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白銀の天使  作者: Aki.
22/23

AFTER1:クリスマス

「………なんでお前達がここにいるんだ……」


「「「お邪魔してま〜す」」」


ため息がつきたくなった。


俺は冬休みに入ってから毎日コンビニのバイトに入っていた。

そして今日はクリスマス。

いつも通りバイトから帰って来るとなぜかこいつ達がいる。


「はぁ………どうやって入ったんだ?…」


「大家さんに言ったら簡単に開けてくれたよ♪」


訴えたら勝てるんじゃないか?うちのアパートの大家はどこか抜けてるところがあるのは知っている。

だがほんと泥棒だったらどうするつもりだったんだ……


「それに机に乗ってる料理はなんだ?」


「すごいだろ!!静と北川が作ったんだぜ!」


「『作ったんだぜ!』じゃない。俺は今からシャワー浴びて寝るんだ。布団敷くのに邪魔だからどけてくれ」


「おいおい待てよ。太陽」


「…?」


「今日は何の日だか知ってるか?」


「クリスマスだろ」


「そうだ……そしてクリスマスと言えば……」


「パーティーとでも言いたいのか?あいにく俺はそういうのに興味ないからな。明日も朝早くからバイトなんだ。パーティーなら別のとこでやってくれ」


「なんだよ!!ちょっとは『クリスマスパーティーの用意してくれたんだ!ありがとう』とか言えねぇのかよ」


「言えない」


「きゃー!誰か助けてー!」


いつも思うがこいつ(亮)はなんでいつもこんなにうるさいんだ……


「迷惑だったかな?」


雪乃が潤んだ目で訴えかけてきた。


……うっ……そんな目するなよ……


「……ごめんね。太陽くん」


「そんなことはない。うれしいよ雪乃」


「太陽てめぇ俺にはあんだけ悪口言っといて北川には甘くないか?」


「雪乃と亮だったら雪乃の方がかわいいからね」


「そういうことだ」


雨宮の言葉に同意。


「差別はんたーい!!」


「差別じゃない」


「…?」


「分別だ」


「俺はゴミかよ…」













………

……




結局は俺の家でクリスマスパーティーをすることになったのだが……


「トランプやろうぜ!」


何の変哲もない普通のセリフ。

このセリフに承諾してしまった過去の俺を絞め殺してやりたい……










「トランプやろうぜ!」


「いいね。何するの?」


「ここはやっぱババ抜きだろ」


「「賛成!」」


雪乃と雨宮が賛成意見のようだ。


「太陽どうする?」


「別に……」


「OK。参加な」


「………」


まぁどっちでもいいんだけど……


「まぁただやるのはおもしろくない……」


「……」


「そこでだ。一位の人がビリの奴に一つ命令できるってのはどうだ?」


「「賛成〜」」


「別に……」


「じゃあ決定な」


このとき最初はどうせショボい命令なんだと思っていた……









亮が手慣れた手つきでトランプを配っていった。

俺には最初13枚ほど持ち札があったが4つペアがあって現在五枚。ちなみにババはなかった。


「じゃあ俺から時計回りな」


亮がそういって左隣の雨宮のトランプを取る。


「おっ!?」


そういったものの揃わなかったようだ。


「南くん」


次は雨宮が俺のトランプを取る番だった。


「これかな?」


そう言って取ったのはハートのキングだった。

どうやらペアが揃ったみたいだ。


次は俺か……


そう思いながら雪乃の方を向く。

まぁ最初だし何取っても同じか…

そう思いながら取ったのが一番右のカードだ。







………!!


















JOKER……










いきなりかよ……







「〜♪」


雪乃が余裕そうな顔でこっちを見る。

クソッ……もっと真面目にカードを選べばよかった…









………

……




二週くらいやってついにゲームが動きだした。


「やった〜!!一番♪」


1抜けは雪乃のようだ。


「雪乃強いな」


「まぁね〜♪じゃあ今からゆったりと最下位の人への罰ゲームでも考えますか」


そう言った雪乃は笑うようにこっちを見る。

まだババは俺が持っている。このままでは負けてしまう……


「じゃあ俺が静のトランプ取るんだな」


亮が雨宮のトランプを取る。ペアは揃わなかったみたいだが亮はあと少しであがれる。


「次で終わらせるわ」


雨宮には今までにない気を感じた。

俺のカードはあと四枚…

雨宮のカードはラスト一枚……


雨宮は俺のカードを選びながら俺の顔色を伺っている。

俺はポーカーフェイスを装う。


「これね」

そう言い、選んだカードはJOKERでは……













なかった……




「あがり♪」


雨宮が2抜けしたことで俺と亮の一騎打ちなった。


亮が後二枚……

俺があと三枚………

勝てるか…


俺はとりあえず亮のカードを取る。

亮の持っているカードは俺からすれば絶対ペアが揃う。


そして亮の番が来た。


「太陽。この勝負勝たしてもらうぜ」


「…黙れ。早くカードを引け」


亮はカードを選びながら俺の顔色を伺う。

悪いがそんな揺さ振りは効かない……


「……」


「……」


沈黙が流れる……










「太陽……」


亮が口を開いた。


「…?」


「俺の勝ちだ」


そう言って亮が選んだカードは……



















JOKER……










ではなかった……










「よっしゃー!!勝った!」


「ちょっと待て。なんであんなに自信を持ってと勝利宣言できたんだ」


亮があのセリフを言った時の顔は自信満々だった。


「あぁ気付いてなかったのか?」


「…?」


「太陽お前JOKERじゃないカードを選ぶと、眉が一瞬『ピクッ』ってしてたぜ」


「……」


嘘だろ?ポーカーフェイスをしてたはずなのに……


「確かに南くん眉がピクッってなってた」


マジかよ……


「ってことで罰ゲームは太陽くんに決定だね♪」


「……」


「罰ゲーム考えたんだけどこれ着てもらおうかな♪」


そう言って持っているのはなにやら着ぐるみのようだった。


「その名もゴロネコスーツ♪」


「断る!!」


そんなもの着るのは俺のプライドが許さない…


「おいおい最初に言ったよな?」


「…亮?」


「一位の人がビリの奴に命令できるって…」


「こんなもの着るのは俺のプライドが……」


三人からドス黒いオーラが一瞬見えた気がした。


「「「一位の人がビリの奴に………」」」


「……」


断ることはできなさそうだ……
















………

……


「ぷっ……」


「おもしろいわね」


「太陽くん似合ってるよ♪」


「穴があったら入りたい…」


このゴロネコスーツ…

ネコミミまでついてやがった…

着けずに雪乃達に見せると…


「あれっ?ネコミミは?」

「あんなのこっぱずかしくて着けてられるか」


「「「一位の人がビリの奴に……」」」


そしてしぶしぶネコミミまで着けることになった。


恥ずかしすぎる……













………

……


あれから一時間ぐらいたってお開きかなと言う時に…


「ところで太陽」


「…なんだ?」


「正月実家に帰るのかよ?」


「さぁな」


「太陽くん…」


「どうした?」


「帰ってみたら?絶対喜ぶと思うよ」


「バイトのシフト次第だな」


そう言いつつも帰る気はあまりなかった。


「………」


「窓見て…」


「…?」


「雪…」


「……ほんとだ」


「今年はホワイトクリスマスね」


「そうだな…」


そして今年のクリスマスは終わった。

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