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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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171/180

171 意外な展開

動物型ガイド精霊マンモスと出会った

恐らく消滅した奴らの中に契約者がいたと思われる

パートナーが死んでこいつは野良精霊に戻るのだろう

俺たちの誰かと新たに契約するか保護してやるしかない


「なあ、契約者が」

「少しだけ待っておれ」


契約者がいなくなってどうするか聞こうと思ったら止められた


三匹のイノシカチョウがのそのそと逃げようとしている

マンモスは一匹の首をでかく長い鼻で捕まえて締め上げる

ゴキリと首を折られたイノシカチョウは絶命する

続けて残りの二匹の首も折って仕留めていった


「契約者がいなくてもこんなに強いんだな」

「いえ、契約者は生きていますよ」


「でも探索で消滅したってことは死んだんじゃ」

「あの中にはいなかったということです」

「なんでそんなのわかるんだよアンナ」


「名前です」

「名前?」


「名前は契約時に契約者が名付けるのは知っていますよね」

「ああ」


「契約者が死んだら野良精霊に戻って名前はリセットされます

 名前が残っているということは契約者は生きているということです」


そうだったのか、同じFPOプレイヤーが死んでいなくてホッとする

でも消滅した奴らのことは悲しくも思った


「お待たせした、これらはワシの晩飯なのでな」


イノシカチョウ三匹、これ全部食べるんだ


「腹の穴はお前の牙で刺したんだよな」

「うむ」


「この焼け跡はお前じゃないよな」

「うむ、ワシの友人の援護射撃じゃ」


友人? てっきり契約者や他の冒険者かと思ってた


「契約者はどこにいるんだ? それにその友人ってのも」


消滅した奴らが友人なのか?

それはそれで辛いだろう


「お兄さん、ヤバいのが来ます!」


アンナが焦り気味に崖の上を見る

すごく警戒して戦闘態勢をとっていた

ポチャたち他のガイド精霊たちも同じように警戒していた

マンモスだけは警戒していない


崖の上から飛び降りてきた


「いようラッキー、仕留めたようだな♪」


ズダンッ!


マンモスの横に着地する小さな身体

マンモスがでかいから余計に小さく見える


背丈はアンナと同じぐらいの少年

ガタイがよく、ちょっぴりジャイアン体型

少しつり目がちでギラついている

バトル系少年漫画のライバルキャラのようなタイプ


崖の上から無傷で着地しているところから強いのだろう

アンナたちガイド精霊が警戒しているということは・・・


「アンナ、もしかしてこいつ」

「はい、お察しのとおりですお兄さん」


少年がこっちを向いてニカッと笑う

なんか憎めないが俺も警戒する


「一位のアンナだよなお前」

「そうですが・・・」


「ということはあんたらがイレイを倒した奴らか♪」


こいつが何者かは確定だな


「おっと名乗りがまだだったな、わりぃわりぃ♪

 俺はコレク・ション、デリートシステム上位個体序列二位だ!」


やっぱ平原でフラグ立てちまったようだ、みんなごめん


「そこのマンモスさんはまだ契約者がいますよ

 野良ではないからデリート対象ではないでしょ」


「ん? ああ、それで警戒してんのかあんたら

 こいつが野良でもデリートとかしねえから警戒すんな

 そもそもこいつは俺と友達だぜ♪」


「「「「「はあ!?」」」」」


俺たちはコレクの言葉に驚く

デリートシステムとガイド精霊が友達?


どゆこと? とアンナを見る

アンナは首を横に振ってわからないと意思表示する


「マンモスさん、本当ですか?」


「うむ、先程言った友人が此奴じゃ

 焼け跡は此奴のダルマがつけた跡じゃ」


「俺のダルマはホーミングミサイル仕様だからな♪」


探索で複数の点が消滅したのはダルマが爆撃後に消えたからか

よかった、誰かが死んだわけではなかったんだ

というか本当になんなんだこの組み合わせは


「それで姿を現したということは私たちを殺しに来たのですか?」

「んなわけあるか、デリート対象でもない奴を襲うわけないだろ」


「でも私たちはあなたの仲間を倒しましたよ」


「言っとくが仇討ちなんかしねえからな俺たちは

 イレイはバカだからな、後先考えず動くんだよ

 野良狩りだってあいつだけだぜ楽しんでたのは

 俺とディスは野良狩りなんざ興味ねえんだよ」


「ディスって誰だ?」

「ああ、デリートシステム上位個体序列一位だよ兄ちゃん」


一位と二位はイレイとはなんか違うようだな

仲間意識は薄そうだし、各自で自由に動いているようだ


「でも不要と判断したものを排除するのがあなたたちでしょう?」


「ああそれな、ゲームんときならそうだったよ

 でももうここはゲームじゃない、俺たちはゲームシステムから解放された

 せっかくめんどくさい仕事をしなくてよくなったんだ

 俺たちもこの世界で自由に楽しく生きていけるようになった

 まあ色々禁則事項はあるが今は楽しく暮らしている

 だからあんたらが敵対しない限り俺たちも戦うつもりはねえよ」


なるほど一理ある

システムから解放されたのにゲームのときと同じことをする必要はないよな


「言っていることは理解しました

 ですがやはりまだ警戒は解けません」


「ま、そいつはしょうがねえよな

 だけどこっちは争うつもりはねえから、そっちも攻撃してくんなよ」


「もちろんです」


アンナは警戒しつつ臨戦態勢を解く


「待って下さい!」


アオイくんから待ったがかかった


「私とサスケはこの世界に来てすぐにダルマに襲われました

 あなたがダルマのボスなんでしょ!」


襲われたことのあるアオイくんとサスケにはコレクのことを信用できないよな


「そいつは勘弁してくれくノ一の姉ちゃん

 俺の指揮下にないダルマはシステムが生きている

 だからゲームのときと同じ行動をとるんだ

 回収して回っているけど世界は広い

 さすがに回収前のダルマのことは許してくれよ」


言っていることは筋が通っているからアオイくんも反論できない


「でもダルマの大将として謝るよ、悪かった」


頭を下げるコレク

さすがにここまでされたら文句は言えない


「わかりました、謝罪を受け取るでござる」


イレイのときと違う展開で俺たちはとまどっていた

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