03 新しい友達
ヴィリディスは森の向こうから来たのだと言った。
森の傍には他にもいくつか村があるらしく、時々森に入って迷った子供が別の村に辿り着く事があるのだと、いつか大人が言っているのを聞いた事があった。
だからティレーリアは、ヴィリディスも他の村から来たのだろうと思った。
「ヴィーの村は遠いの? ここに来るまでどれくらいかかった?」
湖畔に並んで座って、ティレーリアは花冠を編みながらそんな質問をしてみた。
ティレーリアがするすると編んでいく様を興味深そうに眺めながら、ヴィリディスが答える。
「少し遠いかな……でも、ここには時々来るよ」
「そうなの? わたし、今日初めてここを見つけたの。 ――じゃあここに来たら、またヴィーに会える?」
首を傾げたティレーリアに、ヴィリディスは少し考えた後に小さく頷いた。
「うん、多分、会えると思う。でもそんなにしょっちゅうは来ないから……」
「そっかぁ……」
残念そうにしょんぼりしたティレーリアに、ヴィリディスは暫く考えると、
「じゃあ、会う日を決めようか」
ヴィリディスの提案に、ティレーリアはパッと顔を輝かせる。
「そうね! そうすれば絶対会えるわね!」
少し遠いからそんなに頻繁には来られないというヴィリディスに合わせて、月に一回、十の日に、と決めた。
「でも、次も迷わずに来られるかしら……」
不安気に呟いたティレーリアにヴィリディスが首を傾げる。
「あぁ、そうか。ここには初めて来たんだっけ」
「うん……実は帰り道も少ししんぱ……あっ、何でもないわ!」
慌ててパタパタと手を振るティレーリアを、ヴィリディスは暫く見つめると、小さく頷く。
「そのリボン、貰っても良い?」
ティレーリアの髪で揺れている水色のリボンを指さしたヴィリディスに、ティレーリアは素直にリボンを渡すと、ヴィリディスはそのリボンに向かって小さく何かを呟く。
するとそれに応えるようにリボンがふわりと宙に舞って、キラキラと光を帯び始めた。
「わぁ! すごい、キレイ!!」
その光景にティレーリアがはしゃぐ。
そしてそのまま宙で数回くるくると回ると、リボンはパラリと四つに分かれてヴィリディスの手に落ちた。
「一つはティーアが持ってて。ここに来る時は必ず。あとの三つを木にでも括っておけば、それが目印になるから、絶対迷わない」




