ヘルメスがお送りするテュポーン騒動ダイジェストまとめ
生成AIで作成した挿絵があります。
「こんにちはー。『オリンポスちゃんねる~From Chaos to Cosmos~』のMC、いつも陽気な苦労人ヘルメスでーす。本日はなんと! コラボ企画として! 『高天原チャンネル~天岩戸を開けて~』から素敵なゲストにお越しいただきました! こちらのお二人です。アメノウズメさん、スセリヒメさん、どうぞよろしくお願いしまーす」
「どうもー。初めましての方もそうでない方もよろしくお願いします。アメノウズメです」
「スセリです。よろしくお願いします」
画面右には羽根の付いた帽子をかぶった青年のアバターが、左には小粋な夜会巻きの和風美人と大きなビジューのヘアアクセサリーを着けた美少女のアバターが表示されている。
背景はドーリア風の白い石柱と、ゆっくり流れる白い雲。
「今回のテーマは『テュポーン騒動』ということで。いやー大変でしたねー(軽い口調)」
「なんですか、その棒読み口調は。本当に大変だったんですから、私ら。ねー、スセリちゃん」
「そうですね。私は応援だけでしたけど、うちの父とかは直に肉弾戦やってましたし。ウズメ姐さんも大変でしたよね。短時間で準備して、音頭とって」
「そうそう、腰の重たい連中ばっかでさあ。災害が通り過ぎるまで姿勢低くして隠れてればいいって、そんなわけないっつーの。神は舐められたらおしまいよ。やる時はやる、これよ。話しかけても返事しないやつには口を切り裂いてやるくらいしないと。私は過去にそれ実行したからね、ナマコに」
「ナマコに……?」
「ナマコは元々話しかけても返事しない生き物だと思いますが……まあとにかく日本の皆さんは大変でした! 俺ら外国勢は動こうにも動けず、指をくわえてみているしか……くくく(泣き真似)」
「動いてくれた人もいましたけどー?」
「(ごまかすように)それでは最初からの流れを振り返ってみましょう!」
画面上部に巨大な怪物が日本の首都を破壊する情景が映し出された。
「白昼堂々、テュポーンは日本の新宿に姿を現しました! これについては運び屋として利用された人から具体的な証言が取れています」
「パンドラちゃんですね。根は悪い子じゃないと思います」
「そうですよねー。彼女の製作時には俺も関わってまして、性格設定とかほとんど俺がやったんで、自分の作品っていうか、我が子のような存在っていうか。まあとにかく思い入れがあるんですよ。パンドラ可愛い、父親目線で!」
「しょせん下っ端なんだろうし、捕獲した功績もあるから、彼女に厳罰は求めませんけどね。どうなるかは上の話し合い次第かな」
「今、ヘラ様と天照様が協議中なんだっけ。パンドラ大丈夫かなあ。エピメテウスの首ならいくらでも差し出すんだけどなあ」
「ひどい(笑)」
「いいんですよ、エピメテウスだから」
「エピメテウスさんの扱いが軽い」
「そういえばあいつ、倒れた後どうなったの?」
「大丈夫。日本の救護班がちゃんと手当してます」
「ウムギヒメとキサガイヒメね。彼女たちに任せれば安心ですよ。死んだ大国主を二度生き返らせた実績ありますから」
「おー、死者蘇生ができる治癒術。興味深いっす」
医療魔法について暫し脱線する。
「ヘルメスさん、医薬にも意外と造詣が深いんですね」
「(ちょっと得意げに)ま、無関係というわけでもないし? こう見えても俺の持つ杖は医学の象徴として使われてたりするし?」
「杖だけでしょ。医薬の神は確かアスクレピオス……」
「(強引に)話を戻しましょう! 東京都内を更地に変えた後、テュポーンは進路を変えました。こんな感じ」
ヘルメスがフリップを出す。
そこには地図と矢印などが描かれている。
「関東地方を気まぐれに一周してから、突然、何かに狙いを定めたかのように一方向に進み始めたんですよね。そして向かったのが新潟県……二人ともどうしたの、変な顔して」
「いえ、その地図……おかしくないですか?」
「地名が間違ってますよ。それに矢印の位置もなんか変だし。ここじゃないですよね、決戦の舞台は」
「えっ、そう? 間違ってる? おかしいなー、ちゃんと調べたんだけどなー」
「ウズメ姐さん、ヘルメスさん日本地理に疎いのでは……外国の神様ですし」
「言ってくれれば私らで用意したのに、日本地図」
