日本神話とギリシャ神話
日本神話の中にはギリシャ神話と類似の話があるというのは有名な話です。
具体的には、イザナギ・イザナミの神話で、イザナギが亡き妻のイザナミを連れ戻そうと黄泉国を訪問する話です。このときイザナミは「自分の姿を見てはいけない」とお願いしたのに、イザナギがその約束を破ってしまって、自分だけが地上に戻って来たというものです。
これと似ていると言われているのは、ギリシャのオルフェウス神話です。亡き妻を連れ戻そうと冥界に行った夫が、「決して後ろを振り向いてはいけない」と言われた約束を破ってしまい、自分だけが地上に戻ってしまうという話の筋が、日本神話と酷似しています。
この2つの話の類似については、さまざまな意見があるものの、自分は、用いられたプロットが多く符合していることから、元は1つの話であったという見解を支持します。
そこで次の問題は、いつ、どのような集団が、どこからこの神話を日本に持ち込んだかです。このイザナギ・イザナミ神話は日本書紀の冒頭に近いところで語られているものです。この神話の流入経路を明らかにすれば、日本建国の謎を解く大きな糸口になると思っているのですが、いかがでしょうか。




