美熟女魔法剣士 ポッチャリン〜今日も旦那のために天婦羅を揚げるのです〜 作:高村まんご
「新築2ヶ月の家で天婦羅を揚げるとはなぁ〜! いいご身分だなぁ〜!」
『高村綾子』が天婦羅を揚げていると、家の外から大きな声が聞こえてきた。
綾子は29歳の会社員であり、3ヶ月前に結婚したばかりの新婚さんである。
綾子は2ヶ月前から住み始めた新築の一軒家で、夕飯の料理中だった。会社から帰ってくるなり、旦那のために『天婦羅』を揚げていたのだ。
もしかしたら裸エプロンは、コンプライアンス的にリスキーな可能性があるため、リスクヘッヂとして、一応おパンツは穿いている。
なので、裸エプロンではなく、『おパンツエプロン姿』で天婦羅を揚げているのだ。
ピンクのフリフリの可愛らしいエプロンに、今日の下着の色は純白! いつも安定の『ティーバック』だ!
綾子が『天婦羅』を揚げていると、家の外から大声がした。
大声の主は、『怪人』である。
かのマッドサイエンティストの『松戸博士』が作った怪人だ。
松戸博士は、ク○ウドファ○ン○ィングで集めた資金を元に、同じような趣味を持つ同胞のために『画期的な製品』を発明する発明家である。
今回は、天かすの再利用の啓蒙キャンペーンのマスコットゆる怪人として怪人を作ったのだ。
その名も『天かすマン』だ!
今、天かすマンが綾子の家に凸しに来たのは、啓蒙キャンペーンとは関係ない。松戸博士が先日綾子にやられた憂さを晴らすために、怪人を綾子の家に凸させたのだ。
もちろんこれは、松戸博士の個人的な命令であり、私的利用だ。
「お〜い、出てこいポッチャリン! お前に抱きついて油でテカテカにしてやる!」
天かすマンは、高村家の新居の前で、大声をあげている。
「新婚人妻に向かって、抱きついてやるだと? 破廉恥な! そんな怪人は、見過ごすわけにはいきません!」
引っ越して来たばかりの新居で、ご近所様の目も気になる綾子にとっては、怪人の大声も、その内容も、見逃すわけにはいかなかった。
綾子は、すぐにコンロの火を消し、ジャージに着替える。
正義のヒロインとして、おパンツエプロン姿で家の外に出るわけにはいかないのだ。
「この怪人め! 私がこらしめてやる!」
綾子は、玄関から勢いよく飛び出し、怪人に怒鳴りつける。
「おい、ちゃんと火は消したか? 火事になったら困るからよぉ〜」
天かすマンは、綾子に向かって言い放つ。
天婦羅の料理中の火事は多いのだ。
「あ〜、大丈夫よ、ちゃんと消したわよ!」
「そうか、なら大丈夫だ。かかってこい!」
天かすマンは、啓蒙キャンペーンのマスコットゆる怪人として色々な意味で『炎上』を避けたかったのだ。
「いいわよ! じゃあ、行くわよ!」
綾子は『魔法の美顔器』を構える。
「天が知る! 人が知る! なめこ汁! 反復横飛び三回半! 新婚旦那は三コスリ半! 今夜の夕飯 イカリング!」
シャララララア〜〜
「美熟女魔法剣士 ポッチャリン! ただいま参上!