「……ま、いっか。これはじゃあなかったことに」
そそくさとフリップを仕舞うヘルメス。
「テュポーンが踏み荒らした日本の大地と異界にすっ飛ばされた人間たちについて、今は高天原とオリンポス共同で復旧とか捜索とかやってるらしいです。といってもまあ神々がやれることなんてたかがしれてますんで。人間がんばれ」
「投げやりですね」
「実際、復旧は人間たちが頑張るしかないのよ、スセリちゃん。異界の捜索は仏法守護神がいち早く動いてますし、狐や河童も手伝ってくれてます。そのうち続々と帰還し始めるんじゃないでしょうか」
「おお、勤勉。オリンポスはまだろくに動いてないのに。(笑)今回は日本の神々とその眷属の底力を見せつけられた気がしますねー。そして何といっても決戦の舞台、新潟。あれは凄かった! 苦戦するティターン兄弟の前に表れた強力な助っ人がこのお方!」
画面中央に一枚の写真が表示される。
途端にはしゃぐスセリヒメ。
「わー、お父さんかっこいい! でもこの写真ちょっと写りが悪いかも。実物はもっと美形なんですよ」
「いや、これ写りがいいと思うわよ。実物はもっと男臭……」
「もっと美形なんですよ!」
「いや、あいつは根っからアホなおっさ……」
「美形なんですよ!」
「なんだろう、この反応、すっごい既視感ある。どこかで見た気がするな~、こういうの。具体的に七人くらい知ってる気がするわ俺」
「テュポーンを倒したMVPはうちの父だと言っても過言ではないですよね!」
「いや、MVPはうちのパンドラでしょう。箱に閉じ込めたんだから」
「でもテュポーンに有効打を与えたのはうちの父ですよね!」
「そこは認めよう。うちのティターン兄弟が不甲斐なくて申し訳ない。しかしパンドラはがんばったよ? トドメ刺したのはあの子だよ?」
「箱を掲げて入りなさい、ってやったところで映像が切れたらしいですね。視聴者の皆さんにお伝えしときますね。安心してください、テュポーンはきっちり箱詰めされました」
「テュポーンの箱詰め、今どうなってるんですか?」
「トップ会談の席上に置かれて、今後どうするかの検討材料の一つになってる。特級呪物という見方もあるけど、勝利のシンボルでもあるから。うまいこと処置できればメデューサの首みたいに敵を威圧するのに使えるかも」
「盾に小さなテュポーンが貼り付いていたら……嫌ですね(笑)」
「そんな盾は俺も嫌だ(笑)」
「私も嫌です(笑)」
「最後はうちのパンドラのイメージ映像で美しく終わりましょう。箱を掲げてテュポーンに立ち向かうパンドラの健気で勇敢で可憐な姿を描いたイメージイラストです」
画面中央に美少女の幻想的な映像が映し出される。
「……縮尺おかしくないですか? 銀色の巨人さんの手はもっと大きかったような」
「エピメテウスさんから血が出てないのもおかしい。どてっぱらに大穴開いてたはずですが?」
「パンドラが美しければ付属物はどうでもいい。うちの子、美人、可愛い、パンドラ最高!」
※
「なにが『パンドラ最高』よ。箱持って座ってるだけじゃないの。バカバカしい、どこが可憐よ。つまらない。全然面白くないわ。もっとこう、飛び散る血しぶきとか、愛し合う二人とかにスポット当てなさいよ。ドラマ性が足りないのよ」
画面を見ながら文句たらたらのリパラー。
画面ではヘルメスたちがテンション高くしゃべっている。
『最後まで見てくれた視聴者には素敵なプレゼントのご紹介でーす。じゃじゃーん、コラボ記念Tシャツ!』
『うわー、絵柄がひどいですねー』
『目を覆いたくなるわ』
『東京を襲うテュポーン、ティターン兄弟と戦うテュポーン、熱線を吹くテュポーンの三種類!』
『これ欲しいって人いるんですか? 私は要らないな~』
『私もこれはちょっと……』
『先着三名様にプレゼントだ!』
『だからいらねぇっつーの。頭沸いてんのかい、おまえさん』
ドアがノックされた。
「パラっち、そろそろ交代~」
「はーい」
プチ。
リパラーは画面を消した。
コラボ記念Tシャツは……まあ、要らない。
挿絵は全てAI作成です。うち一枚目の東京を襲撃するテュポーンはクレイジーエンジニア様からご提供いただきました。テュポーン進路図と素戔嗚はChatGPT作成、パンドラはCopilot作成です。




