98/191
日本霊異記の最初の話
前回は日本霊異記について紹介しました。日本霊異記の第1話は、少子部の栖軽の話です。
どういう話かと言うと、もともと雄略天皇に仕えていた少子部の栖軽が雷を捕まえてくるよう命じられて、そのとおり捕まえて来たというものです。
少子部の栖軽が雷(?)を捕まえたという話は日本書紀にも見えます(日本書紀では少子部連蜾贏)。ただしこちらは、命じられたのは三輪山の神を捕まえることです。そこで少子部連蜾贏は三輪山で大蛇を捕まえて来るのですが、大蛇が雷のような音を立てて目をらんらんと輝かせたものだから、雄略天皇はすっかり恐れ入ったということです。
明日香村には雷丘という丘があるそうです。この雷丘が少子部の栖軽の墓という説もあり、発掘調査も行われていますが、これが古墳であるとの断定はできないそうです。




