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06 突然の別れ

 そんな、変わっていないようで、少しずつ何かが変わっていっていたある日。


「ごめん、ティーア。もうここには来られないかもしれない」


 ヴィリディスが寂しそうに呟いた。


「…………え?」


 ヴィリディスの言葉を、理解し(わかり)たくなくて、ティレーリアは首を傾げる。


「家、の事情で……多分、次からはもう来られないと思う」

「毎月じゃなくても……また……会えるのよね……?」


 泣きそうな顔でそう言ったティレーリアに、ヴィリディスはきゅっと唇を引き結んで、俯いた。


 その様子を呆然と眺めて――

 ティレーリアは、震える声で、確認する。


「もう………会えない、の……?」

「分からない……」


 会えない、とは言い切らずにぽつんと落とされた返事は、それでも充分にティレーリアを気遣っての物だろう。

 ティレーリアの瞳からぽろぽろと零れ落ちる涙を、ヴィリディスはそっと指で拭う。


「泣かないで、ティーア」

「だっ……て………」


 ついに顔を覆って俯いてしまったティレーリアを、ヴィリディスはそっと抱き寄せる。


「迎えに、行くから」


 小さな体を抱く腕に、きゅっと力を込めると、ティレーリアは濡れた瞳でヴィリディスを見上げる。


「約束、したよね。ティーアを僕のお嫁さんにするって。時間はかかるかもしれないけど。必ず、迎えに行く」

「……本当?」

「約束する」


 ティレーリアの涙をもう一度指で拭ってから、

 ヴィリディスはそぅっと、ティレーリアの唇に自分のそれを重ねる。


 触れるだけの口付けを、ティレーリアは瞳を閉じて受け入れた。


「だから、待ってて」


 離れていく唇に寂しさを覚えて、ティレーリアは少しだけ顔をヴィリディスに寄せる。


「うん――待ってる」


 ティレーリアの腕がヴィリディスの背中に回って、それが合図だったように、ヴィリディスはもう一度ティレーリアに唇を落とした。


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