第99話 それで結人は結城先輩に告白する決心はついたのか?
夏乃さんや真夜さんとも一緒に昼食を食べた後、俺達は再び図書館に戻って勉強会をしていた。だが、午前中とは違い午後に入ってからは全く身が入っていない。
その理由は言うまでもなく先程の真夜さんの発言をこれでもかというくらい引きずっているからだ。少なくとも兄貴が夏乃さんに好意を寄せていたことは知っているし、他にも思いを寄せている俺が顔も知らない誰は間違いなくいると思う。
「おい、結人。この問題はどうやって解けばいいんだよ?」
「……あっ、ごめん。そこは余弦定理を使えば解ける」
ボーっとしていた俺だったが健二に話しかけられて我に返ってそう説明した。だが、それを見ていた海斗がすぐに口を開く。
「いや、そこは余弦定理だと答えが出せないぞ」
「えっ……?」
「余弦定理は辺が二本分かってる時に使う公式だろ? でもこの問題で分かってる辺は一本しかないじゃん」
「……あっ、本当だ」
海斗から指摘されてようやく自分のミスに気付いた。普段なら問題分を読み間違えるようなミスは絶対にしないため、俺は自分自身で思っている以上に動揺しているのかもしれない。
翔は俺の説明に違和感を覚えていない様子だったし、健二は言うまでもないため、海斗がいてくれて本当に良かった。勉強会を再開してからかなり時間も経過していたため、一度休憩を挟むことにする。
健二と海斗がトイレに行って席を外したが、翔は座ったままスマホをいじっていた。ちょうど二人もいなくなったので前々から気になっていたことを聞いてみることにする。
「なあ、翔はどうやって彼女が出来たんだ?」
「急にどうしたんだよ?」
「何となく聞いてみたかったんだ、俺達の中で恋愛経験があるのは翔だけだし」
健二や海斗はその辺りの経験がないため、こういう話が出来そうなのは翔だけだった。実際に今も彼女持ちなのは翔だけだ。
「当然俺から告白してから付き合う話にはなったんだけど、実はかなり紆余曲折あったんだよな」
「紆余曲折?」
「ああ、ぶっちゃけ最初は全然興味がない子だったから」
「そんなイメージがなかったから意外だ」
プールナンパ事件の時もこの世の終わりのような表情を浮かべていたため、てっきり凄い好みの相手だと勝手に思い込んでいた。
「向こうからアプローチをされてだんだん意識をするようになったんだけど、その子自身も実はかなりモテるタイプでさ。俺に熱が入り始めた段階で逆に向こうは少しずつ冷め始めてたんだよ」
その話を聞いて俺は思わず自分の立場に当てはめてしまう。俺と夏乃さんの関係を考えるともちろん違う部分もあるが、その一方で似たような部分もあった。
「しかもその子を狙っているやつが他にもいることは知ってて、何もしなかったら気持ちがそっちに流れてもおかしくないような状況だったから今度は俺から猛アプローチして何とか付き合って貰えた感じだ」
翔の言葉を聞いて自分に向けられた好きという気持ちが今後もずっと続く確証は全くないという昼食の時に覚えた危機感は間違っていないと確信せざるを得ない。
「それで結人は結城先輩に告白する決心はついたのか?」
「えっ!?」
「だから俺に色々と聞いてきたんだろ?」
なるほど、どうやら翔は全てお見通しだったようだ。そういうところに気付けるから普通の男子よりもモテるのだろう。
「もし結人が今すぐに結城先輩に告白したら間違いなく成功すると思う、だけど一カ月後や半年後は正直分からない。少なくとも今よりも成功率は絶対に下がることだけは間違いない、だから結人もそろそろ腹をくくれ」
いい加減俺も勇気を出さなければならない。だから俺は今までの関係を終わらせて新たなステップに踏み出すために夏乃さんに告白することを決めた。
次はいよいよ第100話になりますが、次話では何かが起きます(予言)
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