AFTER2:帰省
「……はぁ……」
俺は今電車に乗っている。
元旦――
12月は過ぎ新年を迎えた。普通なら新年を迎える前に実家に帰るのものなのだろうが大晦日までバイトがぎっしり入っていた。
が、年始に3連休の休みをもらってしまった……
別にシフトをそういう風にしてもらったわけではない。
ただなぜか休みをもらってしまった…
そして今実家に帰る電車に乗っている。
「………」
見慣れた町並みが見えてきた。この町はどちらかというと田舎だ。田舎といっても田んぼがたくさんあるわけではないが大きな建物がない。
ビルやデパートなんかはあるわけがなく、服などを買いに行く時はよくこの電車に乗ったものだ……
『次は風見駅、風見駅』
着いたか……
………
……
…
「久々……といっても二週間ぶりだな」
駅にはあまり人が居なかった。
元旦なので電車に乗って実家などに帰る人も多いと思うのだが……
「はぁ……」
気が付くとまた溜息……
………
……
…
「ただいま……って誰もいないな」
母さんは元旦なのに仕事に行っているみたいだ。
今のご時世元旦から働いている人は少なくはないが…
「働き過ぎだろ……正月ぐらい休めよな」
母さんは働き過ぎだと思う。この前に倒れたのもそうだがもっと自分の体を気にしてほしい。
「…暇だし掃除でもするか」
………
……
…
「ただいま……あら?」
「おかえり。母さん。あけましておめでとう」
「あけましておめでとう…ってなんであんたがここいんの?」
「正月だから帰ってきたんだよ」
「そう」
「それにしても元旦から働くのはいいけど、ちゃんと休んでんのかよ?」
「倒れてからちゃんと体のこと考えながら仕事してるわよ」
「ならいいけどちゃんと体に気遣えよな」
「まぁ晩ご飯でも食べながら話しましょう」
そうして母さんは冷蔵庫から何かを出した。
「冷凍食品か…もっと栄養あるもん食えよ」
「しょうがないでしょ。あんたが急に帰って来たんだからこんなものしかないのよ」
「まあいいけど…」
母さんは冷凍食品をレンジに入れて、ソファに座った。
「見たところ部屋がきれいになってる気がするんだけど……」
「あぁ掃除した。あまりにも汚かったからな」
「そっ」
部屋を片付けたのに何にもなしかよ…
まぁ母さんはこういう人だからな。
「あと言っとくけど、お年玉せびらないでよ。まったく用意してないんだから」
「この歳にもなってお年玉なんてせびるわけないだろ。それに一応毎月仕送り貰ってるしわがままは言える身じゃない」
「でもほんとはもっとわがまま言っていいのよ。苦しいけどあんたには幸せになってほしいし」
「…ありがとうな」
そして母さんと何年ぶりかわからないが夕食を一緒に食べた。