旦那の代わりにお仕置きしたげる! (意味深)」
ポッチャリンは決めポーズをする。
右手を上げて、サムズアップだ。どことなくミシュ○ンの上品な香りが漂う。
ポッチャリンの衣装は、フラメンコのような真っ赤なドレスに、赤いマントを羽織っている。
ドレスのスカートはミニスカートである。ぽちゃっとした肉付きのいい太ももがスカートの下で存在を主張している。
「行くわよ!」
ポッチャリンは、天かすマンに飛びかかる。
「とぉう〜!」
「ぐはっ〜」
ポッチャリンのキックが天かすマンに当たった。
そして、その衝撃で天かすマンの体から、数粒の天かすが飛び散る。
「うわっ、ちょっと、天かすが飛び散るじゃないの! 道を汚したらお隣さんがうるさいのよ〜!」
ポッチャリンは、飛び散った天かすのことを心配する。
新居に引っ越してきたばかりで、ご近所付き合いが大切な時期に、道を天かすまみれにした日には、今後の円滑なご近所付き合いの妨げになるのだ。
ポッチャリンは、天かすマンに思うように攻撃が当てられなくなった……。
「ん? そして……、なんか臭うわね……。イカの匂い……?」
「そうだぜ! 俺様の、イカの天かすの匂いだぜ!」
天婦羅を揚げる時に出た天かすを集めて作られた怪人『天かすマン』は、色々な天かすが混ざっている。
その組成は、
イカの天婦羅から出た天かす 63%
エビの天婦羅から出た天かす 32%
その他 5%
である。
イカの天かすが大半を占めるため、天かすマンはイカ臭いのだ。
「イカ臭い天かすマンか……。おもしろいわねぇ〜」
ポッチャリンは、意味ありげにウンウンと頷く。
「くそぅ、バカにしやがって! こうなりゃ本気でやってやる! 俺の本当の恐ろしさを見せてやる! フォームチェンジだ!!」
天かすマンは怒りをあらわにする。そして、右手に『コイン』を構えた。
説明しよう!
天かすマンは、この『天かすマンコイン』をベルトのバックルにあるコイン投入口に投入することで、フォームチェンジができるのだ。
攻撃に特化した『イカ天かすフォーム』
防御に特化した『エビ天かすフォーム』
支援型の『舞茸天かすフォーム』
遠距離狙撃型の『蓮根天かすフォーム』
この4つのフォームにチェンジが可能だ。
「いくぞっ! 攻撃型フォーム! 天かすマンコイン! イ〜ン!」
天かすマンは、ベルトのバックルにあるコイン投入口に、天かすマンコインを投入した。
チャリ〜ン!
イカ! イカ! イカ〜!!
スクウィーード!! (ベルトのバックルから流れる効果音)
天かすマンは『イカ天かすフォーム』に、フォームチェンジした。
しかし、見た目はほとんど変わらない。
攻撃力とイカの匂いが2倍になっただけだ。
「はっはっは〜! くらえ! この攻撃力を思い知るがいい!」
天かすマンは、必殺武器『天かすマン刀』を構え、ポッチャリンに切りかかった。
「ええい!」
「ふん! 当たらなければ、どうと言うことはないわよ!」
ポッチャリンは、軽やかに天かすマンの攻撃を避けてゆく。
「くっ、くそう。当たれっ! 当たれっ!」
「無駄よ!」
天かすマンは、何度も、何度も刀を振るが、ポッチャリンはそれを軽やかに避けてゆく。
「今度は、こっちの番よ! 喰らえっ、ビガンキソード!」
ポッチャリンは、ビガンキソードを振りかざす。
「とぅ!」
カキーン
乾いた音とともに、『天かすマン刀』が天かすマンの手から飛んでゆく。
「くっ……。俺の武器が……。」
「さぁ、観念しなさい!」
武器を失い、為す術がなくなった天かすマンに、ポッチャリンは、剣を構えながら近付く。
「行くわよっ、必殺……。」
声をあげ、ポッチャリンが剣を構える。
「おっと、いいのか? ここでとどめを刺してしまって?」
天かすマンの言葉に、ポッチャリンは、振りかざした剣を、ピタリと止めた。
「何よ? それはどういう意味よ?」
剣を止めながら、ポッチャリンは、天かすマンに訊く。
「俺はまだ、3つのフォームチェンジを残している。そう、残りのフォームがどんなのか気にならないのか? と聞いているのだ……。」
天かすマンは、口元に、ニヤリと笑みを浮かべた。
今ここで、天かすマンを倒してしまえば、残りの3つのフォームを見る機会が永遠に失われてしまうのだ。
「私、気になります!!」
綾子は、声を高くして、可愛らしい声に寄せて、言った。
そして、剣を戻す。
「はははっ、だろうな! ならば見せてやろう! 防御型フォーム! 天かすマンコイン! イ〜〜ン!」
天かすマンは、ベルトのバックルにあるコイン投入口に、天かすマンコインを投入した。
チャリ〜ン!
エビ! エビ! エ〜ビ〜!!
