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羅城門の妖怪のモデルについて
天平のファンタジア第3章は、羅城門のほかにも今昔物語のエピソードが含まれていたことにお気づきの方はいたでしょうか。
土蜘蛛の正体ですが、蜂に殺された蜘蛛の霊を紹介しました。今昔物語では、蜘蛛の巣にかかった蜂を僧侶が助けてやるという話があります。その後、助けられた蜂は、仲間数百匹とともに蜘蛛に仕返しに来るのですが、蜘蛛はうまく隠れて難を逃れたというのです。
天平のファンタジア本編では、逆に蜘蛛が蜂に殺されて、蜂を助けた娘に憑りついて妖怪となるという話にしています。
さて、自分は、このエッセイを書くまで、このエピソードを日本霊異記から引っ張って来たとばかり思っていました。ところが、いざ、その出典を確認しようと日本霊異記を調べてみても、なかなかこのエピソードが見つかりません。そこでようやく見つけたのが、今昔物語だったというわけです。
やはり、今昔物語は奥が深いです。




