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白銀の天使  作者: Aki.
13/23

第13話:二日目の夜

「本当なのか? 亮」


俺たちは食事を終え、部屋に戻った。


「あぁ、あいつは男子の間で『誘魔』と呼ばれていて、かなりの数の女の子を誘惑しては捨ててるんだよ」


「でも、たまたま北川と講習の時に同じだったってことだってある…北川を誘惑しようだなんて考えはないかもしれないだろ?」


「…まぁ…な」


コンコン


「太陽、お前が出ろよ」


「はぁ…わかったよ」


扉を開けると北川と雨宮がいた。


「遊びに来ちゃった♪」


「亮どうする?」


「ちょっと待て! 部屋汚ねぇから掃除する!」


「…だとさ。ちょっと待ってくれ」


数分後


「汚いわね。ちゃんと掃除した?」


雨宮のするどい指摘。


「ちゃんとしたつもりだぜ?」


「まぁいいわ。ところで亮今日はどうしたの?」


「そうだよ。いつもの亮くんらしくないよ…」


「なんでもねぇよ。スキーのやり過ぎで疲れてたんだよ」


今、言える内容ではないな…


「…そう」


「そうだ! 今日で初心者コースのスキー講習終わりだから明日は一緒に回ろうね♪」


「あぁ」


コンコン


「…っち…誰だよ!! 太陽出てくれ」


「…はいはい」


ガチャ


「やぁ」


「…お前は」


そこには天草裕がいた…


「あっ、裕くんどうしたの?」


「遊びに来た♪」


「そうか……じゃあ、とりあえず入れよ」


「邪魔しちゃったかな?」


そう言って、天草裕は笑顔を見せた。


「別に!!」


「亮!!」


亮が大きな声を出したことで、その場の空気が固まってしまった…


「わ…私、ジュース買ってくるね!!」


その場の空気に耐えられなかった北川が明るい声を出した。


「僕も行くよ」


北川と天草裕がその場から離れた。




………


「亮どうしたのよ?」


「…別に」


「…亮」


「………」


「南くん教えて…」


「天草裕…あいつは『誘魔』と呼ばれてるらしい」


「ゆうま? 何それ?」


「女を魅了しては捨てていく…そんなやつらしい」


「だからと言ってなんで亮は……」


俺は亮の方を見る…


「…俺が言う。北川が心配なんだよ…好きだから…」

雨宮は驚きを隠せない顔をしていた。


「そう…でも大丈夫でしょ雪乃なら…」




………


北川が帰ってきた…


「天草裕は?」


「途中で帰っちゃった…ジュース買ってきたからみんなで飲も?」


それから俺達は消灯時間まで明日の話をした…

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