シュ〜リン! プ〜〜ッ!! (ベルトのバックルから流れる効果音)
天かすマンは『エビ天かすフォーム』に、フォームチェンジした。
しかし、またしても見た目はほとんど変わらない。
防御力と体の赤みが2倍になっただけだ。
「はっはっは! これで、貴様の攻撃は一切効かない! 俺にフォームチェンジの機会を与えるなど、迂闊だったな!」
「なっ……。」
天かすマンは、両手で顔を覆い防御の姿勢をとった。
「はははっ! これで貴様の攻撃は一切通用しない!」
この天かすマンの鉄壁の防御の前には、ポッチャリンの攻撃は全て通用しないのだ!!
「ほら? どうした? 攻撃してこないのか? なぁ?」
天かすマンは、防御の姿勢を崩さずに、ポッチャリンを煽る。
「えぇ〜、だって〜、効かないんでしょ? やるだけ無駄じゃん?」
ポッチャリンは、攻撃せず。様子を見ている。
「おい、こないのかよぉ〜」
「そっちが来れば?」
ポッチャリンは、様子を見ている。
「え? だって……。防御フォームだし……。」
天かすマンは、防御を続けている。
ポッチャリンは、様子を見ている。
「……。」
「……。」
「はい! じゃあ〜、次ね! 次! 早くしてよ! 私も早く終わらして夕飯の支度をしないといけないのよ!」
ポッチャリンは大声をあげる。
「はっはっは〜っ! 仕方ない! それならば見せてやろう! 支援型フォーム! 天かすマンコイン! イ〜〜〜ン!」
天かすマンは、ベルトのバックルにあるコイン投入口に、天かすマンコインを投入した。
チャリ〜ン!
マイ! タケ! マイ! タケ!
オレノキノコッ!! (意味深!!) (ベルトのバックルから流れる効果音)
天かすマンは『舞茸天かすフォーム』に、フォームチェンジした。
しかし、またしても見た目はほとんど変わらない。
支援技の『舞茸の舞』が使えるようになっただけだ。
☆『舞茸の舞』:仲間の攻撃力、防御力、素早さを2倍にする。
「はっはっは! これで、俺の仲間は、攻撃力、防御力、素早さが2倍になるのだ! この俺にフォームチェンジを許すとは、迂闊だったな!」
天かすマンは自信に満ちた声で叫んだ。
天かすマンが『舞茸の舞』を踊れば、天かすマンの仲間の能力がぐ〜んと上がるのだ。それを使って集団で攻撃されたら、ポッチャリンといえども、大ピンチだ!!
ヒュ〜〜〜
その時、天かすマンとポッチャリンの間に、ヒューと風が吹いた。
「あ……。」
天かすマンは、あることに気がついた。
そう、天かすマンは一人だった。一人だと、あまり意味のない技だ……。
「あ……。あんた、友達いないの?」
ポッチャリンは、申し訳なさそうに訊く。
「う……。うん……。」
天かすマンは、しょんぼりしながら俯いた。
「あ……。そう……。」
ポッチャリンは、目を泳がせる。
いくら相手が怪人とはいえ、正義のヒロインとして、相手の心を傷つけることはしたくなかったのだ。
「あぁ! 次のフォームは何かなぁ〜! 最後のフォームが気になるなぁ〜! わぁ〜! 楽しみだなぁ〜! 早く見せてよっ! ねぇ! ねぇ! 早く! 早くぅ〜!」
ポッチャリンは、明るい声で、元気よく言う。
そう、天かすマンを元気づけるためだ。
「はははっ!! そこまで言うのならば見せてやろう! この俺の、遠距離狙撃型フォーム! 天かすマンコイン! イ〜〜〜〜〜ンヌ!」
天かすマンは、ベルトのバックルにあるコイン投入口に、天かすマンコインを投入した。
チャリ〜ン!
レン! コン! レン! コン!
