変な目で見るんじゃない……。」
「う〜ん、そうだなぁ。お前が女になったらさぁ、俺と付き合おうぜ! 俺がお前を守ってやるよ!」
イク兎は、任せろと言わんばかりに親指を立てる。
「おま……、何言ってんだよ!」
桃矢は、またしても手を止める。
ゲーム画面の中では、桃矢が操作している『女戦士タレオッピ』が、『紳士コナメル』に、必殺技の『馬乗りオラオラパンチ』を食らっていた。
『紳士コナメル』もまた、上半身はネクタイのみで、下半身には男性用ティーバック(赤)を穿いた紳士という特徴的なキャラクターである。
「おいおい、やられてるぞ〜」
イク兎はゲームの画面を指差す。
「お前が変なこと言うからだろ! それに、俺たちは、男同士だろ?」
桃矢は、すぐに、ゲーム画面に視線を戻す。
ポロッ
ボキッ
ビリリッ
『女戦士タレオッピ』の必殺技『オパイポロンポロン』をなんとか発動させ、『紳士コナメル』の男性用ティーバック(赤)を破壊し、相手を『不浄負け』にさせ、勝負を決めた。
(ユー ウィン!)
「でも、女になるんだろ? 心配すんな……。」
勝利の画面を横目に見ながらも、イク兎は桃矢に顔を近づけ、耳元で囁く。
「ちょっと待て、落ち着け、イク兎!」
桃矢は叫ぶ。
(ラウンド ツー ファイ!!)
ゲーム内では第2ラウンドが始まったが、桃矢は、それに集中できない。
「守ってやるって言われてもなぁ。俺は。俺は、弱いけど……。お前に守られるほど弱くはないぜ?」
桃矢は、『女戦士タレオッピ』を操作しつつも、近寄って来たイク兎の顔を、肩を使って遠ざける。
「そうか? じゃあ、なんで学校サボって、ゲーセンに入り浸ってるんだよ?」
「そ……、それは……。」
桃矢には、言い返せなかった。
「弱いから……、だろ?」
「……。」
図星だった。
桃矢は、無言で、ゲームをプレイする。
いつの間にか『女戦士タレオッピ』の体力ゲージは赤く点滅していた。集中ができないのだ。
「でも……、それが普通だよ。みんな弱いんだよ!」
「だけどよぉ……。」
桃矢は、納得できないと言った顔で、ふさぎ込む。
画面の中では、女戦士タレオッピが、紳士コナメルの猛攻撃を受ける。
デュクシ!!
デュクシ!!
デュクシ!!
『う〜〜〜わ〜〜〜。う〜〜わ〜〜、う〜わ〜〜。 ユー ルーズ!』
『女戦士タレオッピ』の服が弾け飛び、地面に倒れた。
桃矢は、ゲームに集中できなかった。そして、『紳士コナメル』に無残にも負けてしまった。
「まぁ、いいや! とりあえず、少なくとも俺がお前より強いってところを見せてやるぜ! さぁ、勝負しようぜ!」
イク兎は桃矢が積んでいたコインから、コインを一枚取り、投入口に入れた。
「おい、ちょっと、それ俺のお金!」
「まぁ、小さいことは気にすんな! ほれ、行くぞっ!」
イク兎は、『怪力熊クママルン』を選んだ。普通の熊のキャラクターだ。
――――――――――――――
桃矢とイク兎は、イク兎の家に移動した。そしてそこで、『種無し葡萄』を食べている。
偶然、イク兎の家の冷蔵庫に入っていた葡萄だ。
「うまいな、この葡萄」
桃矢が言う。漫画に視線をやりながら、葡萄を口に運んでいる。
桃矢とイク兎は最近では、イク兎の家で遊ぶことが多い。桃矢はまんごとの共同の子供部屋だから、一人部屋を持っているイク兎の部屋の方が遊ぶのに適しているのだ。
「この葡萄もさ、種無しなんだぜ……。でも、美味しいから、みんな食べる。つまりさ……、種が無くても、必要とされているってことだよ」
イク兎は、直径2センチメートルほどの大粒の『種無し葡萄』を意味ありげに見つめる。
「お……、おう」
桃矢は、突然よく分からないことを言い出したイク兎の言葉に、ただ相槌を打った。
「お前も、よく考えてみろよ。お前を必要だと思ってくれている人はいるんだよ。少なくとも、俺がいる……。」
「わ、わかった、ありがとう。でも、頼むから俺を変な目で見るなよ!」
桃矢は大きく息を吐き、視線を漫画に戻す。
「そうだな。まだ男だもんな……」
イク兎は、桃矢に意味深な視線を向けた。
「あぁ……。まだな。って、いや、待て! 俺は、女にはならないぜ!」
桃矢は、首を大きく振る。
2人は、なんだかんだ言い合いながら、葡萄を食べた。
落ち込んでいた桃矢だが、久しぶりに笑顔を見せた。小さい時から兄弟のように一緒に遊んできた友人の、男らし過ぎる優しさがもたらした笑顔だった。
次回に続く。
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私、高村まんご。小学3年生。
魔法少女『フルプリマンゴスチン』に変身できるようになったのよね。
そう、最近変身してないけどね。でも、大丈夫だからっ!
近いうちにちゃんと変身するからねっ! さっすが主人公ってところを見せてやるんだからねっ!
さ〜て、最近、私のお兄ちゃんが荒れてるのよね。
まぁ、気持ちはわかるよね。
でも、今回は、お兄ちゃんが登校拒否になって、ゲームセンターに入り浸るという無難な話になっちゃったのよね。
うん。原稿がボツになったのよ。
さすがに危険すぎたからね。
もともとは、『桃矢お兄ちゃんが毎日子供部屋に引きこもって、パパから借りパク状態のエロ本『ザ・巨乳〜Fカップいちのゆらぎ〜』を使って、シコシコと張り切り過ぎて、「毎日こんなことばっかりして、最低だ……、俺って……。」というセリフを吐く』という予定だったんだけどね。
さすがに……、ねぇ?
どこからどう見ても危険よね?
面白さを取るのも良いけど、バーンされたら元も子もないからねっ!
で、お兄ちゃんには無難にゲームセンターに入り浸ってもらってるわけよ。
あぁ〜無難。
面白さの欠けらも、危険の欠けらもないわね〜。
まぁ、とりあえず、桃矢お兄ちゃんが荒れてるんだ! ってことが伝わればいいのよ。うん。
で、突然現れた新キャラね……。
一触イク兎さんね。
桃矢お兄ちゃんといつも遊んでいるからね、私も面識はあるよ、もちろん!
え? 呼び方は?
『イク兎さん』って、さん付けで呼んでるけど……。
何か?
気のせい、気のせい。
表面ばかり気にしていると、本質を見抜けなくなるよっ!
テヘッ!
意味深でしょ? もちろん、布石だからね〜、えへへ。
え?
仕方ないなぁ〜、叫びたいんでしょ?
私がみんなの代わりに叫んでおいてあげるよ!
アッーーーーー!!!!!
どう、満足した?
さぁ、
次回は、荒れすぎたお兄ちゃんがもうちょっと荒れるという話だねっ!
でも大丈夫!
私のお兄ちゃんだもん。
いつかきっと立ち直ってくれるはずだから!
みんなも応援よろしこっ!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン
『第27話 立ちはだかる強敵!力の無さを嘆く瞬間!だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




