198 カジノ
カジノは大金が動く場所、客層も貴族や商人など富裕層が多い
観光客は他の大陸から渡って来るだけあってお金を持っている
なので観光客も多い、むしろ観光客にお金を落としてもらうのが目的だ
そんなカジノに俺とベンケイさんはやって来た
しかし富裕層の客が多いため身形には気をつけなければいけない
かと言って厳しいドレスコードなどはない
でないと観光客が足を運ばなくなるからな
それでも最低限の身形は必要
不潔、不衛生はもっての他である
平民や冒険者でも身形を整えてそれなりにお金を持っていれば入場できる
冒険者はともかく平民の客は超少ないけどな、そんなのはレア平民だ
カジノの入場口の前で身形をチェックされる
別に関所みたいに厳しくない、変な恰好の奴がいたときだけ拒否られるだけだ
身形がよほど酷くなければなにも言わずに通してくれる
俺とベンケイさんは入場口に向かう
大丈夫だと思うがドキドキするな
俺はグレーのネクタイを付けた白ワイシャツに紺色のズボン
元の世界でも着ていたリーマンスタイルだ
ベンケイさんはふくらはぎあたりの長さの薄紫のロングスカート
少し広めのフリルの襟が付いた白ブラウスに茶色のブーツ
いつもと違ってお嬢様っぽいベンケイさん
こうしていると可愛い女の子だ
「似合ってるねベンケイさん」
「さんきゅー、今日はがっぽり稼ごうぜケンタ♪」
セリフはいつものベンケイさんだった
見た目と中身のギャップよ
俺たちはカジノの入場口で止められずそのまま入れた
よかった、リーマンスタイルでも大丈夫だったようだ
中に入るとたくさんの客で賑わっていた
「リアルで見ると壮観だな」
「そうだね」
天井は高く、広い空間に様々なゲームが配置されている
スロットやカードゲームやルーレット、それぞれの場所に客が散らばっている
プレイする者、眺めている者、客の様相も様々だ
「あのおっさん、負けたみたいだな、しょんぼりしてるぜ♪」
「しっ、そういうこと言わないのベンケイさん」
可愛い姿でもやっぱりベンケイさんだなあ
「まずは案内所でチップカードを借りないとな」
「うん」
俺たちはカジノ内にある案内所へ向かう
現実のカジノでは現金の代わりにチップを使って賭ける
でもこの世界ではチップカードという魔法道具を使用する
カードはテレホンカードサイズだ
案内所でチップカードに魔力を使って個人登録をする
これによりそのカードは登録者しか使用できなくなる
続いてカードにお金をチャージする
チャージしたお金の中から賭けていく
配当もカードに自動で加算されていく
カード残高がゼロになったら追加でチャージも可能
もちろんゼロじゃなくても追加できる
ようするにちょっと多機能なプリペイドカードってところだ
カジノから出るときはカードを返却する
このときに残高から手数料を引いた分を現金で渡される
手数料は一律1万円で残高不足の場合は現金払いだ
「ケンタ、いくらチャージした?」
「とりあえず100万円、ベンケイさんは?」
「同じく私も100万だ」
どうせボロ儲けできるからこのぐらいでいい
「チャージもしたし、稼がせてもらうとしますか」
「おう♪」
「ベンケイさんはどのゲームするんだ?」
「FPOでも稼がせてもらったスロットに行くぜ」
「そうか、俺も稼がせてもらったあのゲームにしよう」
「アレか、よしお互い楽しもうぜ♪」
「ああ」
ベンケイさんはスロットのある場所へ行った
俺もあのゲームの場所へ向かう
ルーレット台と同じような台がある
椅子は5脚あるので5人まで同時参加可能
ルーレットと同じように台には数字などが書かれたマットが敷いてある
ディーラーの前には少し広めのトレイが置かれている
そのトレイの上にはサイコロ、ダイスが一つ乗っていた
ゲームの名前はそのまんま「ダイス」
ゲーム内容もシンプル
ダイスの出目を予想して当てるだけ
奇数か偶数かを当てる「オッドオアイーブン」、配当は2倍
A枠(1・2)とB枠(3・4)とC枠(5・6)を当てる「スリースプリット」、配当は10倍
出目をぴったり当てる「パーフェクト」、配当は100倍
実際のカジノゲームで「大小」とかいうものがある
それに近いが「大小」はダイスを3個使う
こっちは1個だけで賭けるのも3種類のみなのでかなり違う
俺はさっそく席に着く、5脚ある内の真ん中の席だ
ちなみに他の席は誰も座っていない
大抵のゲームには眺めているギャラリーがいる
しかしこのゲームにはギャラリーがいない
カジノのゲームとしては地味過ぎて参加者もギャラリーも皆無なのだ
俺のようなマイナー好きしかやらないゲームだ
おかげで集中してプレイできるから助かる
まあカジノ側としては悩みどころだろうけど
「ご参加ありがとうございますお客様、ぜひ楽しんでいって下さいませ」
「ああ、楽しませてもらうよ」
ディーラーが声をかけてきたけど、この人ディーラーだよな?
短く黒に近い茶髪を少しオールバック気味にしている
服装がなんというか西部劇のシェリフのような恰好
というかシェリフバッジ付けてる
「えっと、ディーラーさんですよね?」
「はい、私はこのゲームのディーラーを任されています」
まあ深くは追究しないでおこう
「お客様、チップカードをセットして下さいませ」
チップカードを台にある差込口にセットする
「では賭け枠をお決め下さい」
FPOはゲーム、ここは現実、FPO時代のようにはいかないかも知れない
だけど負ける気はしない
まずは小手調べでオッドオアイーブンだ
「奇数に1万」
宣言すると丸いトークンが現れマット上の奇数枠に自動で置かれる
そしてチップカードから1万円が引き落とされる
「では振らせていただきます」
ディーラーがトレイの上のダイスを拾う、そして軽く振る
カジノとしてはとても地味だ、華やかさがまったくない
そしてダイスを振るだけなのですぐに結果も出る
だがそれがいい、シンプルで結果が早い方が俺は好きだ
「出目は、<3>、奇数です、おめでとうございますお客様」
「ありがとう♪」
チップカードに2万円が加算される
「続けますか?」
「もちろんだ」
さあ、この調子で稼いでいくぜ♪