アナダラ〜! ケ!! (ベルトのバックルから流れる効果音)
天かすマンは『蓮根天かすフォーム』に、フォームチェンジした。
しかし、またしても見た目はほとんど変わらない。
このフォームになれば、専用のライフル『天かすライフル TKS-072』が使用できるのだ。
「はっはっは。このライフルは、望遠距離が200メートルあり、範囲内の標的の脳天を天かすで打ち抜くことが可能なんだぜ! 当たれば、死ぬぜ! しかも200メートルの望遠だ。見えないとこから狙われれば、気づかないうちに、脳天が天かすで蓮根みたいに穴だらけになるのさ! 貴様の脳天もカッスカスにしてやるぜ!」
天かすマンは大声をあげて笑った。
「あら、そう……。これで、全部のフォームね?」
ポッチャリンは、ゆっくりと天かすマンに近づきながら、剣を構える。
「遠距離からの狙撃が得意なんでしょ? でも、私たち、すでにこの距離にいるのよ?」
ポッチャリンは言う。
「な、何だと……!」
天かすマンは大げさに驚いてみせる。
「じゃあ、もうそろそろ、とどめをさせてもらうよ!」
「ちょ、ちょっと待て。い、今、構えるから……。」
天かすマンは地面にライフルをセットし、地面に寝そべる。
ライフルを安定して固定できるところは地面しかないため、地面にライフルをセットし、寝ながら打つのだ。これが200メートルの狙撃を可能にする撃ち方だ!
「ごめんね。もう4つのフォームを見ちゃったし、満足したの。私、やすやすとやられるつもりはないから……。」
ポッチャリンは、ライフルの死角から、天かすマンに近づく。
「行くわよっ! ビガンキソード! 秘剣蕣火終刀!」
ポッチャリンは火属性の必殺魔法剣で、そこに寝そべっていた天かすマンを切った。
「ウギャアア〜」
天かすから作られた天かすマンは、大きな炎を上げて、燃え上がった。
「悲しいほどによく燃えるわ、さすが、天かすね……。」
ポッチャリンは、小さくつぶやき、変身を解いた。
「なんか、油ギトギトになったから、さっぱりしたものが食べたいわねぇ。今夜の天ぷらは『ゆず塩』でさっぱり頂こうかしらぁ〜」
夕飯は天婦羅だ。今更献立を変更はできない。綾子にできるのは、天つゆではなく、『ゆず塩』を準備することだけだった。
綾子は、天かすマンの残骸をきちんと片付ける。何よりもご近所付き合いが大切なのだ。
しかし一方で、綾子は、旦那が帰ってくるまでに急いで夕飯の支度をしなければならない。
綾子は、家に戻ると、大急ぎで服を脱ぎ、エプロンを着た。
急げ! 綾子! 旦那の帰宅は近い!!!
〜美熟女魔法剣士 ポッチャリン〜今日も旦那のために天婦羅を揚げるのです〜 第2話 完〜
===============================
ハロー、私、宮村まんご。高校2年生。
アイドル声優を目指して活躍中だよ〜。
今回は大作だったね。もぅ読むのに疲れたでしょ?
次回予告は、ちゃっちゃと終わらすわよ!
で? 何か?
天かすが怪人になったらいかんのですかい?
別にいいんじゃない?
何か問題でも?
フォームチェンジに『コイン』を使ったらいかんのですかい?
別にいいんじゃない?
何か問題でも?
大切なのは、白を切る勇気!
さぁ、ここでいきなり! 天かすク〜イズ!
ジャジャン!
『天かすマンの名声が天から地に落ちました。さて、何マンになったでしょう?』
簡単なひっかけ問題にひっかかっちゃあダメだよ!
まぁ、例えるなら、『いっぱい』の『い』を『お』に変えたらどうなるか?
って問題に似てるよね。
この問題を真っ赤な顔して答えたシャイボーイの君!
この正解は『おっぱお』
『おっぱお』だよ!
さて、ということで、天かすクイズの正解は、
『ちかすマン』だよ!
『てん』が『ち』に変わるんだよ!
『ちかすマン』だよ!
間違えて『ん』を残しちゃった君!
どんまい!
大丈夫! 君のことを言ってるんじゃないからね!! どんまい!!
さて、
次回なんだけどね、
高村桃矢君が荒れているのよねぇ〜。
気持ちは痛いほどわかるわ。辛いわよねぇ。
桃矢君はまだ小学5年生だもんねぇ……。
どれくらい荒れてるかって?
アーーーーー! れてるって表現できるくらい、アーーーーー! れてるよ。
楽しみだねぇ!
それじゃあ、バイバイ!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン
『第26話 荒れ狂う桃矢!少年はその果てに何を見る?だまんごー』
だよ!
絶対に読んでね!
マンゴー! カジュー! ハンドレッドパーセントー!




