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光明皇后の伝説

 天平ファンタジア本編、ただいま第2章公開を始めました。

 第2章は、メインヒロインのアスカが活躍する話となります。

 アスカのモデルが聖武天皇の正妻である光明皇后であることは既に紹介済です。光明皇后の(いみな)安宿媛(あすかべひめ)なのでアスカです。そういう単純なネーミングです。

 この光明皇后は伝説の多い人物です。もっとも有名なのが、施薬院で1000人の垢を洗い流したという施浴伝説でしょう。この施浴伝説の初出は正倉院『東南院文書』とされているようですが、よく分かりません。

 この伝説は、光明皇后が「浴室を作り1000人の身体を洗いなさい」との啓示を受けて、その通りにしようとするところから始まります。光明皇后の時代は、まだ十分な衛生環境が整っていない社会です。身分の別なく1000人もの人を招けば、悪臭を放つ者もいましょう、皮膚病に悩む者もいましょう、こういう庶民の身体を洗おうというのですから家人は大反対です。こうした反対を押し切って光明皇后が人々の垢を洗い流し続けて1000人目、体中が膿んでる老人がやってきました。しかもこの老人、「この身体中の膿を吸い取りなさい」などと要求します。光明皇后は、こうしたセクハラ要求にも嫌な顔ひとつせず、丁寧に膿を吸い取ってやりました。するとこの老人は、正体を現し阿閦如来となって昇天したということです。

 光明皇后は、父親である藤原不比等の邸宅を皇后宮とし、その後これを寺としたそうです。これが奈良の法華寺の由緒です。その法華寺には、浴室が建てられています。現在の建物は明和に再建されたものらしいですが、浴室はその前からもあったとのこと。ひょっとしたら、光明皇后が1000人の垢を洗い流されたというのは、この浴室だったのかもしれません。

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