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第九話 窓の外
窓辺は、いい場所だ。日が当たる。風の匂いがする。
外には、街の猫たちがいる。オレは座り直し、背筋を伸ばす。
視線を感じる。悪くない。
しっぽを立て、堂々と、ゆっくり尻尾を振る。
「……ふん」今日もオレはオレだ。
アニキがなにやら騒がしく動き始めた。
これは危険な合図だ。
こういう時は決まってドアの外に行ってしばらく帰ってこなくなる。
怠けてはいられない。なんとしてもアニキを阻止しなくては。
「にゃーにゃー」
アニキの足に擦り寄ってみる。
これをすると必ずオレの頭を撫でてくる。
そのままお腹を見せてゴロン。
これでイチコロだ。
「たまはかわいいな。すぐ帰ってくるからな。」
ガチャ。バタン。
ドアが閉まってアニキがいってしまった。
ちくしょう!こんなかわいいオレを残して行くなんて。
最後の望みをかけて窓へ猛ダッシュ。
窓からアニキが歩いて行くのが見える。
「にぁぁーーー!」
アニキの姿が見えなくなっていく。
別に寂しいわけじゃない。
別に寂しいわけじゃない。
ご飯の心配をしてるだけだ。
窓辺で丸くなる。アニキが帰ってくるまでオレが見張ってないとな。




